2014
04.29

「Full Moon in Late Autumn」 あとがき

Category: あとがき
リディアが好きで好きで仕方なくて、情けない姿を見せてしまったお館様でしたが、いかがだったでしょうか?


エッジは10数年もの間リディア一筋だったわけですが、その間きっと気持ちが折れてしまうことや、彼女を好きでいることが辛いことがあったと思うんです。ミストの復興の事があって、リディアが最後の召喚士だっていう事実のせいで、無理に自分の気持ちを押し付けられなかったでしょうしね…。

長い間そんな生活を送ってきたらそう簡単には忘れることはできないかもしれないし、何よりエッジはリディアが好きすぎて自分の気持ちよりも彼女を優先しちゃうし失いたくないだろうし、その気持ちを表すストーリーにしたいなぁと思って出来上がったのが今回の作品です。ま、結局エロになってしまいましたけど(苦笑)


私はアラサ―独女ですが、もし結婚したら一緒に生活していくわけだし、相手の弱みも受け入れないといけないんだろうなっていう自分の考えも反映された気がします。もちろん、そのためには相手のことが好きで、信頼していることが必要になってくるんだと思います。エッジとリディアなら長い付き合いだし、信頼関係はできあがってるだろうからこういうことがあっても大丈夫だろうという管理人の勝手な見解ではありますが…。


ではまた次回(^^)
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2014
04.27

「Full Moon in Late Autumn」★

リディアが好きで好きでたまらない病のエッジ。「The Expiration」の続きです。エロシーンありです、ご注意下さい。






「Full Moon in Late Autumn 」





「ねぇ、エッジ。」
「ん?」
「忙しいところごめんね。あの…。」
執務室で仕事をしているエッジにリディアが遠慮がちに話しかけてきた。
「何だよ、聞いてやるから言えよ。」
笑顔でリディアを見つめるエッジ。するとリディアが話し出す。



「私…ミストに帰りたいの。」




「え…?」


驚くエッジに、リディアは話を続ける。
「久しぶりにミストに行って思ったの。やっぱり私はミストに住みたいんだって。」
エッジの身体が震えだした。

「リ、リディア…そ、それは…。」
言葉に詰まるエッジを見て、リディアはふっと笑った。

「エッジ、短い間だったけどありがとう。すごく幸せだったよ。」
リディアは左薬指の結婚指輪を抜き始めた。

「ま、待ってくれ!!…俺、何かお前の気に入らねぇことしたか!?」
リディアは首を横に振る。

「じゃあエブラーナでの暮らしが気に入らなかったのか?もしそうなら言ってくれよ!俺が何とかするからよ!」

次第にリディアが無表情になっていく。

「誰だって自分の故郷が1番に決まってるじゃない。エッジだって、エブラーナが1番でしょう?」

そう言われ、エッジはビクッとする。
「そ、そりゃそうだけど……なぁリディア、考え直してくれよ…お前がここにいてくれるなら俺は何でもする。だから頼むよ…!」

結婚指輪を抜き終えたリディアは、それをエッジに渡した。エッジはどうしていいか分からず、ただリディアの足元に縋り付き、涙を流す。

「リディア…ミストに帰らねえでくれ…エブラーナに…俺のそばにいてくれ…!」

好きで好きでたまらなくて、やっと結婚できたのに。必死に訴えるエッジを振り払い、リディアはすたすたとその場を去っていく。



「リ、リディア…待ってくれ…リディアーーー!!!」











「…?」

リディアの姿が見えなくなった後、ぼんやりと見覚えのある天井が見えた。

(あれ…?)

瞼が重い。そして身体も何となく重い。


ゆっくりと呼吸したエッジは、自分がベッドの上にいることに気付く。



ふと隣を見ると、リディアが寝息を立てていた。


(なんだ、あれは夢か…。)


夢など大抵目を覚ますと忘れてしまうというのに、内容が内容だけに、エッジの脳裏に染み付いている。魘されて汗をかいてしまったようで、寝間着の襟元と背中がうっすら湿っていた。


今何時かと思い時計を見ると、そろそろ朝の稽古の時間だった。

(はぁ…起きるか。)


目覚めが悪く、身体が重い。エッジはいつもよりもゆっくりとしたペースで着替え、寝室を出た。


稽古場へ向かう途中、エッジはあんな夢を見てしまうなんて何と自分は情けないのだろうと思った。昨日のミストからの帰り道、リディアが名残惜しそうな表情をしているのを見て、もしかしたら本当はミストに帰りたいのではと不安な気持ちにはなっていたから、それが夢になって現れたと考えれば不思議ではないのだが。



もう結婚したというのに、今でもエッジは時々リディアが自分の手の届かない遠くへ行ってしまうのではないかと不安になることがあった。自信家で前向きな性格のエブラーナ国王だが、リディアのこととなると事情が違う。


好きで好きでたまらなくて、どうしても失いたくない。だからふとしたことで不安になってしまう。


(あんな夢見るなんて…俺、完全に病気じゃねぇか…。)


ため息を付きながら、朝の稽古を始めるエッジだった。






そしてその日からエッジは仕事が立て込み、深夜まで執務室にこもる日が3日ばかり続いた。






「さて、今日はこのへんにしておくか…。」


夕食後2時間ばかり仕事を進めた後、キリのいいところでエッジは風呂へと向かった。


リディアはもう風呂には入ったのだろうか?今何をしているのか?と、仕事からひと段落し、気が緩んだ途端に彼女の事を考えるエッジ。無意識にそうしている自分にハッと気付き、ため息をつく。完全にリディアが好きで好きでたまらない病である。



「ちょっと頭冷やすか…。」



風呂から上がったエッジは少し気分を落ち着けようと、城の屋上に上がり、晩秋のひんやりとした夜の空気に当たっていた。


空を見上げると、そこには美しい満月。


(きれいだな…。)


満月を見ていると、何か不思議なパワーをもらっているような気になる。科学的根拠はないらしいが、人間は月の満ち欠けに精神的な影響を受けると言われるのはあながち間違いでもないのだろう。



月の光を浴びている内に湯上りの身体から程よく熱がひき、エッジは寝室へと向かった。








部屋に入ると、明かりは消えており、ベッドのすぐそばにある窓から差し込む満月の光だけが部屋を照らしていた。


(あれ、リディア…もう寝てんのか?)


部屋の奥へと歩いて行くと、リディアがベッドの上に座って窓の方を向いてるのが見えた。

「あ…エッジ、今日は早かったのね。」
「よう、リディア。」

リディアも満月を見ていたようである。

「エッジ、今夜はきれいな満月よ。」
「ん、あぁそうだな。」


エッジもリディアの隣に座り、一緒に満月を見る。


「きれいだな。」
「うん…。」




特に会話を交わさずとも、リディアと一緒にいるだけで幸せな気分になってくるエッジ。ふと、リディアの方を見ると、彼女は美しい翡翠色の瞳でじっと満月を眺めている。


(こいつは今…何を考えてるんだ?)


自分は今この瞬間は幸せなのだが、リディアはどうなのかと思ってしまう。


(これじゃ俺、リディアの事を疑ってるだけじゃねぇか…。)


愛する妻を信じていない自分の器の小ささに、内心呆れるエッジ。


「エッジ?」
「ん?」
「…どうかしたの?」

「あ?…何でもねぇよ。」


あんな夢を見たなんて知られたら、リディアのことを何でも受け入れてやると言っておいて、何と器の小さい奴かと思われるに違いない。何となくリディアの顔が直視できず、再び顔を上げて月を眺めるふりをするエッジ。





「エッジ…。」
「うん?」


リディアがエッジの手にそっと触れた。


温かい―――。


リディアの手の温もりを感じていると、彼女はエッジに身を寄せ、彼の右腕にキュッとしがみつき、自分の胸元に引き寄せた。


(おぉ…?)


