2014
03.30

「君は僕だけのもの」 あとがき

Category: あとがき
TA後エジリディss第3弾、いかがだったでしょうか?

TAを初めてプレーした時から、リディアのあのきわどい衣装はどういう事になってるんだと思ってたんですよね…。エッジはリディアの事が真剣に好きなわけだし、あんな露出狂のような恰好は見ていて気が気でなかったでしょう。しかもあれは明らかにノーブラだし、リディアは何の悪気もないだろうし(^^;)エッジは結婚したからにはもう他の男に取られたくない!という独占欲が湧くに違いないと思い、それを描きたいと思った結果、浮かんだのがこのストーリーでした。

ただエッジも基本エロキャラだし、そこはうまく取り入れつつ…と思ったらエロ要素が入ってしまいました。
すいませんすいません!!

それにしても、私の頭に浮かんでくるシチュエーションって、エロ系が多くて困ってます…。18禁のカテゴリーでも作るべきなのでしょうか(苦笑)


ではでは皆様、また次の機会に(^^)

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2014
03.27

「君は僕だけのもの」 ★

TA後結婚したエジリディSS第3弾です!エッジを喜ばせようとしたリディアの行動にエッジは…?


ややコメディ×エロ有りです。ご注意下さいm(_ _)m





「君は僕だけのもの」




エブラーナ城では、今日もエッジとリディアが仕事に励んでいた。結婚してから、少しずつリディアも仕事を覚え、王であるエッジの負担は以前よりも軽くなっていった。

しかしここ数日、余裕ができたせいなのか、気になるようになったものがある。



それは、リディアのとある習慣…。





(あぁっ、まただ…。くそっ、リディア、勘弁してくれよ。)

エッジの視線の先には、数人の男性家臣と仕事の話をするリディア。美しく朗らかな王妃は、家臣からも国民からも好かれる存在。エッジはそんなリディアが愛しくてたまらないし、誇りに思う。

(いや、だから俺の前でだけにしてくれよ…。頼むから!)

今度は城内で道具屋を営む男性店主と話をしている。おそらく労いの言葉をかけているのだろう。


最初それは気のせいだと思ったのだが、見れば見るほど、それは明らかだった。


エッジが気になるもの、それは…。




「おい、リディア。」
耐えかねたエッジがリディアを呼ぶ。

「はぁい、何?」
夫に呼ばれ、笑顔で駆け寄ってくるリディア。



(あぁ~、間違いねぇ。)

「ちょっとこっち来い。」
「え、な、何よぉ。」



エッジはリディアの腕を掴み、人のいない城の一角に連れて行く。リディアを壁に押し付け、エッジは両手を壁につき、リディアを逃げられないようにする。

「リディア。」
「何よぉ、こんなとこに連れて来て。」

「お前さぁ、今日ブラジャーしてる?」
「へ!?な、何聞いてるのよ!スケベ!」
「いいから答えろ。ブラしてんのか?」

「…し、してるよ?」
「本当か~?」

エッジが気になるもの、それはリディアの胸だった。



リディアはエッジと結婚するまでは魔力を高める素材で作られた、露出度の高い服を好んで身につけていた。それらはデザイン上、ブラジャーを着けずに着用するものだった。またリディア自身がブラジャーは窮屈であまり好きではなく、魔法を詠唱する時の心理的な妨げになるからと、着けないのが習慣だったのだ。


エッジと結婚することになり、一国の王妃となるからには、露出度の高い服は御法度となり、リディアはこっちに来てからはエブラーナ様式の長袖ロングスカートの衣装類を纏うようになった。同時に王妃の身だしなみとして、毎日ブラジャーを着けるようにエッジから口酸っぱく注意された。そしてエッジはリディアが窮屈だと感じないようにと、彼女の体型に合わせたブラジャーを何枚も作らせたのだ。


それ以来リディアは言われた通り、ブラジャーを着けていた。エッジは安心していたのだが、ここ数日、不自然に仕事中でもリディアの胸がぷるんぷるんと揺れていたし、服の上からでも乳首の形が見える時もあったのだ。リディアが大好きで、他の男の目に彼女の魅力を晒したくないエッジは気が気でなかった。

「本当にブラしてるんだな?」
「う、うん。してるよ。」

エッジはリディアの目を見て、嘘をついているのがすぐに分かった。正直なリディアは、嘘をつくのが下手だった。そこがまたエッジにとっては魅力的ではあるが。


「そうか。何色?」
エッジの尋問は続く。

「えと…白地にピンクの花の刺繍が入ったやつよ。」
「お、俺のお気に入りのブラじゃねぇか。…見せてくれよ。」
ニタリと笑うエッジ。

「い、嫌よ。こんなところで。」
「見せてくれねぇの?」
「…嫌っ。」
「何だと~?じゃあこうしてやる。」


そう言ってエッジは両手でリディアの形のいい乳房を服の上から弄り始める。
「あんっ…やだぁ、エッジ。」

エッジが乳房を揉みしだくと、リディアはさらに悩ましげな声を出す。

「あぁんっ…はぁっ…エッジ、こんなとこで…だめぇ…。」
「あぁ、柔らかくって気持ちいいぜ…。お前の胸、最高だよ。」


エッジが乳房を揉みしだきながら親指で乳首を探り当て、くりくりと撫で回すと、リディアはますます感じたようで、乳首が固くなり始めた。今日着ているシンプルなデザインのドレスは薄手なので、脱がなくても乳首の形がくっきりと見える。


(ブラ着けてんなら、こんなに乳首が露わになるわけねぇだろ…。もう少しお仕置きしてやるか。)


エッジはリディアの乳房を手で下からたぷたぷと揺らし始めた。

「おおぉ、大きいから揺れるねぇ。たまらねぇなぁ~、くくくっ。」


卑猥な笑い声を出し、エッジはリディアの胸に顔をうずめた。

「いやぁん、エッジのばかぁ…。」

次第にリディアの表情が、艶かしい女のものへと変わっていった。

(まだ白状しねぇか…。強情なやつだな。)

エッジはさらにお仕置きする。

「ブラ着けてんのにすげぇ生々しくって燃えるぜ。ここでヤッちゃうか?」
「!いやっ…そんな…やめてぇっ。」
「いいじゃん、お前もその気になってんだろ?」
「んもう、夜まで我慢してよぉっ。…今夜はエッジが満足するまで頑張るから、ね?」

上目遣いでそう言われ、エッジは卒倒しそうになったが、何とか堪える。

「うーん、どうしようかな…じゃあ服の上からでいいから、吸わせてくれ。」
「えっ!?だ、ダメよ、エッジの口の跡が服についちゃうじゃない。」
「じゃあ直接吸わせてくれ。なら大丈夫だろ?」

そう言ってエッジはリディアの両乳首を服の上からきゅっと摘む。

「はぁあんっ!お願い、やめてぇ…。」

自分の身体を熟知しているエッジに感じやすいポイントを攻められ続けたリディアは頬を赤らめ、翡翠色の美しい瞳を潤ませて夫に懇願する。だがエッジは自分の言い付けを守らなかった妻が素直に白状しようとしないので、お仕置きをやめる気はない。


エッジは口布を下ろし、リディアの胸に顔を近づけ、舌をペロペロとして見せた。まさしく獲物を喰らおうとする獣である。夫の姿を見てリディアは恐怖感を覚える。

「へへへ…。」
「エ、エッジ…?い…や…。」

エッジがリディアの着ているエブラーナ様式のドレスの、着物のように前で合わせた襟元に手をかけた。

「きゃ…んむっ。」

悲鳴をあげようとしたリディアだったが、エッジが彼女の唇に深く自分のものを重ね、口を塞ぐ。

次の瞬間、エッジは襟元をぐいっと左右に広げ、リディアのドレスの上半身部分を両肩からずり下ろした。

「!!」

リディアは驚くが、口が塞がれて声が出せない。そしてドレスの中から現れたのは、何にも覆われていない、白くて弾力のある、ぷるんとした柔らかな妖艶な二つのふくらみと、程よいピンク色の乳首であった。


エッジはリディアから唇を離すと、獣のような顔から一転し、真顔になった。
「…リディア、お前ブラ着けてるって言ったよな?」
「え…えっと…。」

夫の真顔にリディアは怯える。

「何で着けてねぇんだ。着けろって言っただろ?お前は王妃様なんだぞ。こんなふしだらなことをしてもらっちゃ困るんだよ!」
「…。」

リディアはエッジに怒鳴られ、しゅんとして俯く。

エッジはさらにリディアを問い詰める。
「…あの作ったブラ気に入らねぇのか?」
「ううん…。デザインも可愛いし、着け心地もいいよ。」
「あ?じゃあ何でだよ?」

「…だって。」
「ん?」

「だってエッジが…。」
「俺が何だよ?」

「こないだの夜、私のおっぱい大好きだし、いつでも眺めてたいって言ったじゃない…。」


「…へっ?」


夜、というのはもちろん、エッジとリディアの夫婦の時間のことである。

数日前の夜、2人はいつものように寝室のベッドの上で一糸纏わぬ姿となり、愛の営みを繰り広げていた。

「あっ…はぁっ、はぁっ、エッジ、気持ちいいっ…!あんっ!」

豊かな乳房をエッジに揉みしだかれ、乳首を舌でつつかれ、吸われたリディアは快感に悶えていた。

「いい声出すなぁ…。もっとして欲しいか?」
「…うん。お願い…。」

快感に襲われ、とろんとした目と半開きの口でエッジを見つめるリディア。
「よしよし、素直でいい子だ。」

エッジはリディアの柔らかい緑の髪を撫でてやる。そして親指でリディアの美しいふくらみの頂点にある乳首をくりくりと弄ぶ。

「きゃあん!やぁっ…感じちゃうっ!」
「くくっ、ここ感じやすいよな。あぁ、お前の胸、すげーいい…。大きくて柔らかくって、綺麗な形してて。しかもこの乳首、桜の蕾みたいで可愛い。たまんねー…。」

出会った頃と比べて成熟した、妖艶なリディアの身体。エッジはそんなリディアのふくらみを弄り続ける。

「はぅっ…エッジ…私のおっぱい、そんなに好き?」
「あぁ、大好きだよ。ずっと眺めていたいぜ…。お、ずいぶん濡れてきたな。もう入れちゃうか?」
「うん…来て…。」



……うーん、そういやそんな事言ったっけなぁ…。



エッジはリディアに言われ、ぼんやりと数日前の夜の事を思い返した。しかし愛し合ってる最中はもはや別世界へとふっ飛んで行ったようなもので、何をどう言ったか一字一句覚えているわけではない。ベッドの上でないと口にできない卑猥な言葉や愛の囁きもあるし、無意識に口走っていることも多い。エッジは公私をきっちり切り替えるタイプなので、あくまであれはプライベートに限ってのことだと捉えてもらいたかったのだが、どうやらリディアはエッジの言葉をそのまま受け取ってしまったようである。


「…うん、そうだな。確かに俺はそう言った。」
「思い出した?」
「おぅ。」

「だから私、ブラしなかったらエッジが喜んでくれると思ったの。私はブラ着けないの慣れてるし、着けろって言ったのは建前で、エッジの本音じゃなかったんだって思って…。」