リディアの胸のふくらみの柔らかい感触に、思わずエッジの下半身の一部が反応する。伏し目がちにしていたかと思うと、すっと上目遣いでエッジを見つめた。


あまりの可愛さにドキドキのエッジは、身体をリディアの方に向け、思わず左手で彼女の頬を包み込む。触れた色白の頬はきめ細かい肌で、エッジの手に吸い付くような感触。


じっと見つめ合っていると、リディアが静かに目を閉じた。




それを見たエッジはリディアを抱きしめ、優しく口づけした。するとリディアは物足りないと言わんばかりにエッジの首の後ろに腕を回し、角度を変えながら唇をより深く重ねてきた。

ちゅうっ、ちゅくっ、ちゅううぅっ…

(すげぇ吸い付きじゃねぇか…たまんねぇ…。)

満月の影響なのか、いつもは自分からしているような扇情的な口づけを今日はリディアがしてきてくれる。エッジはリディアの背中に回した手を腰の辺りへと下げていき、腰からお尻にかけてをゆっくり撫で始めた。


「あっ…エッジ…。」

リディアがピクンと反応した。

「ん、気持ちいいのか?」
「うん…。」

エッジはリディアの下半身を撫でながら、再び口づけをする。舌をリディアの口腔内に侵入させ、彼女の舌と自分のものを絡めようとすると、リディアもそれに応じた。

ちゅぷっ、ちゅぷ、ちゅぷ…

いやらしい音が響き、エッジもリディアも気持ちが高ぶっていく。さっきまでリディアの腰周りを優しく撫でていた手は、弄るように動き出す。舌を絡め合っている間、リディアの手がエッジの寝間着の襟元に伸びてきた。

(お…?)

リディアはエッジの寝間着の胸元を押し開いた。エッジの鍛え上げられた上半身が露わになると、リディアは彼の肩から腕や胸、お腹を撫でるように自分の白い華奢な手を滑らせた。

「あぁ…。」

思わずため息のような声を出すエッジ。リディアの細い指がエッジの乳首回りをゆっくりとなぞる。

「うぉ…。」
「…気持ちいい?」
「ん…。」

(あぁ…リディア、俺は幸せだぜ…。)


リディアのことが好きで好きで、何度も夢に見た彼女からのアプローチ。


エッジはいつも夢から覚めるたびに、ふわふわとした緑の髪をなびかせる色白で美しい翡翠色の瞳に長い睫毛の愛しい女性の事を想い、虚しさだけが増した。



いつかエブラーナに妻として迎え、一緒に暮らせる日が来ることをただ願い続けた10数年の思い出が頭を過った。




(夢じゃ…ねぇんだよな…?)




エッジはリディアをぎゅっと抱きしめる。そして彼女が今、自分の妻としてここにいることを確かめる。



リディアから香ってくる、甘く優しい匂い。



トクントクンと伝わってくるリディアの鼓動。




夢じゃない。




リディアは確かに俺の腕の中にいる―――





エッジの目頭に何か熱いものが込み上げてくる。



思わず目を瞑った。





「…エッジ?」

リディアの細い指が、エッジの頬をなぞる。


ゆっくりと目を開けたら、リディアの顔が霞んで見えた。



「エッジ…泣かないで。」


リディアの一言で自分が涙を流していることに気付き、慌てて拭った。

(俺、何で泣いてんだよ…だせぇな…。)

「…悪りぃ。何でもねぇよ。」
「…。」



ふと、3日前の悪夢を思い出す。



(リディア…俺のそばにいてくれ…!)



そんなことを考えていると、リディアはエッジの手を握り、自分の胸の前にもってきた。彼女の左薬指にある自分と揃いの結婚指輪が、月の薄明かりに照らされて光っている。


(くそっ、何であの夢を思い出すようなことばっかり…。)



リディアの結婚指輪を見つめるエッジに、彼女はふっと微笑んだ。

「エッジ、泣かないで。私はここにいるよ。」

「え…?」


自分の心を読まれたのか?いや、まさか…


「私はエッジのそばにいるから大丈夫よ。」


そう言ってリディアは握っていたエッジの手を、自分の胸に当てる。

「ほら、ね?」



柔らかい
温かい



エッジは手から伝わってくるリディアの胸の温もりを感じ、全身が痺れてしまいそうだった。


リディア

リディア…

リディア…!!




愛しい女性の名を、何度も心の中で叫ぶ。




リディアは、俺のそばにいる―――





「あっ、エッジ…。」
「はぁっ、リディア…!」


リディアがここにいることをもっと感じたい一心で、エッジは彼女の素肌に触れようと寝間着の浴衣を肩からずり下げ、そこから姿を現した形のいい豊かな胸のふくらみを必死に揉みしだいた。



「はぁっ、エッジ…!」



リディアは悶えながらも両手でエッジの頬を包み込み、彼に口づけする。

「んっ…ふぅっ…!」


口づけしながら鼻から抜けるリディアの吐息は艶かしく、エッジを猛らせていく。





リディアの柔らかなふくらみをしばらく揉みしだき、エッジは次第に平静さを取り戻した。
するとリディアが再びエッジの首の後ろに腕を回し、身体を密着させ、彼の唇に自分のそれを深く侵入させてきた。


(リディア…?)






リディアがやっとのことで唇を離した。エッジはなぜ彼女が今夜こんなに積極的なのか疑問をもった。



「…お前、今日どうしたんだよ?すげぇエロいじゃねぇか。」




リディアは何か考えた様子で話し出す。



「…だって、エッジはしばらく仕事大変だったし、私も寂しかったし、今夜はエッジといっぱいしたくって…。」



「…それだけか?」



勘のいいエッジは、リディアの言葉の裏を的確につく。リディアは何となく、エッジから視線を反らした。


「…何だよ、言えよ。」




「……ミストに行った日の夜中に、エッジが魘されてたから…。」
「…え?」



エッジはギクリとする。


「エッジが泣きながら、『リディア、ミストに帰らねえでくれ。俺のそばにいてくれ』って…。」

リディアは魘されるエッジの頬を伝う涙を拭ってやり、静かな寝息を立てるようになるまでずっと彼の手を握り、見守っていたのだ。






「マジかよ…。」


自分が譫言を発していたなんて。話を聞いたエッジは自分からリディアをミストに連れて行っておいて、決まり悪い以外の何でもなかった。


(俺…小さ過ぎるな…。)


エッジは思わず下を向いて顔を両手で覆う。こんな器の小さい自分を見せていたなんて。どう弁解しようか悩んでいると、リディアがそっとエッジの身体に身を寄せた。


「だから、私はエッジに安心してほしくて…。」

大きな翡翠色の瞳を潤ませながらエッジを見つめるリディア。


「そうかそうか、器の小せえ旦那が泣いててあまりに可哀想だからサービスしてあげなくちゃって思ったんだな?」

妻に気を遣われ、自嘲するしかないエッジ。

「エッジ…ごめんね。私がエッジに都合良く甘えてるから…。」
「…いや、お前は謝らなくていい。俺の問題だ。」

リディアを直視できないエッジ。さっきまで高ぶっていた気持ちも、どこかへ行ってしまった。


(くそっ…かっこ悪りぃ。どうすりゃいいんだよ…。)