エッジは返す言葉を失い、呆然とした。
「エッジ、聞いてる?」
「ん!?あぁ、聞いてるよ。」

ふとリディアを見ると、両腕で露わになった乳房を隠し、どうしてそんなに怒るの…?と悲しげな表情でエッジを見つめていた。その姿は、まるでいつもは優しい飼い主に突然叱られて、キューンと鳴く子犬のようだった。そしてリディアの瞳からは今にも大粒の涙が零れ落ちそうになっていた。こうなるとエッジはもうお手上げである。

「あぁ、リディア…。すまねぇ、手荒なことして悪かった。」

エッジはリディアのドレスを元通りに着せてやり、自分の胸元へ抱き寄せた。するとリディアは糸が切れたかのようにぐずり始めた。

「うっうっ…ふぇぇぇん…。」

あぁ、泣かせてしまった…。こいつは悪気なんてなかったのに。エッジは罪悪感に苛まれる。

エッジはリディアの髪を撫でながら、背中をポンポンと優しく叩いてやる。
「ごめんな、リディア。泣かせちまって。」

リディアの耳元で詫びの言葉を囁くエッジ。ぐずるリディアから香る甘く優しい匂いがエッジの鼻から全身を駆け巡り、眩暈がしそうになる。

(こいつは何をやっても俺を虜にできる小悪魔だ…。)

このままずっと抱いているのも悪くないなと思い始めた時、リディアがエッジの胸から顔を離し、エッジの顔を見上げた。

「ん、落ち着いたか?」

リディアの目に入ったのは、さっきまでの怖い顔とはうって変わって、優しい表情のエッジ。リディアは安心感を覚える。

「うん…。」
「ほんとに、しょうがねぇ奴だなぁ。」

そう言ってエッジはリディアの頬に残る涙を拭ってやる。
「エッジ…。」
「ん?」
「…あれは、嘘だったの?」
「いいや?本心だぜ?」
「じゃあどうして…?」

エッジはふーっと息をつく。

「あのな、俺がブラジャー着けろって言ったのは、王妃の身だしなみとしてだけじゃねえんだよ。俺は大好きなお前の女としての魅力を他の男の目に晒したくない。男ってのはしょうもない生き物で、女の胸見ただけで簡単に欲情するんだよ。そうなったらお前はその男に襲われるかもしれねぇし、俺はお前が他の男から気を持たれるのは嫌なんだ。お前は俺の大事な嫁さんなんだからな。」

エッジの思いを聞いたリディアは神妙な面持ちで頷いた。
「…エッジ。そんな風に思っていたのね。」
「そういう事だ。…つまり、お前の女の部分を見せるのは俺の前だけにしてくれってこった。」
「…うん。ねぇ、エッジ?」
「ん?」


ちゅっ。


リディアはエッジに口づけした。

「!!!!!」

リディアからキスされるなんて予想していなかったエッジは真っ赤になる。

「おぉぉぉ、びっくりした!」
「うふふ。エッジが私のことをそんなに好きでいてくれるなんて嬉しいな。」

「ん…。分かってくれたならそれでいい。」

エッジは頷きながらも、照れ臭くてリディアの顔を直視できない。

「うん。」
そう言ってリディアはにっこりと微笑む。

(こいつには敵わねえなぁ…。)

そう思いながら苦笑するエッジ。するとリディアがどこかへ行こうとする。

「あ?どこ行くんだ?」
「部屋に行くの。ブラ着けてくる。」
「おお、そうか。」

そう言ってエッジはリディアの後についていく。
「エッジ、何でついてくるの?」
「お前がちゃんとブラ着ける姿を見届けに行くんだ。」
「そんなことされなくてもちゃんと着けるわよっ!」
「いや、俺も一緒に部屋に行く。」
「も~、エッジのばか。」
「バカで結構だ。」


部屋に着いたリディアは、クローゼットの中にある引き出しからブラジャーを1つ取り出す。そして上半身裸になり、ブラを着けた。その姿をエッジは仁王立ちして眺めていた。

リディアがドレスを元通りに着ると、エッジは満足げに頷いて、

「よし、これで大丈夫だな。さぁ、仕事に戻るか!」
「うん。」

執務室に向かう2人。するとエッジが口を開く。

「さぁ~、頑張るぞ。今夜はリディアがばっちり相手してあげるって言ってくれたからな!」
「へ?な、何の話よっ!」
「あん?お前さっき言ってたじゃねーか。『今夜はエッジが満足するまで頑張るから。』って。」

はっとしてリディアは頬に手を当てて、顔を真っ赤に染める。

「ち、違うもん!エッジがあの時やらしい事するの止めてくれるならって意味だもんっ!…エッジ、あの後また触ったしドレス脱がせたし…。」
「いやぁ、俺はそんな話聞いてねぇな。だからお前のあの言葉は有効だ。」

エッジがニタリと笑う。

「エ、エッジのバカ!!こ、今夜は私1人で寝る…んっ。」

リディアの唇にエッジのそれが重なっていた。

「…今夜は楽しみにしてるぜ。」
そう言ってエッジはリディアのお尻をするりと撫でた。

「…もうっ、バカ!」


こうして2人は執務室へと戻った。




そしてその夜、国王夫妻の寝室からは、普段よりも一段と艶めかしい声が響いてきたという…。


―完―




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2014
03.25

「The First Time」 あとがき

Category: あとがき
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2014
03.24

「The First Time」 ★

Category: FF4エジリディ
エッジとリディアの、初めての日の話を書いてみました。時間はFF4本編と、TAの間です。エロありですので、ご注意下さいm(_ _)m




「The First Time」






今日は、何時に来るのかなーーー。





バロン王国の北にあるミストの村。数年前、ゴルベーザ四天王の1人、カイナッツォの策略により焼き払われ、そこでひっそりと暮らしていた召喚士達が命を落とした。




しかし今、召喚士の生き残りであるリディアの元、バロン、ダムシアン、ファブール、そしてエブラーナからの支援を受け、ミストは復興しようとしていた。



建物を作り直し、焼けた地面を掘り返し、燃えてしまった木々の跡に植林したりと、地道な作業が毎日繰り返されていた。


忙しい中でも、セシル、ギルバート、ヤンは時々様子を見にミストに来てくれる。特にバロン国王セシルは、自分が犯してしまった罪を償いたいという気持ちから、率先してミストの復興を申し出てくれた。


「セシル、来てくれたのね!忙しいのにありがとう!」

「いいんだよ、リディア。僕の犯した罪だから、償わせてほしいんだ。」


とても頼りになる兄のようなセシル。幻界に行く前、彼の事をとても慕っていたリディア。


(あれはきっと、初恋だったんだわ…。)


セシルへの初恋は、ローザという恋人の存在の前に儚くも敗れていってしまったが、それでもリディアはセシルの事を信頼し、これからも仲良くしたいと思っていた。



そして、今日リディアが待っているのはセシルではなくてーーー






「若様!!かような時にどちらへ行かれるのですか!!」
「ちょっと修行の旅にな。」


そう言いながらエブラーナ城を後にするのは、国王となったばかりのエッジことエドワード・ジェラルダイン。


その行き先は…






数時間後。





「よっ、リディア!」

「エッジ!」


エッジは自国の復興で忙しい中、何かとミストに来ていた。それは復興を手伝うため…だけではなかった。


月の大戦で共に戦ったその時から、エッジはリディアのことが好きで、いずれは結婚したいと思っていた。しかし今はお互いそれどころではない。エブラーナもまだ復興が終わったわけではないし、ミストもまだまだ人手が必要だった。初めて心底惚れてしまった女性のため、エッジは自分のはやる気持ちを抑え、彼女の望む、故郷の復興を支えていたのだ。


「エッジ…遠いのにありがとう。」
「へっ、俺を誰だと思ってんだ?忍びの長の俺にしたら、これぐらい何てことないさ。」
「ふふ、エッジったら。」


「で、今日は何すりゃいい?」
「んーと…村の外れに瓦礫がまとめてあるんだけど、外にそれを運び出したいの。」
「そうか、了解!!」


元気に返事をしたエッジは、作業を開始した。




「ふー、こんなもんでどうだ、リディア?」


しばらく作業した後、すっかり瓦礫は片付いた。

「ありがとう!私じゃ力がなくて、どうにもできなかったの。」
「だろうな。困った時は俺を頼れということだな。」

そう言ってエッジは笑う。

「エッジ、うちでちょっと休憩してよ。疲れたでしょ?」
「おぉ、そうだな。茶でも飲ませてくれ。」
「うん、淹れてあげるよ。」


2人は仲良くお茶を飲む。


リディアは最近、エッジといると嬉しいだけでなく、不思議な気持ちになっていた。セシルやギルバート、ヤンが来てくれた時ももちろん嬉しいが、エッジが来ると、胸が苦しくなるような感覚を覚える。

(何なのかな…この気持ち。)


月の大戦が終わって1年後、自分の偽物が現れ、セシル、パロムとポロムは全く偽物だと気付かない一方、エッジだけは見破った。



あれ以来、エッジに対する意識が変わったことはリディアも自覚していたのだが、その気持ちが何なのか、思春期を幻界で過ごしたせいもあってか、よく分からずにいた。


彼の明るい笑顔を見ていると、すごく元気になる。一緒に旅をしていた時は毎日見れたのに、終わってからは時々しか見れない。


(もっと、一緒にいられたらいいのにな…。)


リディアはそう思っていたが、エッジは今やエブラーナの国王。長時間引き止めるのは悪いと思い、その思いを口にすることはなかった。




「さーて、そろそろ次の作業に取りかかるか。」
「うん。」

2人は家の外に出て、次の作業に取りかかった。



すっかり日が暮れた頃。


「だいぶ片付いたな。」
「うん。これで大丈夫ね。エッジ、ありがとう。」


まだまだ復興には時間がかかるが、それでも一歩一歩進んでいる。


「ふはぁー、今日も一日働いたぜ。」


よく見ると、エッジの着衣が土木作業のため、汚れていた。

「エッジ、うちで着替える?」
「んー、そうだな。さすがにこれじゃ帰れねーわ。」


リディアの家に戻り、エッジはリディアの部屋で着替え始めた。

着ていた物を脱ぎ、下着1枚になったその時、ドアが開いた。


「エッジ、このタオル良かったら使っ…きゃあっ!!」


汗を拭いてもらおうと思い、タオルを部屋に持って行ったリディアは、下着1枚のエッジの姿を目にしてしまい、思わず声を上げてドアを閉めた。


(やだ…見ちゃった…。)


リディアの心臓はバクバクしていた。すると部屋からエッジが出てきた。その姿はまだ下着1枚だ。


リディアは顔を真っ赤にして、
「ちょっ…やだ!何でそんな格好で出てくるのよ!?」
「いやぁ、お前の反応があまりに可愛くってさ。」

ニヤニヤするエッジに、リディアはどう反応すればよいか分からない。

「もうっ!早く部屋で服着てよっ!」

タオルをエッジに投げ付けるリディア。


するとエッジが突然リディアの腕を掴んだ。

「!?な、何するのよっ!」

エッジは無言でリディアの腕を掴んだまま、部屋に入る。


リディアがジタバタしていると、エッジがまだニヤニヤしている。


エッジはリディアを部屋に入れ、ドアを閉める。リディアは何が何だか分からないといった表情をしている。するとエッジがリディアの顔を覗き込み、

「俺のこの姿見て、興奮しちゃったのか?ん?」
「…!!ち、違うもん!びっくりしただけだもん!」

「ふーん。お前の反応、ほんっと可愛いなぁ。もっと見たいなぁ。」

「へ…?」

リディアはエッジの顔を見る。すると、エッジは顔を近づけてきた。


(な、何…?)