ちゅっ。



リディアの唇が、エッジの頬に触れていた。エッジがはっとリディアの顔を見ると、リディアの翡翠色の瞳は潤み、形のいい可愛らしい唇は、何か言いたげに微かに動いている。

「あぁ、リディア…俺のことは気にすんな。またミストに行こうぜ。」


自分の元に来てくれたリディアを信じてやらねば―――。


エッジはにっこりと笑い、リディアのふわふわとした緑の髪を撫でた。だがリディアはエッジを真っ直ぐに見つめたままだ。


「リディア?」


「…もう、それ以上言わないで…!」

リディアはベッドの上で膝で立ち、細く白い腕を広げ、はだけた自分の胸にエッジを抱いた。


ふわふわと温かく柔らかな感触がエッジを包み込んだ。


リディアの手が、優しくエッジの髪を撫でる。


「…もう何も言わないで。笑顔なんて作らないで…!」

エッジはいつもリディアの事となると、自分の気持ちを押し殺してしまう。このまま話し合っても、彼は意地を張るだけだと思ったのだ。


リディアはエッジと頬をすり合わせ、何度も口づけした。

「リディア…?」




私はずっと、あなたと一緒にいるよ―――




その想いをエッジに感じて欲しくて、リディアは再びエッジと唇を重ねた。
それはとても優しく、何度も繰り返された。


ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ…


エッジはただリディアの行為を受け入れ、すがるように彼女の背中に腕を回した。


言葉で伝えようとすると素直になれなかったり、ぶつかったり。だから、今はこうして自分の想いをエッジに伝えたい。



いつもは、あなたが包み込んでくれるけど、今日は私にそうさせて―――











エッジはリディアの胸に抱かれたまま目を閉じていた。やわらかな月の光の下で、彼は穏やかな表情でゆったりと呼吸している。リディアはエッジが眠ったのかと思い、そっと顔を覗き込むと、エッジは忍者として鍛え上げられた感覚でその気配を感じ、目を開けた。

「はっ…エッジ。」

「…忍びの長をなめんじゃねーぞ。お前の動きは全部感じてんだぜ?」

驚いたリディアを見てエッジはふっと笑う。

エッジはリディアに預けていた身体を起こし、じっと彼女を見つめた。

「俺がお前に抱きしめられるなんてなぁ…。」

少し笑いながらも、どことなく決まり悪そうな表情。

「…ダメだった?」
リディアはしゅんとした顔でエッジを見つめた。

「んー…たまにはいいかもしんねぇな。」

頭を掻きながらそう言うエッジを見て、リディアはベッドに腰を落とす。どう会話を続ければいいかリディアが思案していると、エッジの手がいつの間にかリディアの腰周りを撫でていた。

「きゃっ、エッジ…!」
「お前は本当隙だらけだよなぁ。そこが可愛いんだけどよ。」

そう言ってニヤリと笑うエッジ。自分の気配に気付かれないように動くことは、忍びとしての基本であるため、エッジにしたら何てことはなかった。

「やだぁっ、エッジのスケベ…。」
「自分から誘っといて何言ってんだよ、分かんねぇ奴だな。」


ちゅっ、ちゅぅぅっ、ちゅくっ、ちゅぅぅぅ…


エッジは頬を赤らめるリディアをぎゅっと自分の方に抱き寄せ、さっきリディアがしたよりもずっと深く、熱い口づけをした。

(やだ…蕩けちゃいそう…。)



エッジの唇がリディアの耳朶から首筋を食んでいく。くすぐったさに、リディアはピクピクと反応した。

「…もっと感じたいか?」

エッジが耳元で囁いてきた。リディアがコクンと頷くと、エッジはリディアの寝間着の浴衣の腰紐を外して脱がせ、ショーツもするりと脱がせてそのままベッドに組み敷いた。



今夜は自分がリードして奉仕して、エッジを安心させたいと思っていたのに、もう主導権を握られてしまった。


エッジはリディアの両手首を掴んでベッドに押し付け、彼女の胸のふくらみに佇む蕾を口に含み、何度も舌先で弾くように舐めた。

「やぁぁぁっ…!」

リディアはたまらず腰をくねらせ、秘所の奥が疼き両脚を捩る。刺激に耐えられず、リディアの蕾はぷっくりと硬さを増した。エッジは反対側も同じように舌先で弄ぶと、硬くなった蕾を指できゅっと挟んでやった。

「よく感じてるじゃねぇか…しっかり立ってるぜ。」

満足そうにニヤニヤとするエッジ。その手がリディアの両脚の間にそっと伸び、小さな茂みに触れた。それにピクンと反応するリディアに気を良くしたエッジは、指をするすると彼女の秘所に滑り込ませていった。するとエッジの指先には温かく、とろりとした蜜が絡みつく。

「…すげぇ。こんだけ濡れてりゃ気持ち良さそうだな、くくくっ…。」


己の性欲のままに言葉を発するエッジは、満月の夜に雄叫びをあげる狼そのもの。さっきまでの決まり悪そうな表情など、見る影もなかった。


次の瞬間、エッジは寝間着のズボンと下着を一気に脱ぎ去り、何も言わずにリディアの両脚を広げて押し入ってきた。

「あぁぁぁっ…!」

あっという間に奥まで貫かれたリディアは、エッジの熱さと硬さに身震いした。それを見たエッジはリディアの肩を掴み、満足そうな表情で腰を揺らし始めた。


たっぷりと自分に絡むリディアの蜜が滑りを良くし、ぬぷぬぷと中を行き来するエッジの身体に快感が次々と流れ込んでゆく。


「あぁっ…すげぇ気持ちいい…!」


リディアも結合部からどんどんせり上がってくる快感に浸り、もうこのままエッジと一緒に果てていこうと思い、目を閉じた。





「うっ…。」


エッジの小さく、低い呻くような声がリディアの耳に止まった。リディアが翡翠色の瞳をそっと開くと、エッジは律動を停止し、首を垂れていた。エッジの表情がどこか苦しそうに見えたので、リディアは何が起こったのかと心配になった。


「…エッジ?どうしたの?」
「…いや、何でもねぇ。」


そう言って再び律動するが、またすぐに動きを止め、俯き、深く息を吐きながらリディアの肩に顔を埋めてきた。

「エッジ…どこか痛いの?」


リディアが軽く息を切らせるエッジの頭を撫でながら尋ねても、彼は何も答えない。

「黙ってないで教えてよ…。どうしたの?」

エッジがゆっくりと身体を起こし、今までになく余裕のない表情でリディアを見つめた。そしてか細い声で話し始める。


「…すまねぇ、リディア、俺…。」
「うん?」


リディアはエッジを優しく見つめた。するとエッジが口にしたのは…



「悪りぃ…俺…もうイッちまう…。」



苦しさの中に、情けなさを含んだようなエッジの表情はもはや雄々しい狼のものではなかった。数日間ご無沙汰だったのと、愛する妻に決まり悪い姿を見られて精神的に参ってしまったからなのか。リディアはエッジの顔を見て、思わずふっと笑みをこぼした。

「もう、エッジったら…。」

そう言ってリディアはエッジの首の後ろに腕を回して自分に引き寄せ、彼にそっと口づけした。



「…我慢しないで。」

エッジを縛る理性の箍を外してやろうと、耳元で囁く。

「いいのか…?」

リディアは小さく頷いて優しく微笑んだ。

「…たまにはいいじゃない。」

そう言って、エッジの首の後ろに回した腕にきゅっと力を込める。

それを感じたエッジは、ゆっくりと腰を揺らし始め、徐々にスピードを上げていく。結合部はリディアの蜜とエッジのモノが擦れ合い、もうぐちょぐちょである。

「んっ、あっ、はぁっ、エッジ…!」
「リディア…リディア…!」

リディアを突き上げるエッジの先端は彼女が感じる部分を捉えていたが、どことなく切ないような気持ちをはらんでいて、それは快感と共に、リディアの身体にじわりじわりと伝わってきた。


エッジは精悍な顔を歪めて歯を食いしばり、ますます苦しそうだった。我慢しなくていいと言葉で分かっていても、まだ男としてのプライドや理性が働いているようだ。


「くはっ…!はぁっ…はぁっ…!」


いつもより早い、大きい快楽の波に呑まれそうになりながら必死に耐えているのが分かるような息遣いのエッジ。

リディアはそんな姿を見て、早くエッジを楽にしてやりたいと思い、彼の背中をさすってやる。

(エッジ…!)

速度の落ちたエッジの腰の動きが、また早くなってきた。


リディアの耳元で響く、エッジの必死な息遣い。彼が自分にもたらす快感に悶えながら、どうすればエッジを解放してやれるか考える。


「あっ、あぁっ、エッジ…わ、私…。」


リディアの声を聞き、エッジが彼女の顔を見つめた。


「私…んんっ…エッジのこと…大好きだから…全部受け止めたいの…っ!!…あぁんっ!…だから…。」


だから、もう苦しまないで―――




それが声になったかなってないか、快楽の真っ只中にいたリディアにははっきり分からなかったが、その直後、エッジの表情はすぅっと落ち着き、汗ばんだ彼の手がしっかりとリディアの肩を掴んだかと思うと、彼女を突き上げる速度が吹っ切れたように上がった。結合部の温度が上がり、繋がっている2人の身体が揺れ動き、その振動でベッドからはギシギシと音が出る。リディアはしっかりとエッジの背中にしがみつき、彼の腰に両脚を絡めた。


「はぁぁぁぁっ、エッジ…!!」

「リディア…もうダメだ…うっ…くぁっ…!!!」

エッジの絶頂の叫びを聞いた瞬間、リディアは彼を強く強く抱きしめた―――








「はぁ…ふぅ…。」

深く呼吸するエッジは、リディアに背中をポンポンと優しく叩かれながら、繋がったまま彼女の肩に顔を埋めていた。



しばらくしてエッジが両手をリディアの両脇に付くと、顔を上げて彼女と視線を合わせた。


まっすぐエッジを見つめる翡翠色の瞳が瞬きするのに合わせ、長い睫毛が揺れ動く。それに魅入っていると、リディアの両手がそっと、うっすら汗ばんだエッジの頬を包み込む。



「はぁ…リディア…。」

エッジは何か言おうとしているが、果てたばかりでうまく思考が回らないのだろう。

「エッジ…何も言わないで。もう、何も…。」

言葉が出てこないエッジの頬を撫で、ぎゅっと自分に抱き寄せた。

リディアに抱きしめられたエッジは脱力し、彼女の胸に顔を埋め、その温もりにしばらく酔いしれた。






布団をかぶり、事後の倦怠感でエッジは片腕で自身の顔を覆っていた。リディアがそっと彼の手を握ると、それに反応してエッジは彼女の方を見た。

「リディア…すまねぇ、俺…」
「どうして謝るの?…エッジ、何も悪いことしてないじゃない。」

真面目な表情で話しかけてきたエッジを、リディアは遮った。

「違うんだ、聞いてくれ。」
「え…?」

そう言って自分の手をぎゅっと握り返すエッジ。リディアの方に身体を向け、少し身を乗り出して、彼女に語りかける。


「…俺は、お前を信じてなかったんだ。こうして結婚してるってのに、またどっか遠いとこに行っちまうんじゃないかって時々不安になってた。こないだミストに行った時もそうだった。本当は俺と暮らすよりも、ミストに帰りたいんじゃねぇかって疑っちまってたんだ。」

リディアは静かにエッジの話を聞く。

「すまねぇ、リディア。お前が俺の事をどう思おうと構わねぇ。だけど、俺はお前を失うのだけは耐えられねぇんだ。だから…だから……」

そう言って、エッジは言葉に詰まってしまった。


リディアはどうエッジに言葉をかければよいか分からなかった。こんなにも愛する男性を不安にさせていたなんて。結婚するまで自分を長い間想い続けて、自分に合わせてくれて、傷ついたこともたくさんあっただろうに、今でもまだ自分のことで苦しんでいる。


リディアとて、エッジを失いたくない。彼は今やリディアにとって、あまりにも大きく、かけがえのない存在となっているのだから。



「けどリディア…ありがとうな。お前があんな情けねぇこと言った俺を受け止めてくれるって聞いた時、すげぇホッとしたんだ…。」

「エッジ…。」


器の小さい奴だと思われたくなくて、見せなかった心の影。リディアのことが好きで好きでたまらないが故の意地。




「すまねぇ、リディア…俺が悪かった…。」

「エッジ、もう謝らないで…。」

そう言ってリディアはエッジを抱きしめた。エッジなら何かあってもどうにかしてくれる、自分に合わせてくれると都合よく甘えていたがために彼にそう思わせてしまっていたのだから。


リディアに抱きしめられたエッジは、思わず彼女にしがみつく。その行動が可愛くて、リディアは笑みをこぼしてエッジの頭を撫でてやった。


「よしよし、いい子だね。私はエッジとずっと一緒にいるから、大丈夫だよ?だからもう泣いちゃダメよ~?」


エッジは軽く苦笑した。いつも自分の腕の中にいるリディアが、今は自分を包み込んでいる。けどそれも悪くない、そう思っていると―――


「私もエッジのこと、失いたくないよ。エッジのそばにいるから、だから…もう苦しまないで…。」


リディアの言葉が、潜んでいたエッジの心の影をすっと消し去った。

「リディア、ありがとな…ありがとう…。」

どんなにカッコ悪いことをしても、自分を受け止めてくれるリディア。エッジはそう呟きながら彼女の温もりに包まれて目を閉じた。



「…またミストに行こうな?」

エッジにそう言われてどう反応すれば良いか、リディアが考えていると、彼は曇りのない笑顔でこっちを見つめた。それを見たリディアも自然に笑顔になる。

「エッジ…。」
「もう…大丈夫だ。お前は一生俺の女だもんな?」

「はい、お館様。わたくしはあなた様と一生添い遂げとうございまする。」

エブラーナ言葉でリディアが誓うと、エッジはプッと吹き出した。

「何笑ってるのよぉ。せっかく勉強して言えるようになったのに。」
「いや…まさかこの場でそんな風に言われるとは思ってなかったからよ。」

「んもう…。」

リディアが不機嫌そうに唇をへの字に結んだ。するとエッジが嬉しそうに笑った。

「本当にお前は可愛いなぁ~。満月の夜にそんな事したら、オオカミさんが食べに来るぞ~?」

「もう、バカ…。」



笑いながらしっかりと手を握り合う2人の左薬指の揃いの結婚指輪は、満月の光に照らされ、微かな光をたたえていた―――


―完―

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2014
04.21

「夜の八重桜」 あとがき

Category: あとがき
季節もののエジリディ、いかがだったでしょうか?完全にベタなラブラブエジリディに仕上がりましたが(笑)


季節ものだけに、もっと情緒的な文章を書けたらなぁ…としみじみ思いました。八重桜ってソメイヨシノと同格の、春の代名詞だというのに、本当稚拙な文章になっちゃって、まだまだだなぁと反省ばかりですどうやら季節がどうのって言うよりも、ラブラブな2人を書きたかっただけかもですが


もう桜の季節も終わりですね。今後も季節に応じたエジリディSSにもチャレンジしていこうと思います。エブラーナって、きっと日本と同じような感じの国ですもんね次はツツジか紫陽花かな?



ではでは皆様、また次回(^^)






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2014
04.20

「夜の八重桜」

近所にある八重桜を見ていたら書きたくなっちゃったんです…。ラブラブほのぼの系ですよ♪

前作までとは時系列がはずれていますが、また別の、季節ものTA後エジリディってことでご容赦下さいませ☆(^^ゞ



「夜の八重桜」







すっかり春めいた日々が続く中、夜を迎えたエブラーナ城では王妃リディアが今日のの仕事を終えた。すると部屋のドアをノックする音が聞こえた。

「はぁい。」

ドアを開けるとエッジがいた。

「よ、リディア。仕事終わったか?」
「うん、今終わったとこ。エッジも終わったの?」
「おぅ。…あのさ、お前が良かったら、今から夜桜見に行かねぇか?」

「え、桜?」

確かもう時期的に桜は散ってしまってるはずだ。リディアが不思議に思っていると、エッジが微笑んだ。

「八重桜だよ。普通の桜より遅目に咲くから、今ちょうど見頃なんだ。」

リディアは結婚前、何度かエブラーナで桜見物をエッジと楽しんでいたが、普通の桜しか見たことがなかったのだ。

「そうなの?見に行きたい!」
「よしよし、そうこなくっちゃな。」


2人は手を繋いで城を出て、月の光がうっすら夜道を照らす中、八重桜が咲く場所へと向かう。


「桜って色んな種類あるんだね。八重なんて初めて聞いたなぁ。」

興味津々のリディアを見て、エッジは思わず笑みをこぼす。

「バロンやミストの方ではそもそも桜がねぇんだよな?あんないいもん見れねぇなんて、気の毒だな~。」

「ふふふ。」

(エッジの手、あったかいなぁ…。)