リディアは怯えた。いつものエッジと何か違う。表情がいつになく真剣に見えた。するとエッジがリディアの両手首を掴んだので、リディアは抵抗しようと力を込めた。

「!?な、何するのよエッ…ジ…?」



気付くとエッジの唇が、リディアの唇に触れていた。






(柔らかくって、気持ちいい…。)




リディアの両腕は、いつの間にか力が抜けていた。エッジがゆっくりと唇を離す。


その瞬間、リディアの中には不思議な欲求が湧き上がっていた。


唇を離さないで欲しい


もう1回して欲しい




(私…何、この気持ち?)




エッジが自分を見つめている。


いつもはお調子者で、口の悪いエッジなのに、口布を着けていない彼の顔をよく見たら、切れ長の目に整った鼻筋をもった精悍な顔立ち。


(エッジって…こんなにかっこよかったの…?)


リディアの心臓はドキドキとしていた。



するとエッジが再び口づけをしてきた。

「!!」


リディアは声が出なかった。それよりも、エッジとのキスの気持ち良さに酔ってしまっていたのだ。




しばらくキスをした後、エッジが唇を離した。


「お前、俺にキスされて、嫌じゃねーの?」

真面目な顔をするエッジの問いかけにはっとするリディア。

「え…?」


「嫌じゃねーのかって聞いてんだ。」

「……。」



嫌じゃなかった。けどそんな事を言う勇気がない。


「あ……えーと…。」
「もしかしたら股ぐらを蹴られるかと思ったんだけどな。」



リディアは頭がポーッとしていた。


「もう1回、してもいいか?」


エッジの言葉に、リディアはドキッとして、思わず彼に背を向ける。


心臓がドキドキしてる。どうしたらいいか分からないぐらいに。


リディアが必死にドキドキに耐えていると、エッジが背後からリディアを抱きすくめる。

「!!」
「ベッドに座らねぇか…?」


そう言われてリディアは黙ったまま、エッジと一緒にベッドへ移動した。


(やだ…何なのこの気持ち?…嬉しい?いや、そんな…。)



「もう1回、キスしていい?」


エッジが再び尋ねる。



理性と本能の狭間で葛藤しているリディアが黙っていると、


「嫌か?」



エッジにそう聞かれたが、リディアは答えられない。今、自分がなぜこんな気持ちになっているのかが分からないのだ。

「リディア?」




ゆっくりと、リディアは口を開く。





「嫌じゃ…ない…よ。」




次の瞬間、エッジのキスがリディアの唇に降ってくる。さっきまでとは比べものにならないぐらい、熱く、深いキス。リディアの唇を貪るように、角度を変えながら攻めてくるエッジ。舌を自分の口の中に入れられ、歯と歯茎全体を余すところなく舐められる。エッジの舌と自分の舌が触れ合う。すると自然に絡み合い、ちゅぷちゅぷと淫靡な音がした。


2人がそのままベッドに倒れこんでも、キスはまだ続いていた。



(気持ちいいっ…もっと、欲しい…!)



濃厚なキスから解放されたリディアは、呼吸を整える。すると、自分の股間の辺りがジンジンとしていることに気付き、思わず片手をそこに添える。


(何…この感じ…?)



それを見たエッジはさらに興奮し、リディアの着衣の肩紐を手でずらす。



「やっ…!!」


「…嫌か?」
「…。」



何故か、エッジに嫌かと聞かれると答えられない。それどころか、もっとして欲しいような気持ちに駆られる。けど、恥ずかしくて言えない。



「お前が嫌なら、やめるぜ?」


そう言われた途端、物足りなさを感じる。




「…や…やめ…ない…で。」





なんてはしたないことを言ってるんだろう。恥ずかしいけどやめて欲しくない、もっとエッジに触れて欲しい。



エッジがこのまま自分に何をするのかは、経験のないリディアも予想がついていた。乏しい知識ながらも、このような状況にいる男女がどんなことをするかぐらいは理解していた。


(これって、夫婦や恋人同士がすることなのに…私とエッジは…。)


色んな事を考えている間に、エッジはリディアの着衣の肩紐を下ろし、上半身を裸にしていた。


エッジはリディアの豊かな胸のふくらみに見とれていた。



きめ細かく、白くて弾力のある乳房。ふくらみの頂点には、きれいなピンク色をたたえた花の蕾のような乳首。

(すげぇキレイだ…。)


エッジは恐る恐る両手でそのふくらみをそっと掴み、さすってみると、リディアは悩まし気な声を上げる。

「あっ、あぁっ…エッジ…。」


(やだ…こんな気持ちになるなんて…私、どうしちゃったの…?)



理性と戦いながら紡ぎ出されるリディアの声に興奮したエッジは両手でふくらみを揉みしだき始めた。リディアはそんなエッジの心境も知らず、ますます喘ぎ声を出す。

「あっ、あ…あぁぁぁん…!エッジ…はぁぁぁん。」


(たまんねぇ…。もっとしていいのか…?)


エッジはそっとリディアの蕾を口に含む。舌で蕾を転がすように舐め、つついたり、軽く吸い上げてみる。

リディアは嫌がる様子もなく、エッジの行為に艶かしい吐息とともに、声を上げる。


エッジは反対側の蕾も同じように慈しむ。

「やぁっ…あぁっ…ふぁぁぁん…あんっ!」


リディアは腰をくねらせ、身体を捩って次々とやってくる快感に悶える。その姿が、ますますエッジを興奮させることも知らずに。


エッジの手がリディアの両太腿の付け根へと伸びていく。それに気付いたリディアは両脚をしっかりと閉じるが、エッジは器用に指をその間へと入れ込んでゆく。指でリディアの服の上から、秘所の辺りを探ってみると、リディアはピクンと反応した。


「あっ…そこ…。」
リディアは快感に呑まれつつある、艶かしい顔で、エッジを見る。


「ここが何だ?」
「そこは…女の子の大事な所なの…。」

エッジはリディアに笑いかけ、

「知ってるぜ。」
「…大事に、して…。」


リディアは自分の意思をどう表現したら良いのか分からず、曖昧な言葉しか口にできなかった。


「優しくしてやるから、心配すんなよ。…初めは痛いだろうけどな。」
「えっ…?」


その瞬間、自分の理性とは裏腹に、早くエッジが欲しいと身体の奥が疼いているを感じた。


エッジはリディアの着衣をするすると脚から脱がせ、ショーツを纏っただけの色白な妖艶な身体が露わになった。



これから訪れるであろう痛みがどんなものなのか、リディアには想像がつかない。ほとんどの人は痛いと聞いているが、それに耐えられるのか疑問だった。だが何故かそれでもいいと思う自分がいた。


「あっ…!」
「心配すんな、まだ痛くならねぇよ。」



エッジの大きな手がショーツの中へと侵入し、リディアの秘所へと伸びてきた程よく太い指が、未開の入り口の周りを探り出す。

「あぁっ…!エッジ、くすぐったい…。」
「くすぐったいか?もうすぐ気持ち良くなってくるぞ。」

エッジは卑猥な笑みを浮かべた。


リディアの入り口付近を探っていた指は、徐々に中心部へと進んで行く。そしてそこに温かく小さな泉が湧いていることを確かめると、エッジはそこにぬるりと中指を挿し込む。

「いやっ、エッジ…!」
「嫌か?嫌ならやめるぞ?」


「ち、違うの…や…やめないで…!」

リディアの言葉を聞いたエッジに火がついた。

「よし、いい子だ。続けてやるよ。」

(私ったら…何言ってるの…!?)

にっこりと笑ったエッジは、潤んだそこを指で擦り始めた。くちゅくちゅといやらしい音と共に、初めて味わう快感がリディアを襲う。

「ひゃあぁぁぁんっ!」

初めての刺激にリディアは悲鳴のような声を上げて、ベッドのシーツを掴む。リディアの目尻には、涙の粒が光っていた。

「おいおい、そんなんじゃ、本番どうするんだよ?」

「…エッジのばかぁ。意地悪…。」



エッジはするするとリディアのショーツを脱がせ、再びリディアの秘所に触れてみる。だが初めての行為を行うためにはもう少し潤いが欲しい。エッジはリディアの脚の間に頭を埋める。


「…!エッジ、何するの?」
「…力抜いてろ。」


そう言うと、エッジはリディアの花弁のような入り口を人差し指と中指で広げ、露わになった中心核に舌を這わせた。快感が再びリディアを襲い、中からとろとろと蜜が溢れてきた。

(私ったら、何でこんなことされてるのに嫌じゃないの…?)


エッジはそこがしっかりと潤ったのを確かめると、自分の下着を脱いだ。

「…エッジ?」
「…いよいよだ、リディア。最初は痛てぇと思うけど、力抜いてリラックスしてな。」


エッジは膨張し、そそり立った自分のモノをリディアに見せる。リディアはその大きさを見て、思わず身震いする。

(これが、私の中に入るの…?)

エッジはリディアを見下ろし、自分のモノをリディアの花弁にあてがった。

「…行くぞ。」

そう言うと、エッジがゆっくりとリディアの脚の間に身体を沈めてきた。


「……っ!!」

大きくなったエッジの先端部分が入ってきて苦しいような破瓜の痛みに襲われ、身体を捩った。

「あっ…!!エッジ、痛い…。」
「痛いか?ならちょっと引くぞ。」

エッジは後退し、リディアが初めての感覚に慣れるのを待った。このまま一気に貫くこともできるが、リディアが今後、自分との行為に恐怖感を抱いてしまうようなことは避けたい。口づけし、髪を撫でて大丈夫だと安心させてやる。

「もう1度行くぞ?」
「うん…。」

エッジはリディアの腰を掴み、自身の先端でまだ硬く、初々しい花弁をゆっくりと押し広げてゆく。

「やっ、痛い…!」
「ん…そうか。ならここでしばらく待とうか。」

エッジが少し腰を引いて動かずにいる間、リディアは初めての苦しいような痛いような不思議な感覚に陥っていた。

(痛い…けどやめて欲しくない…。どうして…?)

痛みを感じながらも、リディアは自分の身体がもっと来て欲しいと訴えているのに気付き、このような行為をいかがわしいと思う理性との狭間で彷徨う。


「エッジ…痛いのなくなってきたよ。」
「ん…。じゃもう少し奥に行くぞ?」

(こんな…こんな事してるのに、私…?)

エッジはリディアの熱く潤った狭い道をさらに奥へと進む。

「んっ…。」


初めて男性を受け入れるそこは、自身を弾き返すような反応。エッジは呼吸を整えながらじわじわと前進した。

「……ぁっ!」
「…痛いのか?無理すんな。ここで少しじっとしといてやるからさ。」

エッジは無理に動かず、彼女の手を握り、指を絡めて髪を撫でてやる。


「ぁっ…は…っ…。」

徐々に身体が押し開かれていく未知の感覚と、次はいつあの痛みがくるのかという不安に駆られ、華奢な身体を微かに震わせながら怯えた表情をするリディア。

「リディア、大丈夫だからな。何も怖くねぇぞ?」

優しげな表情で見つめ、おでこや頬、瞼にちゅ、ちゅ、とキスをし、絡めた指に少し力を入れてやる。その気遣いに、リディアの心は落ち着いていく。

(エッジ…優しいな…。)


リディアの様子を見ながら腰を前に進め、エッジはついに最奥へと辿り着いた。

「ふぅ…入ったぞ。よく頑張ったな。」


エッジはリディアに笑いかけて優しく口づけした。

「もう痛くないか?」
「…まだちょっと痛いよ。痛いような苦しいような…変な感じ。」

「そうか…ならゆっくりしないとな?」


エッジは挿入後、リディアに慣れてもらおうと、少しの間動かずにいた。そして腰をゆるゆると揺らし始めると、痛いのか何なのか、何とも言い難い快感がリディアを襲う。

「あっ…あ…あっ…あんっ!」

「痛いか?」
「んっ…だ、大丈夫…。」


エッジはリディアに何度もキスをする。少しでも痛みが和らぐように。

キスをしてる間、エッジは腰を動かすスピードを上げた。

「痛くないか…?」
「んんっ…大…丈夫…はぁぁん!」



だんだんと痛みよりも気持ち良さの方が強くなっていく。リディアは自然にエッジの背中に腕を回し、しがみつく。

エッジが欲しい、感じたい。

(私…こんなことしてるのに、嬉しい…。エッジ…!)



エッジがさらにギアを上げた。ヌプヌプと自分の中をエッジが行き来するのを感じる。初めての不思議な快感に、リディアは戸惑い、縋るようにエッジを見つめる。

「エッジ…私…今すごく変な感じなのっ…!」
「変じゃねぇよ…お前の中、すげえ締まってて気持ちいいぜっ…!」

ずっと全身で感じたいと願っていた、愛する女性の温もり、色白の滑らかな素肌の感触と彼女の熱い内壁にしっかりと絡み付かれる自身。生まれて初めての本気の恋に落ちたその時から夢に見ていた事が今、現実となっている。格別の快感と悦びに、エッジは猛るばかり。


やがてリディアは何かがやって来るような感覚に襲われた。内部が収縮を始め、エッジにそれを知らせる。

「エ、エッジ…な、何かが来そう…!」
「大丈夫だ…そのまま受け入れたらいい…!」

絶え間ない快感に、もう理性を失っていたリディアは、そのままエッジの動きに身を任せる。逞しい腕にしっかりと抱かれ、腰を激しく打ちつけられ、身体の奥に響く刺激に意識が飛びそうになる。

「あぁぁ…っ!はぁっ、はぁ…はぁ…エッジ…!!」

何かがどんどんリディアの下腹部に集まってくる。その間もエッジの律動は止まらない。激しさにぐちゅぐちゅと音を立てる結合部の温度は上がっていく。激しく揺れるリディアの下腹部に集まったものがじわりと広がった後、全身にほとばしり、頭の中が真っ白になった。

「あっ…あ…あぁぁーーっ…!」






エッジは絶頂に達したリディアの激しい締め付けと同時に自身の限界を感じ、急いでリディアの中から自身を抜き取った。

「くぁっ…!!」

ビクビクと痙攣したその先端から、リディアの腹に向かって白い体液を何度も放ったーーー











リディアの腹の上に撒かれたものは、エッジによって、すっかりきれいに拭われていた。エッジは自分の隣に横たわる気怠そうなリディアを優しく抱き寄せ、彼女を見つめる。


「リディア…痛かっただろ?大丈夫か?」
「もう大丈夫…。痛かったけど、最後の方は気持ち良かったよ…。」
「そうか…なら良かった。」

脚の間に残る余韻を感じながら、リディアは両脚を少し捩り、自分の秘所の辺りに手を触れた。その姿を見たエッジはふっと笑い、彼女と頬を擦り合わせる。


「俺とこういうことするの、嫌じゃなかったのか?」
「ううん…何か、嬉しかったの。」
「本当に?」

「うん…。自分でもよく分からないんだけど…。」
「…そりゃよかったぜ。」


リディアがまだエッジへの想いがよく分からない段階でこういう事をしてしまったのはいかがなものか、とエッジは思ったが、嫌じゃない、嬉しかったというリディアの言葉は、彼の心を躍らせた。

(これからじっくりとやっていくしかないか…。そうすりゃきっと、いい方向へ進んで行くだろ…。)



「ねぇ、エッジ…。」
「うん?」

「また…ミストに来てくれる?」
「…あぁ。絶対に来るよ。」

また会う約束をした2人は、肌を合わせ、互いの体温を感じながらそっと唇を重ねた。



エッジとリディアにとって、関係が深くなる大きな一歩となった、夕暮れ時の情事であった。



ー完ー










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2014
03.23

「初夜」 あとがき

Category: あとがき
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2014
03.23

「初夜」 ★

エジリディ小説第2弾!!「ずっと一緒に」の続きの話です。タイトル通り、性的描写ありです。苦手な方はご遠慮下さいませm(_ _)m



「初夜」







エブラーナ国王夫妻の披露宴が無事に終わり、エブラーナ城は少しずつ静けさを取り戻していた。祝福に訪れた仲間達は、今日中に帰国する者もいれば明日以降に帰国する者もいるため、エッジとリディアを始め、城の者達は見送りと客室の世話でバタバタとしていた。


それらが一段落した後、一生に一度の大イベントを終えたエッジとリディアには、次なる儀礼が待っていた。


これから2人の新婚初夜が始まるのだ――。




エッジは宴となると酒をこれでもかというほど飲むのがお決まりだったが、今日ばかりは違った。長年恋い焦がれた愛しのリディアと、晴れて夫婦となった記念すべき日。アルコールに呑まれて失態を犯すわけにはいかなかったのだ。

(パーティーで酒を控えるなんて、俺も落ち着いたもんだよなぁ…。)


内心自画自讃するエッジ。30代後半になり、以前の無謀さは影を潜め、慎重な判断を下すようになった。戦の時も、討ち死にするより、生き残ることが大事なのだと考えるようになった。そしてリディアと結婚したからには、余程のことがない限り、城を抜け出す理由もない。これからはやっと、落ち着いた王様になれるのだろうか――。


(どっしり構えた王様なんて、俺の柄じゃねぇよな…。)



色々な思いを巡らせるエッジ。結婚すると価値観が変わるというが、自分もそうなのだろうか?エブラーナという国に加え、守るべき女性をもった今、これまでのような気ままな事は許されないだろう。自由にやってきたエブラーナ国王も、朧げながらそれを理解しつつあった。


「若様…いえ、お館様。」

「おう、じいか。何だよ、やっとお館様って呼んでくれんのか。」
「えぇ。本日をもちまして、お館様と呼ばせていただきますぞ。」
「はっ、やっと結婚したからか?」
「それもございますが…。何よりリディア様との婚礼が決まってからのお館様の働きぶり、じいは嬉しゅうございましたぞ。」

「じいが俺を褒めるなんてなぁ…。あの世行きが近いなんてことはねーよな?」
「ほっほっほ、かもしれませぬな。」
「おいおい、やめろよ。縁起でもない。」
「まぁいずれにせよ、今後のお館様と奥方様のご活躍をお祈り申し上げますぞ。」

「ありがとな、じい。」
「もったいなきお言葉。さぁお館様、初夜の儀の準備をなされませ。」
「あぁ。」





一方、リディアは――


「奥方様、お館様がお部屋に来られたら、お教えした通りにご挨拶なさって下さいね。」
「は、はい。」


初夜の儀に向けて、リディアは数人の女官達に連れられ、城の地下にある王族用の大浴場で体を清めていた。


髪と体を入念に洗われ、浴槽で温まった後は、白のエブラーナ様式の寝間着を着せられ、薄化粧を施された。

「ちなみに奥方様、本日は月のものではございませんね?」
「えっ…はい。」
「それはようございました。」


リディアは女官長の露骨な質問にビクッとしながらも答えた。


(恥ずかしい…。けど、初夜の儀…って、そういうことだもんね。)



リディアは先に部屋に着き、ベッドの上に座り、エッジが来るのを待っていた。その間、教えられたエブラーナ言葉での挨拶をブツブツと呟くように練習する。


「あぁ、上手く言えるかしら…。失敗したらエッジに笑われちゃうだろうな。」

挨拶の事を気にしながらも、これから始まる初夜の儀で行うことを考えると、顔が火照ってくる。



エッジも湯浴みを済ませ、リディアと同じ白の寝間着を着て部屋に向かう。


(別に初めてのガキでもないってのに…。くそ、胸がドキドキしてやがる。)


エッジは部屋の前で一呼吸し、ドアをゆっくりと開けた。

部屋に入ると、奥のベッドにリディアが座っているのが見えた。リディアもエッジが来たのに気付き、体をこちらに向けた。



エッジがベッドに近付いていくと、リディアが姿勢を正し、両手を揃えて手の先をベッドにつけ、頭を下げた。そしてエッジが自分の前に腰掛けると…


「…お館様、この度はわたくしを妻としてお迎えいただき、心より御礼申し上げます。今宵は何卒お館様のご寵愛を…」
「だーっ!そんな堅苦しい挨拶いらねえって!!」


エッジはリディアのエブラーナ言葉での挨拶を遮った。


「ええっ?だって女官長様にこうやって挨拶するようにって言われたんだもん。」
「いや、それがうちの伝統なんだけどよ…。もう俺達付き合い長いんだから、いいじゃねぇか。」
「う、うん…。」



エッジは白い寝間着姿のリディアをまじまじと見る。



しっとりとした緑の髪に、きめ細かく白い肌、長い睫毛に透き通るような翡翠色の瞳。うっすらと施された化粧が、彼女の美しさを引き立てていた。そしてその左薬指には、自分と揃いの結婚指輪。


(俺達、やっと夫婦になれたんだな…。)


何度も夢に見たことが実現したのかと思うと、エッジは感無量だった。掌でリディアの頬にそっと触れる。


「まぁ、その…何だ。リディア、これからよろしくな…。」
「うん。こちらこそよろしくね…。」



2人は笑い合う。





「なんか、恥ずかしいね。」
「なんだよ、緊張してんのか?」
「何ていうか、こうやってお膳立てされちゃうと恥ずかしいなぁ。」
「まぁでも新婚初夜ってこんなもんなんじゃねーの。」

「そっかぁ…。」

ぎこちない会話をする2人。


(俺…今日は何でこんなにのんびりしてんだ?待ちに待ってたってのに…。)


エッジは小さく息をつき、
「リディア。」
「ん?」

「…もっとこっち来いよ。」
「…やだぁ、恥ずかしい。」
「言い訳すんな。来い。」


リディアはもじもじしながらエッジに近付く。

「きゃっ!」
「…捕まえた。」


エッジはリディアを抱きしめて、自分の膝に座らせる。



温かい――。




エッジの体温が、リディアの体に伝わってくる。もう何度も抱きしめられているけど、飽きることのない心地よさ。

(ドキドキする。でも落ち着くなぁ…。)



リディアの背中に回されていたエッジの手が、徐々にリディアの腰の辺りに下りてきた。そしてその手は腰回りをゆっくりと撫で始める。

(あっ…。)