自国文化を誇らしげに語るエッジ。リディアはうんうんと頷いて夫の話を聞く。こうしてエブラーナの事を話す夫はとても嬉しそうで、それを見ているリディアも幸せな気分になるのだ。







「着いたぞ、ここだ。」


そこには可憐なピンクの花びらを何重にもたたえる、幾多もの美しい八重桜が咲いていた。

「わぁ、きれい…!」


夜でも花見を楽しめるよう、八重桜の並木道には小さな松明がいくつもセットされている。夜の春風にさわさわと吹かれ、光に浮かび上がるピンクの花びらは何とも幻想的で、リディアをたちまち魅了した。


「…やっぱりきれいだな。」


エッジがそう言うと、リディアは満面の笑みで頷く。

「うん、すごくきれい!エッジ、連れて来てくれてありがとう!」

「へへ…。本当はソメイヨシノの季節にお前と花見したかったけど、何かとバタバタしちまって、タイミング逃しちまったからなぁ。」

「そうだね…エッジ忙しかったもんね。」
「ま、俺は夜のベッドで桜みたいなお前の可愛い乳首見てたから、それで十分だったんだけどな。」

「なっ…!変態!」

顔を真っ赤にして怒ったリディアがニヤニヤするエッジをポカリと叩く。




2人が八重桜の並木道を歩いて行くと、花見を楽しむ国民達と出くわした。

「おぉこれはお館様!奥方様もご一緒で!」
「よぅ!楽しそうだな。」

気さくに国民に声をかけるエッジ。エブラーナは規模の小さい国だから、王族と一般国民の距離は近い。



「リディア様ー!」


大人達と花見をしていた子供達が寄ってきた。

「あら、こんばんわ。桜、とってもきれいね。」

「うん!僕達お父さんとお母さんと毎年ここに来てるんだよ!」
「うちもよ!皆と美味しいもの食べれるから、楽しみなんだ~。」

子供達の話を微笑みながら聞くリディア。親達もリディアに挨拶しにやって来た。

「リディア様、こんばんわ。よかったらこちらへどうぞ。エブラーナの地酒がありますよ。」

「うーん、少しだけいただこうかしら。…エッジみたいには飲めないしね。」
「ははは、お館様はお酒が好きでいらっしゃいますからね。」

リディアは案内された花見のスペースに腰掛け、エブラーナの地酒を飲んだ。

「んー…このお酒、なかなかキツイわね。」
「ビールよりもずっと強いですよ。うちの主人たらよく飲み過ぎてしまうもので…。」
「ふふ、そうなのね。」

リディアが大人達と会話していると、後ろの方から騒がしい声がしてきた。


「さぁお館様、始めますぞ~!」
「おぅ!かかってこい!」


エブラーナの男性達がエッジの周りに集まり、酒の飲み比べを始めたのだ。

次々に地酒を飲み干していくエッジ。
いい飲みっぷりに、国民達から歓声が上がる。


「わぁ~、お館様すごーい!」
「僕も大人になったらああやって飲みたいなぁ。」


子供達も楽しそうにその光景を眺める。

「もう、エッジったら…。」

リディアはエッジが久しぶりに酒を飲む姿を見て、少し心配そうに眺めていた。


飲み比べに勝利したエッジは、得意げな顔。

「はっはっはっ、やっぱり俺が1番だな!」

「はぁ…お館様、参りました。」
「もう無理だ…ううっ…。」
「いやぁ、私らオッサン組はもうかないませんなぁ。お館様、次は若い衆と勝負ですぞ!」
「お、いいねぇ!そいつら呼んでこい!」


お酒が入って上機嫌なエッジは、若い男性達とも飲み比べを始めた。

心配そうな表情のリディアに、子供達が話しかけてきた。

「ねぇねぇ、リディア様はお館様とすごく仲良しだよね!」
「ふふ、そうね。」

「喧嘩とかするの?うちのパパとママ、よく喧嘩するんだ~。」
「これ!そんな事を聞いてはいけませんよ!」

子供らしい質問に、リディアは思わず笑い出す。

「ふふふ…いいのよ、気にしないで。」
「はぁ…。」

子供の母親は恐縮した様子でリディアに軽く頭を下げる。

「そうねぇ、エッジと喧嘩するわよ。」
「そうなの?何で?」
「うーん、エッジが私のおやつのお饅頭食べちゃったり、お仕事で使おうと思ってたペンを持っていかれちゃったり、色々ね。」

「へぇ、そうなんだぁ。」
「リディア様はお館様に怒るの?」
「うん、怒るわよ。」


「じゃあどうやって仲直りするの?」

新たな質問に、少し頬を赤らめるリディア。

「喧嘩したらね、いつもエッジの方から『リディアすまねぇ、俺が悪かった』って言って謝ってくるのよ。」

「お館様が謝るの?」
「なんかいつも家老さんに怒られても適当に返事してるのにね。」

「そんな失礼な事を言うんじゃありません!…すいません、リディア様。」
「うふふ、小さい子はよく見てるわね。」

リディアは笑わずにはいられなかった。するとそこへエッジがやって来た。

「リディア~。」
「あら、エッジ。」

エッジがリディアの隣に座ると、子供達が彼に飛び付く。

「お館様ー!」
「ねぇねぇ、お酒の試合勝ったの?」
「おぉ、勝ったぞ!いっぱい酒飲んだぜ。」
「すごいねー!僕が大人になったら、お館様と勝負したいなぁ。」
「お、そうか。そりゃ楽しみだなぁ。」
「うん!僕頑張るよ!」

笑顔で子供達の頭を撫でてやり、会話するエッジ。リディアはこういう夫の姿を見ると、自然と笑顔になれる。堅苦しい事を嫌い、国王だからと傲慢な態度をとらない彼の姿勢は、妻として誇れるものだった。




「お館様、さっきね、リディア様がお館様と喧嘩するって言ってたのよ!」
「…へっ?」

無邪気な子供の発言に、リディアはドキリとする。

「…リディアは何を言ってたんだ?」

軽く引きつった表情でエッジが子供達に尋ねると、彼らはニヤニヤし出した。

「んとね、喧嘩してもお館様が謝ってくるから仲直りしてるって言ってたよ!」
「そうそう!」


口々に話す子供達を見て、エッジは深く頷いた。


「そうだぞ、俺はいつもリディアが怒ると頭を下げてるんだ。そうしねぇとこいつは許してくれねぇからな。」


それを聞いたリディアはムッとした。


「許すも何も、いつもエッジが悪いんじゃない。謝って当然よ!」

上から目線のリディアの一言に、エッジも負けじと言い返す。

「何だよ、お前が絶対謝らねぇから俺が謝るしかねぇんじゃねぇか。」
「私そんな鬼嫁じゃないもん!」
「鬼嫁だなんて言ってねぇよ。俺みたいに素直に謝る旦那は貴重なんだぞ?大事にしろよ?」
「何よその自分があたかも立派な人間みたいな言い方!」