自分の腰回りにエッジの手の温もりを感じたリディアは、体の奥が少しずつ熱くなってくるような感覚を覚えた。




「エッジの手、あったかいね。」
「お前への想いだよ。」
「…そんなこと言われたら恥ずかしいよ…。」


リディアはほんのり頬を赤らめて下を向く。その姿があまりに愛おしくて、エッジの理性は崩れ始める。


リディアはゆっくりとベッドに横たえられ、エッジに組み敷かれた。


エッジはリディアの顔の両脇に肘をつき、覆いかぶさるような体勢になり、彼女の唇に自分のものを重ねた。角度を変えながら何度も繰り返し、徐々に濃厚なキスへと変わっていった。

ちゅっ、ちゅうっ、ちゅくっ…。


キスの音が耳に響く。エッジは舌をリディアの口腔内に入れ、彼女の舌を絡め取ろうとする。リディアがそれに応じると、エッジは舌を蛇のように小刻みに動かして、彼女の舌を刺激する。

「やぁっ…。」

エッジのいやらしい舌の動きに、リディアの身体の芯がさらに熱くなる。



エッジはさっきとは打って変わって、リディアの唇を貪るように激しく深いキスをし始めた。お互いの舌を絡め、淫靡な音を立てる。


ちゅうっ、ちゅぷ、ちゅぷっ…。

「んっ、んふぅ…はぁ、はぁっ。」


リディアは激しいキスから解放され、必死で呼吸を整える。キスが気持ち良くて、エッジの理性がどんどん崩れていく。リディアの首筋が舌でちろちろと舐め取られ、思わず身体を捩る。


「あっ、やぁ…くすぐったい。」



するとエッジはリディアの首筋を甘噛みし始める。



「キスマーク、付けていい?」
「ダメっ…。」
「俺は付けたいんだけどな。」
「やだっ、付けないで…。」

そう言うと、リディアはエッジが自分の首筋を吸うのを感じた。


「!!」
「あー、ちょっと強くしすぎちまったかな…。」


そう言ってニヤニヤと笑うエッジ。

「キスマーク…付けたの?」
「おぅ、付けたぞ。」


リディアはそこを手で押さえ、恥ずかしさのあまり、顔が赤くなる。


「やだぁっ…。ひどいよ、エッジ…。こんなとこ服で隠せないじゃない。恥ずかしいっ…!」
「恥ずかしいか?」
「恥ずかしいよぉ…。」

「じゃあ俺にも同じようなの付けたらいいじゃねぇか。そうすりゃお揃いだぜ?」
「そういう問題じゃないもんっ…!もう…。」

リディアがそっぽを向くと、エッジは笑い出す。


「ほんっと、可愛いなぁ。冗談だよ。跡付いてねーよ。」
「…!」


リディアはからかわれたのが悔しくて、組み敷かれたままエッジを腕で叩こうとするが、簡単に腕を掴まれてしまい、抵抗のしようがなかった。


「もうっ…エッジのバカ。」
「それがお前の選んだ旦那だぞ?」


笑顔でそう言うエッジにリディアは何も言い返せない。エッジのペースに巻き込まれたのが悔しくて口をぱくぱくさせる。



エッジはそんなリディアの顔を見てますます興奮し、彼女の豊かな胸を寝間着の上から撫で始める。


「あっ…エッジ。」



大きく円を描くようにさすり、指でふくらみの頂点にある蕾をつつく。蕾が硬さを増してきたのを確かめると、エッジはリディアの寝間着の前合わせになっている襟元からするりと手を中に入れ、ふくらみを揉みしだく。


「あんっ…あっ…やぁっ…。」
「さっきの硬くなってたのは、ここか?」


そう言って、寝間着の中に手を入れたまま蕾をきゅっきゅっと摘む。


「きゃんっ!」



エッジはその声に欲情し、リディアの寝間着を肩からずり下げ、形のいい、成熟した二つのふくらみを露わにさせる。すっかり硬くなった程よいピンク色の蕾を口に含み、舌でつつき、舐め、吸い上げる。そして反対側のふくらみを揉みしだきながら、その蕾を親指でくりくりと撫で回すと、リディアは艶かしい声を出す。


エッジはしばらくその動作を繰り返した後、反対側も同じように愛撫する。

「あああん…もうっ…エッジぃ…!」


次々と襲い来る快感に、リディアは意識が飛びそうになる。もう何度もエッジとはこういった行為を重ねているというのに、慣れることがない。


エッジはリディアが先程から自分の愛撫を受ける度に腰をくねらせ、両脚を捩っていることに気付いていた。
リディアの下半身へと手を伸ばし、寝間着の裾から手を入れて彼女の太腿を撫で回す。


「ぁっ…。」


声にならない声で、リディアがぴくんと反応する。エッジは後退りするように、自分の身体を彼女の下半身へと移動させる。もう片方の手も裾の中へと入れ、両太腿を優しく撫でる。


撫でている内に、裾がはだけ、リディアの秘所を覆う、小さな茂みが少しずつ見えてきた。


「お、下着着けてねーのか。」
「…着ける必要ないからって言われたんだもん。」


エッジはふっと笑い、リディアの両脚を開いた。


秘所に触れると、もうそこは潤いが溢れそうになっていた。そこに中指を少し挿し込んで中の肉芽をいじると、リディアの身体にビリビリとするような刺激が走る。エッジはわざと、ぴちゅぴちゅと音を立てるように指を動かす。


「いやぁっ…はぁぁっ!」

リディアは仰け反り、シーツを掴んで刺激に耐える。


「もうずいぶん濡れてるじゃねぇか…。お前、やればやる程感じやすくなってるよなぁ。」
「誰の…せいだと思ってるのよぉ…。」



エッジはリディアの寝間着の腰紐を解いて脱がせ、それをベッドの端に置く。そして中指と人差し指を使ってリディアの花弁をくっと開き、露わになった肉芽に舌を這わせると中から蜜が溢れ始めた。


「あぁぁぁぁっ…!はぁっ、はうっ…。」
「すっげーいっぱい出てるぜ…。どうすんだよ、こんなに出して。」


卑猥な笑みを浮かべ、意地悪な質問をするエッジ。

「もうっ…!エッジのばかぁ…。」


快感に悶えるリディアに口づけしながら、エッジは自分の寝間着を脱ぎ去り、もはや何物にも覆われていない身体をリディアと密着させる。リディアは自分のお腹の上に、すっかり膨張し、熱く固くなったエッジのものがあるのを感じた。


「…エッジの、すごく熱くなってる。」
「あぁ、そろそろ限界だ…。リディア、いいか?」
「うん…。」


エッジはリディアに口づけする。

「…いくぜ。」



くぷっ…



エッジは自身をリディアの秘所にあてがい、彼女の腰を掴んで中へと進めた。するとリディアの内壁は何の抵抗もなくずぶずぶとエッジを受け入れ、あっという間に最奥へと導いた。


「ああっ…エッジ!」
「おぉ…いっぺんに入ったぜ。」


お互いに驚き、顔を見合わせる2人。

「…初めは痛くて、なかなか入らなかったのにね。」
「はは、そんなこともあったな…。」


リディアはエッジと初めて身体を合わせた日のことを思い出す。破瓜の痛みでなかなかエッジが奥へと進めなかったのだが、彼が根気良く、ずっと優しくしてくれたおかげで、何とか最後までこぎ着けたのだ。


「あの時、嬉しかったよ。私が痛い痛いって言ってわめいてたのに、エッジはすごく優しくしてくれて…。」

「…そりゃあ、惚れた女とだからな。どんなに時間かかっても苦じゃねぇよ。」
「ふふ…。エッジったら。」


エッジが動かずにいる間に、リディアの内壁はすっかりエッジに馴染み、それを程よい圧力で包み込んでいた。こうして繋がっていると、お互いとても満たされた気分になれる。

「あぁ…お前の中、すげぇいいぜ。」
「エッジ…。」


リディアが目を閉じて口づけを求めると、エッジは彼女の唇にキスを落とす。そして少しずつ腰を動かし始めた。


「あっ、んんっ、やぁっ…あっ、エッジ…!」


下腹部から快感が全身に走り始める。溢れるほど蜜が出ていたため、くちゅくちゅといやらしい音が響く。


「…やだぁ、こんなに音出してぇっ…。」
「お前が悪いんだぞ?リディア。」
「もうっ…!あぁっ…エッジ、気持ちいい…。」

エッジはリディアの言葉を聞いて徐々に律動速度を上げる。リディアは奥を突かれ続け、ますます快感に襲われる。リディアの悩ましげな声に反応して、エッジは彼女の唇を食む。


「んっ、ふぅ、んんっ…。」


リディアはエッジの首の後ろに両手を回す。すると口づけはますます深くなり、エッジは舌を中に割り込ませ、リディアの口腔内を隅々まで舐め回す。


「あうっ…はぁっ…。」

リディアが軽く息を切らせていると、エッジは自身を出し入れしながら秘所にある肉芽を指で弄り出す。


「あっ!やだっ、そこは感じやすいのおっ…!」
「感じてくれよ…。お前の可愛い声、もっと聞きてぇよ…。」

エッジがリディアを抱きしめると、彼女は腕を彼の背中に回してしっかりとしがみつき、それを合図にエッジは腰を激しく揺らした。


「はぁっ、あぁんっ、ああっ!エ、エッジ…!!」
「はぁっ、リディア…!」


互いの名前を呼び合い、感じ合う2人。次第に己の限界が近付いてるのを感じるエッジだったが、気を張って律動を続けた。


嬌声と共に、リディアの内壁がエッジのものを締め付け始める。大きな快感がエッジを襲い、思わず射精しそうになるが、必死で堪える。

奥を突かれ続け、リディアは一歩一歩絶頂へと登り続ける。その表情は今にも快楽の園へと旅立ちそうな、切なげながらも艶かしい。

「ふぁっ、あっ、あぁぁっ…!」
「リディア…何も…我慢しなくていい。そのまま感じてくれっ…!」


エッジの言葉に、リディアの理性は吹き飛ばされた。締め付けがぐっと強まる。



「リディア…俺を…全部受け止めてくれるか…!?」
「うんっ…全部…全部受け止めるよぉっ…!!!」


その言葉を聞いたエッジの理性は完全に消え去り、全力で何度も腰を打ちつける。抱き合う2人の身体がベッドの上で激しく揺れ動く。



「…あっ…ふあっ、あっ、あぁぁ……っ!!」


リディアが絶頂を迎え、軽く痙攣しながら身体を弓なりに反らすと、エッジはきつく締め上げられた。


「くぁっ…!リディア…ぬぁぁぁっ!!」


エッジはビクビクと痙攣し、彼女の中で白濁とした液を解き放った―――







「はぁ、はぁ、はぁっ…。」


共に絶頂を迎え、静かに息を切らせたまま見つめ合うと、自然に唇が重なり合う。





事後処理を終えたエッジはリディアの隣に横たわり、彼女に掛布団をかけてやる。身体を彼の方に向けたリディアは、しばしエッジの顔を見つめた後、穏やかに微笑む。


「エッジ…。」
「うん?」

「すごく…気持ち良かったよ。」
「そうか…。」

「こんなに時間かけてするの、初めてよね…?何か今、幸せな気分でいっぱいなの…。」
「そりゃ今までは、限られた時間内でやってたんだからな…。時間を気にせずにできるってのはいいもんだ。」


事後の疲労感に見舞われながら、エッジはリディアの方に身体を向ける。

「そうだね…。いつもエッジは忙しい中、私に会いに来てくれてたんだもんね。」

リディアがぽそりと呟くと、エッジは彼女の髪を撫でた。


「これからは、俺の手がすぐ届くところにいてくれよ?ミストや幻界に帰るとか…言わねぇでくれ…。」


消え入りそうな声のエッジ。今まで彼に辛い思いをさせていたのは自分なんだと、リディアは胸が痛んだ。


「どこにも…行かないよ。エッジのこと、大好きだもん。」
「リディア…。」


「エッジこそ、もう1人で危険な事、背負ったりしちゃ嫌よ…。」


リディアはエッジにぴったりとくっつく。


エッジがリディアを抱き寄せると、お互いの体温が心地良くて、何とも言えぬ幸福感が2人を包み込む。


離れない、離さない―――





2人は同じ思いと共に、そのまままどろみ、眠りへと落ちていった。


―完―



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2014
03.22

「ずっと一緒に」 後編

エジリディ小説、第1弾の後編です。

どうぞ最後までお付き合い下さいませ☆






「ずっと一緒に」 後編












大事なのは、自分の気持ちなのに。







「クオレは寝たか?」
「うん、エッジがいっぱい遊んでくれたおかげでぐっすり寝ちゃったわ。」
「そうか。」
「ふふ。」


ふーと大きな息をつくエッジ。


「ごめんね、疲れたでしょ?」
「うーん、さすがにな。」
エッジは苦笑した。



リディアが入れてくれたお茶を飲みながら、2人は他愛もない会話をしていた。こうして2人きりでゆっくり話すのはいつぶりだろうか。王としての仕事に明け暮れ、精神的に参ってしまう事もある。だがミストに来て、リディアの笑顔を見るとそんなものは吹き飛んでしまうのだ。



このままリディアを連れて帰りたい。






だけどこいつにはミストがある。










愛する人の大事なものを捨てさせるなんてできない――












ふと、会話が途切れた。




エッジはリディアの翡翠色の瞳をじっと見つめる。リディアもエッジの目を見つめ、にっこり微笑む。














その瞬間




エッジの中で、何かが崩れ去った。


胸が高鳴り始めた。














大事なのは、自分の気持ち。


こいつと一生一緒にいたい。




守りたい。
幸せにしたい。


リディアにはミストがあるから。


そんなのは言い訳だった。

ただ相手に拒絶されることが怖いだけだった。




…俺は、リディアが好きだ。







「なあ、リディア…。」
「ん?」



「…エブラーナに来ないか。」
「え…?」





エブラーナに行く?遊びに?それとも…





リディアの中に、色んな疑問が湧き上がる。




「遊びに来いって意味じゃねーぞ。」
「…。」

リディアの心臓がどくんどくんと鳴り響く。手足がかすかに震えだす。






恐る恐る口を開く。




「そ、それって…。」








「…俺と、結婚してほしいんだよ。」







長い長い間、何度も口にしようとしては心にしまい続けてきたエッジの言葉が、リディアの本心を縛っていたものをみるみる溶かしていった。全身が温かい気持ちに包まれる。







身分なんて、関係ない。








大切なのは、自分の心。
偽ったら、苦しいだけで、幸せはやってこない。





当たり前のことなのに、分かっているのに、見て見ぬふりをするようになっていた。





だから苦しかった。





湧き上がってくるエッジへの想いと一緒に、リディアの翡翠色の瞳から、ぽろぽろと涙が零れ始めた。





「おいおい、何で泣くんだよ?」


リディアの涙の意味が分からず、うろたえるエッジ。



「エッ…ジ!」
リディアは立ち上がり、エッジに抱き付く。



リディアを優しく抱き締め、自分の胸で泣きじゃくるリディアの柔らかな緑の髪を撫でてやる。愛する女性のぬくもりを感じ、エッジはとても満たされた気分になる。






「それで、返事は?」
「…。」


「『いいえ』だなんて言うんじゃねーぞ。」


強気な発言だが、その声には『断られたらどうしよう』っていう不安がいっぱい。ミストの復興を抱えたリディアに拒絶されてしまって、こうして会うことすらできなくなることが怖くて怖くて仕方なかったのだから。



「…もう、何言ってるのよ。」




「…ミストのことが落ち着くまで、こんなに長い間待ったんだぞ?」




震えた声で発される、エッジの想いの全てがこもったその一言に、リディアははっとする。
(そうか…私、エッジを待たせていたんだ。)




自分だけが苦しい思いをしていると思っていた。だがエッジがこの10数年の間どんな思いで自分のもとに通っていたかなんて、考えた事がなかったことに気付いたのだ。



エッジの方が、何倍も苦しい思いをしていたというのに。

「そうだね、ごめんね…。」


「リディア?」
「…いいの?」
「何が?」
「私…エッジの赤ちゃん産めないかもしれないよ。」



リディアの一言に、エッジはため息をつく。


「…お前はうちのじいやかよ?」




召喚士一族は召喚の力を保つため、血族結婚を繰り返してきた。そのせいで身体が弱い傾向にあり、不妊となる者もあった。一国の王妃が子を産めないのは大問題になりうる。





「んー…自分の子供がいらないってわけじゃねぇけどよ…世継ぎなんて、どうにでもなるさ。んなもん、王様の子供じゃないといけないんだったら、今のバロンやファブールの王はどうなるんだよ?」
「…。」



エッジはそういうことを気にする人間じゃない。養子でも何でも、能力のある者が国を治めればいい。王の実子が適任であるとは限らないのだから。古い考えに縛られていては、国は繁栄しない。エッジは王となり、色んな経験をする中で、そう思うようになっていた。現にバロンは議会制で選ばれたセシル・ローザ夫妻が国を治めているし、ファブールではヤンの人格と実力を認めた先王が彼に王位を譲っている。



「もちろん、クオレも一緒に来たらいい。」
「…うん。」



エッジはリディアの養い子であるクオレを引き取る覚悟はできていた。





これから先、思いもよらぬ不幸が待っているかもしれない。人生、何もかもうまくいくなんて、夢物語に等しい。悲しませる事もあるかもしれない。だけどリディアのことなら、全部受け入れたい。



「俺は、必ずお前を守ってやる。だから、一生一緒にいてくれよ…。」



そう言って、エッジは優しい眼差しでリディアを見つめた。翡翠色の美しい瞳が、再び涙で潤み始める。








「…はい。」
「ん?」


「エッジと…結婚します。」







その言葉を聞いた瞬間、エッジはリディアを強く強く抱き締めた。




もう絶対離さない

これからは、ずっと一緒にいられる――

「リディア…。」
「エッジ…!」

身体が蕩けてしまいそうな、熱く深い口づけを何度も交わす。息が止まるぐらいに――







「はあっ…エッジ…。」
「そんな顔したら、ここで押し倒しちまうぞ?」
「…もう、バカ…。」






エッジの唇が再びリディアのものと重なり、濃厚なキスは何度も何度も繰り返された。2人はしっかりと抱き合い、いつまでもお互いを離そうとしなかった――








*****




翌朝、結婚の約束をした2人は、一緒に朝食の準備をしていた。

「クオレ、おはよう。」
「お…はよう。」


眠い目をこすりながら、クオレは2人を見上げる。


「クオレ、今日はエッジも一緒に朝ご飯を食べるわよ。」
「うむ。」


3人で食卓を囲み、朝食を食べる。エッジはタイミングを見計らって、クオレに話しかけた。


「クオレ、リディアは俺と結婚して、エブラーナに住むことになった。クオレも来るか?エブラーナには遊んでくれる奴らがいっぱいいるぞ。」


エッジはクオレに笑いかけた。


「エブラーナへ…?」
「そうだ。俺の国だ。」
「行ってもいいぞ。」
「そうか、よかった。じゃあ今度迎えに来るから、それまでにエブラーナに来る準備しといてくれよ?」

「分かった。」




(エッジ…ありがとう。)



朝食後、エッジが帰り支度をしていると、クオレが寄ってくる。


「エッジ、帰るのか?」
「あぁ、王様の仕事があるからな。」


そう言ってエッジはクオレを抱き上げる。


リディアに帰る事を告げようとすると、寂しくてたまらないという表情でエッジを見つめていた。

「…そんな顔するなよ。帰れねーじゃねぇか。」
「だって…。」
「1か月後に迎えに来るってーの。」
「…絶対来てね?待ってるから。」
「来るに決まってるだろーが。お前こそ、気が変わったなんて言うんじゃねーぞ。」
「そんなこと、言わないよ…。」



昨夜2人で話し合い、式の日取りなどは後日決定するという事で、1か月後にリディアはクオレと共にエブラーナに行くこととなった。



「来月は俺と一緒に正式な挨拶まわりだな。」
「そうだね。」




「…じゃあ、またな。」
「気を付けてね。」






1か月後――



「エッジ様がいらっしゃったぞー!」



エッジが数名の兵を連れて飛空艇から降り、ミストに到着すると、リディアとクオレ、ミストの村人達、そして幻獣王夫妻が出迎えた。


「エッジ、皆に結婚の報告したらね、とっても喜んでもらえたのよ。」


「そ、そーか。そりゃよかった。」

満面の笑みのリディアに、エッジは思いがけずドキドキとする。



「リディア、お幸せにね。」
「時々はミストに来いよ。」


村人達が次々と祝いの言葉を贈ると、リディアは頬を紅潮させ、幸せそうに頷く。



「エッジ様、リディアとのご結婚おめでとうございます。」


長い黒髪の精悍な女性が出てきて祝いの言葉を述べた。


「エッジ、この人はこないだ話した外部から召喚魔法を習いに来ているアリッサよ。まだここに来て数か月なんだけど、すごい早さで魔法を身に付けていってるの。バロンの士官学校出身で、剣術もすごいのよ。」
「あぁ!あんたが…。」

「エッジ様、リディアがエブラーナに行った後は私もミストの皆も、力を合わせて村を守ります。なので、どうぞ安心してリディアをお連れ帰り下さいませ。」
と言って、アリッサはにっこり微笑んだ。


「そ、それはそれは…。」


リディアとそう変わらない年恰好の女性にそんなことを言われては、エッジはただただ恐縮するしかなった。


幻獣王夫妻とクオレもエッジの元へとやって来た。


「エッジ殿、わが娘をよろしく頼むぞ。」
「もちろんだ。俺の一生かけてリディアを幸せにするさ。」
「リディア、よき方と結ばれましたね。幸せになるのですよ。」
「はい、王妃様。」


エッジは幻獣王夫妻と一緒にいるクオレに笑いかけ、しゃがんで彼女の目線に合わせる。


「クオレ、準備はできてるか?いよいよ今日、エブラーナへ行くぞ。」


そう言うと、アスラが口を開く。


「エッジ殿、その件ですが…。」
「?」

「エッジ、クオレはミストに残るぞ。」

「え?残るって…。」




クオレの一言に、エッジが不思議そうな顔をしていると、アスラが説明し始めた。



「…クオレは非常に強い魔法の力を持っています。優れた召喚士となるでしょう。我々幻獣としては、このミストには一人でも多くの優秀な召喚士にいてほしい。以前のような悲劇がまた起こらないとも言い切れません。村を守り、繁栄させるためにも、クオレにはミストに残ってもらいたいのです。」