エッジとリディアは民達の前でぎゃあぎゃあと喧嘩を始めるが、2人の全く敵意を感じない言い合いに、周りの大人達は微笑ましそうにクスクスと笑っていた。


しばらく喧嘩した後、エッジはふーと息をついた。


「あぁ、リディア…。分かった、俺が悪かったよ。すまねぇ。」
「もう…。」

喧嘩を終えた2人。周りの者達がクスクスと笑っているのに気付き、恥ずかしくなる国王夫妻。

「やっぱりお館様とリディア様は仲良しだね!」
「うん、リディア様の言った通り、お館様が謝るんだね!」


子供達にきゃっきゃと冷やかされ、エッジとリディアは見つめ合い、頬を赤らめた。


「ねぇ、お館様は家老さんに怒られてもあんまり謝らないのに、どうしてリディア様には謝るのー?」


子供というのは正直な上によく見ていると思わされる質問に、エッジは苦笑した。

「こらっ!何て失礼なことを…お館様、どうぞお許しを…。」

必死に詫びる両親だが、エッジはそんな事で怒ったりするような、器の小さい王ではない。

「ははは、こりゃ難しい質問だな。」

頭を掻きながら答えに困るエッジ。しばし何か考えた後、リディアをちらりと見る。


「それはな…。」


リディアはエッジがどう答えるのかと思っていると、ひゅうっと夜風が吹き、咲き誇る八重桜のピンクの花びらを揺らす。





「…俺は、リディアのことを愛してるからだぞ。」







リディアの頬が、たちまち真っ赤に染まった。




「きゃー!あいしてるだって!」
「かっこいー!」
「お館様、リディア様のことあいしてるんだー!」

「あ、リディア様の顔が真っ赤だよ!」
「えっ?そ、そうかしら?」

子供達に冷やかされ、うろたえてしまうリディア。



エッジの方を見ると、ひらひらと数枚の八重桜の花びらが散る中、彼はリディアを見つめて微笑んでいた。


「本当にもう…お館様、リディア様、度重なる御無礼をお許しくださいませ。」

子供達の親達が頭を下げる。

「あぁいいんだよ、気にすんな。なぁ、リディア?」
「あ、うん。エッジの言う通りよ、気にしないで。」







2人はその後もエブラーナの民達と共に花見と会話を楽しみ、春の夜を満喫した。







その帰り道。



「はぁ~、やっぱり花見はいいなぁ。酒は美味いし、皆と喋れて楽しいぜ。」
「もう…だいぶお酒飲んでたけど大丈夫なの?」
「大丈夫だって。あの程度ならまだモンスター達とも戦えるぜ?」



出会った頃と変わらない自信家ぶり。あれから10数年の時が経っても、エッジはエッジなのだと思うリディア。


「リディアは楽しめたか?」
「あ、うん。楽しかったよ、八重桜すごくきれいだったし、皆親切だしね。」
「そうか、そりゃ良かった。」

リディアの答えを聞いて、微笑むエッジ。

(あ…さっきと同じ笑顔。)


リディアは何となく恥ずかしくなり、エッジの腕にぴったりとくっつき、彼から視線をそらした。

「お、何だよ?…そんなに俺とくっついてたいのか?」

ニヤニヤしながらリディアを見るエッジ。リディアは答えに詰まる。

「…だって、エッジがあんなこと言うから…。」
「あんなことって?」



「…その、私のことを愛してるって…。」

エッジはニタリと笑った。

「何だ、もっと言って欲しいのか?」
「ち、違うもん!…あんな事皆の前で言うなんて恥ずかしいじゃない!」


リディアを見て、エッジは少しばかり黙ってしまった。



「恥ずかしいか?」
「恥ずかしいよ…。」


「…いいじゃねぇか、本当のことなんだし。」


リディアは頬を真っ赤に染めて、その場に立ち止まった。

「リディア?」


リディアは真っ赤になった頬に自分の手を当てて、下を向いていた。


エッジは彼女のあまりに初々しい反応に、くっと笑った。

「ったく、お前は可愛いなぁ。そんな事したらここで襲っちゃうぞ?」
「もう、バカ。」

ぷいっと顔を背けるリディア。本人は怒っているつもりだが、その姿はエッジのお気に入りで、むしろ逆効果であることを全く分かっていないのだ。



「…エッジ?」

エッジの温かい手が、リディアの肩を抱き寄せた。

「リディア、愛してるぞ。」

月の光の下で、優しい表情でリディアを見つめ、愛の言葉を贈るエッジ。


自分の心臓がドキドキと動き出したのを感じるリディア。


「…うん。私もよ…。」


そう言って、思わずエッジの胸に顔を埋めるリディア。

「へへ、可愛いなぁ…。」
「恥ずかしいんだもん…。」


エッジはリディアの柔らかな緑の髪を優しく撫でた。

「リディア…来年も桜見に行こうな?」
「…うん。」


リディアがエッジの胸から顔を離し、彼の顔を見上げると、彼の手が、そっと彼女の頬を包み込む。エッジはすっと口布を下ろし、リディアに顔を近付けていく。


「リディア…。」


「エッジ…。」





春の夜風が草木を揺らし、さわさわと音をたてた。


エブラーナ城へと続く道で、柔らかな月の光に照らされた愛し合う2人の影は、夜風にゆるりと吹かれながら、ゆっくりと重なった…。


―完―
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2014
04.12

The Expiration

こないだの反省を踏まえて書いたエジリディTA後SS第5弾です。これで少しはクオレをエブラーナへ連れて行かなかった償いになるでしょうか…?






「The Expiration」


「あ、エッジ。もう仕事終わったの?」
「おぅ、今から風呂行ってくるわ。」

エッジより先に仕事を終え、寝間着姿でベッドにいたリディアは、本を読んでいた。

「エッジ…今日もお疲れ様。」
リディアがエッジの頬にキスをした。
「…お前もな。」
エッジはリディアに口づけした。
「んっ、もう…。」
「へへへ…。」

ニタリと笑ったエッジは風呂へと向かった。



「はぁ、エッジ…。」

ベッドに座ったリディアは、自分の体の奥が疼き、体温がじわりと上がるのを感じていた。もうすぐエッジと抱き合うのだから。


本の続きを読もうとしても集中できない。エッジが来るのを待つことにした。




「リディア。」
「エッジ…。」

風呂から上がってきたエッジをリディアの艶かしい笑顔が彼を出迎えた。ベッドに上がり、リディアに笑いかけながら彼女の髪を撫でると、その表情に精悍な忍びの一族の長の表情が緩む。

「っとに可愛いなぁ。もう大人の女だってのにな。」
「そうよ、もう子供じゃないんだからね。」

リディアは軽く唇を尖らせた。月の大戦の時、エッジは最終決戦の前にリディアを子供扱いし、安全のため地上に残らせようとした。あれは彼なりの自分に対する愛情だったのだが、当時はあまり理解できずに苛立ったものだった。あれから10数年が経ち、リディアも成熟した女性となった。故郷のミストもエッジの支えで復興し、そのおかげで今はこうして彼の妻としてエブラーナにいる。

「さみしくねぇか…?」
「えっ?」

そう言ってエッジはリディアを抱き寄せる。

「…クオレに会いたいか?」

エッジの一言にドキッとする。

真月の戦いの際、崩れゆく真月には置いていけないと衝動的に連れて帰ったマイナスの幼少体のクオレ。リディアが引き取ってミストで暮らしていたため、エッジはプロポーズの際、クオレもリディアの家族としてエブラーナへ、と申し出た。しかしリディアがいなくなるミストの守りを盤石なものにするために、幻獣王夫妻の保護下の元、ミストに残ったのだ。

「ん…そうだね、元気にしてるのかな。」
「手紙のやりとりはしてんだよな?」
「うん。」

リディアが俯きながら小さく頷いたのを見たエッジは、優しく微笑んだ。

「…ミストに行くか?」
「えっ?」
「行こうぜ。お前の里帰りだ。」

リディアはエッジの申し出に驚いた。

「でも…エッジ忙しいし…。」
「んなもん何とかなるって。今まで俺がどうやってミストに行ってたと思ってんだ。」

自分を見つめるエッジの真面目な表情に、リディアは息が止まりそうになる。

「…じゃあ、行こうかな。」
「よし、また日を決めようぜ?明日仕事がどうなってるか確認すっからよ、お前もそうしてくれるか?」
「うん…。ありがとうエッジ。」

エッジはにっこりと笑った。
「俺はお前のことなら何でも受け止めたいんだよ。」
「…もう、バカ。」

そう言ってリディアはエッジに抱きついた。

「リディア。」
「ん?」

ちゅっ。

エッジがリディアに口づけした。するとリディアの頬がみるみる赤く染まった。
「もう、エッジ…。」
「へへ。」

本当ならばこの寝室にクオレも居て、3人で仲良く寝ているのだろうが、現実は自分とリディアの2人。エッジはそれはそれで幸せだったが、リディアがどう感じているのかが気がかりだった。無理矢理にでもクオレも連れてくればよかったのかもしれないが、ミストのためにとアスラに言われた手前、それはできなかった。ならばせめて時々クオレに会わせてやろうとエッジは考えたのだった。

「…俺にはこれぐらいしかお前とクオレにしてやれることはねぇからな。」
「…。」

リディアはエッジの気遣いを嬉しいと思いつつも、こうしてエブラーナに来てからも自分の故郷のことで気を遣わせていることを申し訳なく思った。

「エッジ…ありがとう。嬉しいよ。」

にっこり笑うリディアを見て、エッジはそっと彼女を抱き寄せ、柔らかな緑の髪を撫でてやった。2人は口づけを交わすとそのままベッドに倒れ込み、いつものように愛の営みを始めた。






―――数日後


「リディア、そろそろ行くぞ。準備はいいか?」
「うん。」

バロン国王セシルの厚意により、エブラーナに進呈された飛空艇が城の前に準備されていた。2人は飛空艇に乗り込み、エッジが舵を取った。

「よし、離陸するぞ。しっかりつかまっとけ。」

すっかり涼しくなった晩秋の空に飛空艇は舞い上がり、ミストへと航路を取った。




数時間後、エッジとリディアはミストに到着した。


春にここを離れて以来だったリディアは、すっかり秋の色に染まった故郷の景色を見て、感慨深い表情を浮かべた。

(リディア…ここはいつまでもお前の大事な故郷なんだな。)
エッジはリディアの表情をじっと見つめていた。


「…リディア?」
その声に振り向くと、真月の戦いの際、村を守った召喚の力を持つ少女だった。
リディアは駆け寄り、少女を抱き締める。

「久しぶりね!元気だった?」
「うん!今ね、クオレと遊んでたのよ。」

そう言って少女はリディアの手を引いた。するとリディアの姿を見たクオレは走ってリディアに抱きついた。
「クオレ、久しぶりね。元気?」
「元気だぞ。エッジは来ているのか?」

相変わらずの口調だが、エッジへの好意は前と変わらないようだ。
「ふふ、もちろんよ。」
「ようクオレ、しばらくだな。」
「遊んでくれ。」
「よし、分かった。けどその子も一緒にだぞ?」
「分かった。」

召喚の力を持った少女も加わり、3人は仲良く遊び始めた。その姿を見たリディアは、微笑みながら眺めた。

「リディア。」
リディアが振り返ると、そこには幻獣王夫妻がいた。
「幻獣王様、王妃様!お元気でしたか?」

リディアが2人に駆け寄った。
「おおリディア…しばらく見ない間にますます綺麗になったのう。」
「エッジ殿と仲良くやっていますか?皆あなたの幸せを願っていますよ。」

育ての両親と再会し、リディアは嬉しさでいっぱいだった。
「はい、エッジと仲良くやっています。王妃としてはまだまだですが…。」
「なに、焦ることはなかろう。エッジ殿はいいお方じゃ、きっとおぬしのことをしっかり支えてくれるじゃろう。」
「ほんと、いっぱい支えてもらってて…。クオレもみんなも元気そうで何よりです。」
「リディア、ミストの事は何も心配することはありません。あなたは今までこの村のために働いた分、これからは自分の幸せをつかむのですよ。」


幻獣王夫妻と話した後、リディアは久しぶりに会うミストの村人達と会話をし、里帰りを楽しんだ。結婚以来、大きな事件などはなく、いたって平和であることを知ったリディアはただただ安心した。この10数年の間に2度も月による被害を受けたため、平和な生活を送れることがどれだけ幸せであるかを噛みしめた。




時間はあっという間に過ぎ、日が暮れ始めた。もうすぐ晩秋の季節を迎えようとする空の色は、リディアがミストを離れた春と違い、ずっと暗い色だった。

クオレは久しぶりにエッジと目いっぱい遊び、ご満悦の様子だった。
「リディア、今日もエッジといっぱい遊んだぞ。」
「そう、よかったわね。」

娘のようなクオレの頭を撫でてやり、嬉しそうに話すリディア。その姿を見たエッジは胸をなで下ろす。これで少しはリディアとクオレを引き離してしまったことへの償いになっただろうか?ミストの幼い召喚士たちが成長した暁には、クオレをエブラーナへ呼び寄せることもできるかもしれない、エッジはそんな事を考えていた。


「なぁリディア、俺そろそろ帰らねえといけねえんだけど、お前はどうする?」
「えっ…あ、そうね。もういい時間よね。」

それを聞いたクオレはエッジの顔を見上げる。
「エッジ、もう帰るのか?」
「あぁ、一国一城の主は忙しくてな。…リディア、もしよかったら、お前は今晩ミストに泊まったらどうだよ?」

エッジの思いがけない申し出に、リディアは驚く。
「え?そんな…私も帰るわよ!」
「せっかくだしクオレともっと話したらどうだよ?次いつ来れるか分かんねぇんだし。何なら明日また迎えに来てやるぜ?」

リディアは心が揺れた。そうしたいところだが、自分はエブラーナの王妃。いくら国王である夫が許してくれるとはいえ、自分の故郷で油を売るなど許されないだろう。



「ううん、帰る!だって仕事あるもん。」
「…いいのかよ?」
「うん…。クオレ、ごめんね。私、もう帰らないといけないの。」

相変わらず表情は変わらないが、クオレは何か考えている様子だった。
「…リディア、またエッジと一緒に来てくれ。」
「うん。また来るわ。」


そこへ一人の女性がやって来た。外部から召喚魔法を習いに来ているというアリッサだった。
「アリッサ!」
「リディア、引きとめちゃってごめんね。クオレ、もう暗いんだから家に帰りなさい。」
「分かった。」

リディアは自分がミストを去った後も、クオレがどうしているか気がかりだったが、こうして自分の代わりに誰かがクオレの面倒を見てくれているのを見るとそんな気持ちも和らいだ。

「リディア、元気そうで何よりだわ。また来てね。」
「えぇ。そういえばもう幻獣王様と召喚の契約を交わしたのよね?すごいじゃない!」
「いえいえ、おまけしてもらえたのよ。」
そう言って笑うアリッサ。彼女もまた、ミストにとっての大きな希望であった。

新しい召喚士が確実に育っている。故郷の復興のために働いてきたリディアにしたら、自分の手から離れていってしまうのが少しばかりさみしい気もした。

「リディア…帰るか?」
エッジが声を掛けるとリディアは頷いた。エッジとリディアが帰ろうとすると、幻獣王夫妻やミストの村人達も見送りにやって来た。

「リディア、気を付けてね!」
「またいつでも来てね。」

変わらない温かな故郷の人々の言葉に、リディアは胸が熱くなる。

「みんな、今日はありがとう!また来るわ。クオレ…元気でね。」
「うむ。エッジも来てくれ。」
「ありがとな、クオレ。」
エッジは笑顔で答えた。



エッジとリディアは飛空艇に乗り、ミストを後にした。

名残惜しそうな表情で甲板に佇むリディアを見たエッジはどう言葉をかけてよいか考えた。するとリディアがエッジの隣にやって来た。
「エッジ、今日はありがとう。すごく楽しかったわ。」
「…そうか、ならよかった。」

自分のことを気遣い、里帰りを申し出てくれたエッジ。月の大戦後はミストの復興という自分の望みのために支援をしてくれ、真月の戦いの時は封印されてしまった幻獣達を憂うリディアを励まし、そして結婚した今でも自分の意思を汲み、尊重してくれる。クオレとは離ればなれになってしまったものの、リディアはもう数えきれないぐらいの幸せをエッジからもらっている。少し冷たいぐらいの夕暮れ時の秋の風に吹かれながら、今自分がこうしていられるのは、まぎれもなくエッジのおかげだとリディアが思っていると―――