クオレも来るものだと思っていたエッジは驚いた。


「いや、アスラの言う事は分かるんだが…。リディア、お前はいいのかよ?」
「うん…、残念だけど、ミストの将来を考えたらそれが一番かなって。この村の発展は、私の望みでもあったから。それに、二度と会えなくなるわけじゃないんだし。」

「…それは、そうだけど。」


複雑な心境のエッジ。そんなエッジを尻目に、クオレの表情は変わらない。

「リディア、クオレはリディアに代わってミストを守るぞ。」
「クオレ…ありがとう。」

「エッジ、また遊びに来てくれ。」
「…あぁ、またリディアと来るさ。」

エッジはそう答える他なかった。


「さぁリディア、そろそろ行きなさい。エブラーナの迎えの方達がお待ちでしょう。」
「はい。…それでは、行ってまいります。」




アスラに促され、リディアはエッジの元へと歩み寄る。


「リディアー!元気でね!」
「気を付けてね!」


村人達がリディアに声をかける。


「ありがとう、みんなも元気でね!…エッジ、お待たせ。」
「あぁ。…じゃあ、行くか。」



エブラーナ兵達がリディアの荷物を飛空艇に運び終え、離陸の準備が整った。リディアは甲板からミストの者たちに大きく手を振った。


「みんなー!ありがとうー!またねー!」



歓声が沸き起こる中、飛空艇は空高く舞い上がり、エブラーナへと航路を取った。




「なぁリディア、本当にクオレを置いてきて良かったのかよ…?」
「うん…。だってこれからエッジがいっぱい幸せにしてくれるんでしょ?」
「…そりゃそうだ。まぁ、そこまで言うんなら大丈夫か。」

(エッジには…言わない方がいいわよね。きっと気を遣わせちゃうわ。)





エッジがあの日帰った後、リディアはミストの村人達と、幻獣王夫妻に結婚の報告をし、クオレと共にエブラーナへ行くことを告げた。すると――



「…リディア、あなたは一国の王妃となり、エッジ殿と共に生きていくとはどういう意味か、分かっているのですか?」
「え…?」


リディアはアスラの質問の意図が分からず、困惑した。



「エッジ殿は一国の王。大きなものを背負っておられる。それを支える王妃となるあなたがクオレを連れて行っては、エッジ殿の負担を増やしてしまうことになりますよ。」

「負担だなんて…!エッジはクオレも一緒に来たらいいと言ってくれてるんです!」

「それはエッジ殿があなたを好いているから、そう言ってくれているだけのこと。あなたがクオレと共にエブラーナへ行けば、エッジ殿はあなただけでなく、クオレの今後のことにまで責任をもたねばならぬのですよ?」
「…!」


「エッジ殿は今までミストに多大な支援をしていたのでしょう?これ以上彼の優しさに甘えては…」


「ならクオレをどうしろというのですか!?」

「クオレの事は、わしらが責任を持つぞい。」
幻獣王が答える。

「クオレは強い魔法の力を持っている。きっと優秀な召喚士となるでしょう。私達幻獣はもちろん、ミストの者たちも、できるだけ多くの召喚士がここにいることを望んでいるはず。クオレがここに残ることは、村を守ることにも繋がるでしょう。クオレには私達から話をします。」
「…。」


「…リディア、エッジ殿が迎えに来るまでまだ時間はあります。よく考えるのですよ。」






―――悩んだ末、リディアはエッジに今まで甘えていた分、これからは彼のために何かしたいし、負担を増やしてはいけないと思い、クオレをミストに残すことを了承したのだった。








半年後、秋晴れの空の下でエブラーナ国王夫妻の婚礼の儀が、エブラーナ城にて執り行われた。バロンからはセシル・ローザ国王夫妻、王子セオドア、赤き翼隊長カインと飛空艇技師シドが、ミストからは長老とクオレ、ダムシアンからは国王ギルバートと秘書のハル、ファブールからはヤン国王夫妻と王女アーシュラ、ミシディアからは長老、パロム・ポロム姉弟とレオノーラ、ドワーフ王国からも王と王女ルカが祝いの席に招待された。



婚礼までの間、エッジは国王の仕事に邁進し、リディアは王妃になるための教育を受けていたため、お互いに忙しかったが、夫婦となる当日の2人は幸せいっぱいだった。結婚式では仲間達が見守る中、エブラーナ王族の正装姿のエッジがこの上なく凛々しい姿で誓いの詞を述べ、その隣には、美しい色打掛を着たリディアがいた。





披露宴ではリディアが純白のウェディングドレスに着替えて登場した。ポロム、レオノーラ、ルカを始め、年ごろの未婚の娘達はその美しさにうっとりするばかりだった。


「あぁ、リディアさん、綺麗です…。」
ポロムが思わずため息をもらす。


「ホントに…。私もあんな風になりたいです。」


「あら、レオノーラはもうすぐ着れるんじゃないの?パロム次第だけど!」
「なななな、何を言うんですか!」

笑顔でレオノーラに突っかかるルカの言葉を聞いていた他の仲間たちは笑っていたが、唯一パロムだけは苦笑するのだった。


披露宴では新郎新婦の周りを仲間達が囲み、祝いの言葉と共に酒を飲み交わす。


「エッジ、リディア、おめでとう!」
「エッジさん、リディアさん、ご結婚おめでとうございます!」
「ほんと、おめでとう。それにしてもエッジ、あなたリディアと結婚するのに時間かかりすぎよ!」


セシル達バロン国王一家が言葉をかける。


「な、何だよローザ。いーじゃねえか、色々事情があったんだよ…。」


「ローザ、エッジはね、私が結婚できるようになるまで待っててくれたのよ。いっぱい辛い思いしただろうから、これからは幸せあげたいな…。」


エッジはリディアの言葉に目頭が熱くなる。


「リディア…。嬉しいこと言ってくれるじゃねーか。」


エッジはリディアを抱き寄せて口づけをした。


「おおっと!」
「わぁ!」
「まぁ!セオドア、見ちゃいけません!」


「もう~、みんな見てるのに!」
「いいじゃねーかよ、俺達夫婦なんだぜ?」


顔を真っ赤にして怒るリディアだが、エッジにはそれも可愛くて仕方が無い。

「…相変わらずだな、エブラーナのエロ王様よ。」
「だっ…カイン、うるせーよ!へっ、お前は結婚しねーのか?」
「…ほっておけ。」


赤き翼の隊長となったカインは祝いの席でもクールだった。そこへ酒が入り、上機嫌なシドが割って入る。

「エッジ、よくもまぁリディアをモノにできたのう!」
「失礼だぞジジイ。祝いの言葉ぐらい言えねーのか。」
「おおこれは失礼!エブラーナ王妃リディア様、この度はご結婚おめでとうございます。」
「ありがとう、シド。飛空艇のことで何かあったらよろしくね。」

「…ったく。」






「エッジ、リディア、結婚おめでとう。」
優しい笑顔でギルバートが2人に話しかける。


「おう、ギル!ありがとな。」
「リディア様、なんてお綺麗なのでしょう…。」
「ありがとう、ハル。ミスト支援の手配、ありがとうね。おかげでミストは復興したわ。」
「そんな…リディア様のご努力の成果ですよ。ねぇ、陛下?」
「そうだね。また何か困ったら連絡するんだよ。」
「うん、ありがとう!」






「エッジ殿、リディア。お二人のご結婚、心より祝福申し上げます。」
「エッジさん、リディアさん、今日はお招きいただき、ありがとうございます。」
「夫婦円満のコツは、いかに夫を尻に敷くかだよリディア!」


ファブール国王一家が2人を祝福する。

「ヤン、シーラさん、アーシュラ、ありがとう。」
「いやいやシーラさん、いきなりそんなアドバイスを…。」

ファブール王妃の唐突な助言にエッジは苦笑するしかなかった。


「そうだ、ヤン。…あの時は励ましてくれてありがとうな。」
「あの時?はて…。」

首を傾げるヤンに、エッジは耳打ちする。

「ほら、真月で『王が夢を見れぬようでは、民も幸せになれない』って…。」
「あぁ、そういえば!お役に立ったようで何よりですぞ。」
「ま、あんたがあの時どういう意図で言ったのかは分からんがな…。」
「いやいや、そういう意味ですとも。」

「…!」

エッジは軽くよろめいた。



「え、何?何の話?」
「わっ、リディア!なんでもねーよ!」

「とにかく、本日は誠におめでとうございます。」


ヤンは笑顔でそう言って下がっていった。



ミシディア組がエッジとリディアのもとへやってくる。


「エッジ殿、リディア殿、本日は誠におめでとうございます。」
「長老殿…お体がすぐれないのに来ていただいてありがとうございます。」
「大丈夫だって!そんな簡単に死なねぇって!」

「パロム!口を慎みなさい!エッジさん、リディアさん、ご結婚おめでとうございます。」
「ありがとうポロム。ミシディアはどう?」
「おかげさまでうまくいってます。レオノーラも色々助けてくれるので。」
「ポロムさん、私は何も…。あぁリディアさん…お綺麗です…。」

「ふふ、レオノーラにはかなわないわよ。ところでパロムとはうまくいってるの?」
「リ、リディアさんまで!やめてくださいっ!」


1人気まずそうにするパロムを見て、くっと笑うエッジ。


「まあまあリディア、まだこいつらは若いんだし、これからだって!」
エッジが弟のようなパロムに助け舟を出す。


「へっ、ありがとな、エブラーナの王様!」
(…進展あったら知らせろよ。)
(余計なお世話だっ!)


小声で交わされた密約に、気付く者はいなかったようだ。



最後にやってきたのはドワーフ王とルカ、ミストの長老とクオレだった。
「リディア、エッジ、おめでとう!」
「よう、ルカ。地底からはるばるご苦労さん。」

「あら、ファルコンがあればひとっ跳びよ!ね、父上。」
「うむ。それにしても、セシル殿ローザ殿の結婚式に劣らぬ豪華な式ですな。」

「ありがとうございます、ドワーフ王。今日は楽しんでいって下さいね。」



「リディアー!」
「クオレ!来てくれてありがとう。元気にしてる?」
「うむ、クオレの村のみんなも元気だぞ。」


母娘のような2人を見て、エッジはいささか複雑な気分になった。自分との結婚が原因で、リディアはクオレと離ればなれになってしまったともとれる状況だったからだ。


「長老、はるばる来ていただいてありがとうございます。」
「いやいや、おやめ下され。おかげさまでわしらは平和に暮らしておるのですから。そうじゃリディア、アリッサが幻獣王夫妻と召喚の契約を交わしおったぞい。」

「アリッサが!?まだミストに来てから1年も経っていないのに。あの子、すごいわね…。」

「召喚士の血を引いておらずとも、訓練次第で召喚士になれる者もおるということじゃな。これからは外部との交流も大事にせよということかもしれんのう…。」
「そうですね…。保守的な村だったけど、ミストも変わるべき時がきたのかしら。」

「リディア、ミストにはクオレもいるから大丈夫だぞ。」
「そうね。クオレも頑張るのよ。」

そう言ってリディアは微笑んだ。2人の会話を聞いていたエッジも微笑む。自分のしてきたことは、リディアのためだけにとどまらず、ミストの住人達全てを救うことにつながったのだから。




賑やかな宴が続いた後、エブラーナ王エッジの挨拶により披露宴はお開きとなった。その後も城下では、国王の結婚を祝福する国民達の歓声が絶えなかった。





出会ってから10数年の時を経て夫婦となったエッジとリディア。皆の祝福を受け、幸せいっぱいの2人の生活はまだ始まったばかり…


―完―続きを読む
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2014
03.22

「ずっと一緒に 」 前編

ついに初投稿です!TAエンディング後のエッジとリディアのストーリー第1弾。性的描写はありません。どうぞお楽しみ下さい(^^)


「ずっと一緒に」 前編






真月での戦いが終わり、再び平和を取り戻した青き星。各国に戻った仲間達は自国の復興に他国の支援、多忙な生活を送っていた。マイナデスによる攻撃や流星による被害は大きかったものの、世界最大の軍事国家バロン、商業国家ダムシアンを中心に着々と世界の復興は進んでいる。


そんな中、いち早く復興を遂げたエブラーナ王国では、今日も家老の声が響く。


「若様!若様の決裁待ちの案件が大量だというのに、どちらへ行かれるのですか!」
「ちょっと修行の旅にな。ちゃんと戻ってくるから心配すんなって。」


そう言って、家老をかわして城を出ようとするエブラーナ王エッジ。


「あぁ、平和になったと思ったら…!またもや若様の放浪癖が…。」


そう嘆く家老であったが、行き先は予想がついているのだ。


「そんなに想っておられるのなら、早くエブラーナにお連れすれば良いではないのですか…。」


城を出ようとしたエッジにつぶやく家老。


「あ?何だって?」

「一国の主ともあろう若様が、かような行為を10年以上も続けるなど嘆かわしい…。最早我ら執政を行う者どもも、国民も反対することはありますまい。何せあのお方は若様と共に2度も我が国を救った恩人でございますゆえ。」

「な、何のことを言ってるんだよ。」


はぐらかそうとするエッジだったが、口布を着けていても分かるぐらい顔を赤らめている。


「まぁ若様がこのままでよいと言うのならば、無理にとは申しませんが。」

そう言って家老は城へと引っ込んで行った。



「そうは言ってもよ…。あいつにはミストがあるじゃねぇか…。」


かつてバロン王国の策略によって焼き払われ、壊滅状態だったミストの村。だが月の大戦後、リディアを始め、各国からの支援を受けて復興が進み、真月の戦いの時には召喚の力を持つ子供達がいたことが判明した。その子供達のおかげで被害はほとんどなく、リディアが真月に赴いている間、召喚の力を持たぬ者たちも協力し合い、村を守った。もはやリディアは最後の召喚士ではない。だからリディアがミストを離れることに大きな問題はないはずなのだが…。


(くそっ…俺は一体どうすりゃいいんだよ…。)



リディアが好きで好きでたまらない。
結婚して一生添い遂げたい。



自分の気持ちは明らかなのに、踏み出せない。リディアは何度もエブラーナに来ており、国民達とも親交がある。彼女もエブラーナを気に入ってるようだ。



"王が夢を見れぬようでは、民は幸せになれませぬーーー"



真月でのヤンの言葉が頭を過る。



何が邪魔しているのか?身分の違い?お互い自分の国でやるべきことがあるから?



(早く行かねぇと、日が暮れちまうな…。)


エッジの足は、ミストへと向かい始めた。


一方、ミストでは…。



今日はエッジが来る日だからと、リディアがエッジに食べてもらう食事を用意していた。




「こないだ来た時、美味しいって言ってもらえたしね。今日のメニューも気に入ってもらえるかな。」

エッジの顔を思い浮かべながら、鼻歌混じりで料理をするリディア。



いつからだろう、エッジに会えると思うと胸が躍るようになったのは。



エッジは口が悪くてお調子者。だけど本当は正義感が強くて心優しく、飾らずにストレートに自分の思いをぶつける。純粋で素直な性格のリディアには、彼のそんな性格が心地いい。一緒に過ごし、エッジが帰る時間になると、寂しくてたまらなくなる。だから真月の戦いの時は、不謹慎ながら彼の側にいれることが嬉しかった。もちろん、それをあからさまにできるリディアではなかったが…。



真月の戦いが終わってからも、エッジはミストに来てくれる。けれどこのままずっと同じ関係が続くのかと思うと、何故か胸が苦しくなるようになった。



リディアも分かっているのだ。自分はもはや最後の召喚士ではない。今は幼いながらも新しい召喚士達がいる。また、エッジのおかげで幻獣王リヴァイアと王妃アスラが幻界とミストを行き来するようになり、村を守るために自分が気を張らねばならぬことはなくなった。母代わりであるアスラからは、これからは1人の人間として、女としての幸せを見つけなさいと言われた。



だけど…。





(私…この気持ちをどうしたらいいのかな。どうやったらこの胸の苦しさから解放されるの?)



「リディア!」
「クオレ。」
「リディア、元気がないではないか。どうしたのだ?」
「ううん、何でもないわ。もうすぐエッジが来るわね。」
「うむ、今日もたくさん遊んでもらうぞ。」


真月から逃げる際、連れ帰ってきたマイナスの幼少体、クオレ。リディアと一緒に暮らしており、エッジが来るといっぱい遊んでもらえるため、彼の事を気に入ってるのだ。






そして数時間後…





「よっ、リディア!」
「エッジ!いらっしゃい。」
「クオレ、元気か?」
「元気だぞ。今日もいっぱい遊んでくれ。」
「あぁ。魔法は勘弁してくれよ?」
「分かっている。」
「リディアも外に出ようぜ。いい天気だ。」
「そうね。行きましょ。」



外に出ると、春の日差しが3人を包み込む。鳥達がさえずり、美しい空が広がっている。リディアの家から少し離れたところに公園のようなスペースがあり、その奥には森があり、格好の遊び場なのだ。



早速エッジとクオレが遊び始める。リディアは近くのベンチに腰掛け、2人の様子を微笑みながら見守る。



(エッジ…大丈夫かしら。仕事の合間を縫ってミストに来て、帰ったらまた仕事あるだろうし…。)






しばらくして、エッジとクオレがリディアのいるベンチのところにやってきた。


「なあリディア、俺もクオレも腹減ったんだけど、何か食わせてくれねーか?」
「うん!ご飯用意してあるよ。家に帰りましょ。」


3人はリディアの家へと向かった。


クオレがリディアに話しかける。
「リディア、さっきあっちの草むらできれいな花を見つけたぞ。」
「そうなの?じゃあお昼ご飯食べたらどこに咲いてるか教えてよ。」
「うむ。エッジがさっき、リディアに似合いそうなきれいな花だと言っていたからな。」
「えっ…。」
「…。」


エッジは少し顔を赤くして、視線をそらした。


(もう、エッジったら…。)





リディアの家で、昼食を取る3人。


「うーん、うまい!」


エッジがそう言うと、リディアは満面の笑みでエッジを見つめる。こうやってエッジに喜んでもらえることが、いつからかリディアの喜びになっていた。この人と一緒になれたら、どんなに幸せだろう。



しかし、こうして自分の元へ来てくれるとはいえ、エッジはエブラーナの王。どこかの貴族や王族の出身でもない自分が、彼の元へ行くことが許されるのだろうか。エッジが身分やしきたりを気にするような人ではないということは分かっていつつ、リディアは年を重ねるにつれて、そういった社会的な柵があるのだということを学んでいた。そしてそれは、本人達の気持ちだけではどうにもならないことがあるということも―――


食事を終えた3人は、再び公園へと向かう。


「ねぇ、エッジ。今日は何時ぐらいまでいられるの?」
「んー、そうだなぁ。」


リディアは勇気を出して切り出す。


「…もし、エッジが大丈夫なら、今夜はうちに泊まっていかない…?」
「え……あ……い、いいのかよ…?」
「うん…。だって最近はこっちに来ても、あんまり話す時間がないし…。」
「…そうだな。」

クオレがミストに来て以来、リディアがエッジと会話する時間はめっきり減った。クオレがエッジとの遊びに満足するころには、エッジがもう帰らねばならぬ時間になってしまうのだ。

「あっ、帰らなきゃならないなら帰ってくれていいの!エッジには王様の仕事あるんだもん…。」
「いや、別にそれは何とでもなるし…。」


嘘である。自分の執務室には決裁待ちの書類が山積みだ。しかし願ってもないリディアからの申し出に、エッジは戸惑いながらも全身が喜びに満たされているのを感じた。



――少しでも一緒にいたい。叶わぬ恋だと分かっているけれど。




公園についた3人は、さっきクオレが言っていた花を見に草むらへと入る。そこには可憐なピンク色の花びらをたたえる花が何輪も咲いていた。


「わぁ、きれいね。」
「リディアはこの花、好きか?」
「うん、好きよ。」
「ならこの花は、家に持って帰るぞ。」
「そうね。玄関に飾りましょう。」
「エッジもエブラーナに持って帰るか?」
「ん?あぁ、そうだな。」


エッジとリディアはクオレが摘んだ花を渡される。エッジは渡された花の中から1輪取り、リディアを見つめる。そして、彼女の緑色の美しい髪にそっと挿す。リディアがきょとんとしていると、


「やっぱり似合うな。」

「もう…、ふふ。」




(エッジ、大好き。)






やがて日が暮れ始め、リディアは夕食の準備をするために、先に家に戻った。
今夜はエッジと共に過ごせる。そう思うと胸が高鳴った。その後に訪れる、別れの寂しさが大きくなると知りつつも。



「ただいまー。」





「おかえり。あれから何して遊んだの?」
「森の中でかくれんぼして、それから…。」


リディアはクオレの話を聞いてやる。


リディアとクオレに血のつながりはない。だがその姿は母親と娘そのもの。エッジはそれを微笑ましく眺める。


「エッジ、ご苦労様。ご飯の前にシャワー浴びる?」
「あぁ、そうさせてもらうよ。悪りぃな。」
「うん、着替え用意しておくね。」

さすがのエッジも疲れたようだ。超人的な身体能力を持つクオレの遊び相手ができるのは、忍者としての鍛錬を受けたエッジだからこそ。並みの人間には不可能だ。


シャワーを浴びて戻ってきたエッジの目の前には、リディアが作った夕食が並んでいた。


「おぉ、こりゃまたうまそうだな!」
「えへへ、いっぱい食べてね。」

3人は談笑しながら食事をした。エブラーナであった出来事や、ミストには数か月前から外部より召喚魔法を学びに来ている者もいて、なかなかの腕前であること、そしてクオレが魔法を使ったがためにあわや大きな山火事が起こりかけたことなど、話題が尽きなかった。



こうしていたら、自分達は本当の家族みたい。こうやって一緒に過ごすことが、こんなにも幸せだなんて。
エッジもリディアも、幸せな気持ちでいっぱいだった。


(ミストは、リディアの大切な場所なんだな。)
(エッジ、王様として頑張ってるんだな。)

2人の心の片隅には、どうしても、素直な想いを止めてしまう何かがあった。そんなものは建前に過ぎないのに。



(後編へ続く)


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