「リディア。」
「ん?」
「また…ミストに行こうな。」

笑顔でそう言うエッジを見たリディアは、満面の笑みで頷いたのだった。


―完―

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2014
04.10

ちょっと反省…。

先月から、エッジとリディアのTA後の妄想を吐き出すためにこのブログを立ち上げ、いくつか作品を載せてみたのですが…。ちょっと反省と言うか、とある方のエジリディTA後のSS(エッジとリディアが結婚し、クオレもエブラーナへ行く)を読んで、自分の発想がいかに浅くて稚拙かということを痛感しまして…。

私はエッジとリディアが結婚する際、クオレもエブラーナへ行き、3人で仲良く暮らす、というパターンのストーリーも考えたのですが、それなら他の人も思い付くだろうし、違う方向に持っていきたいという考えから、かつてのミストの村の悲劇や、エンディングでの幻獣王夫妻のクオレに対する反応、まだ新しい召喚士達も幼いという観点から、エッジにはリディアと結婚するからにはクオレも引き取るという覚悟がありながらも、リディアがエブラーナへ行くならクオレがミストに残って守りを固める…という流れにしました。


ですが、リディアとクオレは家族なんですよね…。その方のストーリーは、エッジもリディアもクオレという家族ができたがために、自分達の関係を今後どうするべきなのか悩み、そしてお互いにその事をなかなか言い出せず、時間をかけて少しずつ道を見出して、セシルとローザ、ヤンとシーラの様に夫婦になってから子供をもつ、という所謂普通の家族ではなく、最終的には新しい形の家族として3人で暮らす道を選ぶという内容でした。それが非常に深くて、エッジとリディアの細やかな心の描写がとても素敵だったんです。それを読んでいると、自分の発想があまりに単純過ぎて情けなく思ってしまったわけです…。しかもエロ多めだし(苦笑)

私がエンディングを見る限りでは、クオレはよりエッジとリディアの距離を縮めたのは間違いないにしろ、リディアはクオレを我が子同然に育てている、というよりも真月には置いていけないという衝動的な気持ちで連れて帰って、ミストの村にいる子供達と同様に愛でている様な感じに見えたので、一緒に暮らすようになり、そこまで深い、無償の愛を注いでいたのかはちょっと判断しかねたんですが、その方の感受性というか、深い視点に感銘を受け、こうして反省しております。

いっそのことTAの続編が出て、公式でエッジとリディアのその後がはっきりすれば、こんなに考え込むこともないのに~!!もちろん結婚しているといるということでお願いしたいですが(^^)

続編、もう出ないかなぁ…。


色んな方の、色んなストーリーがあるエジリディは奥が深いですね。くだらない日記になっちゃいましたが、読んで下さった方、本当にありがとうございます。そして私のエジリディSSに拍手を下さった方、ありがとうございます。とっても嬉しかったです!

これからも稚拙で浅はかな私のエジリディSSで良ければ読んでやって下さいね~( ´ ▽ ` )ノ





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2014
04.08

「誓い」 あとがき

Category: あとがき
「誓い」、いかがでしたでしょうか?

ベタな感じの話ですが、たまにはまともな話も書いてみたいなと思いまして(笑)

iPhoneでTAをプレーした時、エッジの両親の墓はエブラーナの洞窟の中にあって、墓参りも一苦労だなぁ…と思ったのを思い出し、今回のストーリーの核が浮かび上がったんです。それでもって、エッジは何でも1人で抱えちゃうし、自分の事でリディアには気を遣わせたくないところが見受けられるし、そのへんを取り入れました。

自分の死後なんて、縁起が悪いという方もいらっしゃるでしょうが、私は昨年、家族を失う危機を体験し、もし最悪の事態になった場合、残された者として今後どうしていくべきかを真剣に考えました。幸い今は元気にしていますが、生きていても死んだとしても、家族として心は一緒にいることって、自分も相手もすごく幸せなことなんだって実感しました。書き終わってから振り返ると、そのへんが今回のストーリーに反映されたのかなぁと思いました。


っと、つらつらと暗い話ですいません…。また新しい話が出来上がってきてるので、その内アップします!

ではでは(^-^)
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2014
04.05

「誓い」

TA後のエジリディss第4弾です。今回はほのぼの系ですよ(^^)







「誓い」



久しぶりに行ってくるか―――



「じい。」
「はっ、お館様。」
「ちっと墓参り行ってくるわ。決裁が必要なもんは、机の上に置いといてくれ。」
「かしこまりました。…奥方様も御一緒に行かれるのですか?」
「いや、俺1人でいい。場所が場所だからな。」
「そうですか…。ではお気を付けて。」


月の大戦の折、エブラ―ナを襲撃したルビカンテの部下・ルゲイエによって魔物に改造されたエッジの両親。エッジは彼らを苦しみから救うため、自らの手で両親の命を絶った。


あれから10数年が経ち、エブラ―ナは復興し、真月の戦いの際はイフリ―トの襲撃を受けたものの、エッジとリディアの活躍によって大事には至らなかった。現国王であるエッジの元、エブラ―ナは先王の時代よりも着実に発展している。エッジはどんなに自国が栄えても、自分を育ててくれた両親への感謝の気持ちと失った悲しみを忘れたことはなく、王となった今でも、墓参りを欠かさなかった。


エッジは墓のあるエブラ―ナの洞窟に行くため、部屋に戻って黒装束を身に付け、愛用の刀2本を腰に付けた。平和になったとはいえ、洞窟内はモンスタ―がいる。

「さてと、行ってくるか。」

エッジは城の出口へと向かった。すると城門には…

「エッジ~、お散歩行くんなら私も連れてってほしいな~。」

妻リディアが待っていた。
「わっ、リディア!」
エッジは思わず飛び上がってしまった。

何やらリディアは不満げな顔をしている。
「…何だよ?」
「何だよじゃないわよ。どうして1人で行くの?」
「…危ねぇからだよ。」
「危ないんならなおさら1人で行っちゃダメじゃない…。」

エッジは頭を掻いた。
「言っとくけど、ただの散歩じゃね―ぞ?エブラ―ナの洞窟に行くんだぞ?」
「…ご両親のお墓参りでしょ?」
(じいや…俺1人で行くって言ったじゃねぇか…。)

「エッジ?」
「ん?あぁ、そうだぜ。」
「…私も行く。」
「いや、だからエブラ―ナの洞窟に行くから危ないって―の!」

そう言われたリディアの瞳は潤み出した。
「何でそんなに私のこと足手まといのように扱うの?私だってモンスタ―と戦えるのに…。」
「…だから、その…。」

エッジは自分の両親のことだからと、リディアに気を遣わせたくないのだ。しかも墓はモンスタ―の巣食う場所にあるため、大事なリディアに怪我などさせたくない。

「エッジのご両親は、今は私の両親でもあるのよ。エッジは私のお母さんのお墓参り、何度もしてるのに、私はエッジのお父さんとお母さんのお墓参り行っちゃダメなの?」

エッジはもう言い返せなかった。リディアはこうと決めたら聞かない性格なのを知っているからだ。

「ん―、分かったよ。じゃあ一緒に行こう。」
リディアはぱっと笑顔になった。
「やったぁ、嬉しいな!」
「…その代わり、俺から絶対離れるなよ?モンスタ―がいるんだからな。」
「うん、離れないよ…。」

(おぉ…。)

リディアはそう言って、エッジの腕にぴったりとくっついた。こういう行動がエッジをドキドキさせる事を自覚していないあたりが小悪魔である。

「行くぞ?」
「うん。」



2人はエブラ―ナの洞窟に着いた。薄暗い道を警戒しながら奥へと進んで行く。すると…

「…!!」
「…出たな。」

不死系のモンスタ―がウヨウヨと現れた。リディアがファイラの詠唱に入ろうとした時、
「リディア、下がってろ。」
「え?」

「……火炎陣!!!」

エッジが放った大きな炎がモンスタ―達を包み込み、あっという間に焼き尽くした。

「ど―だ、すげえだろ?」
エッジが得意気にリディアを見た。
「…うん。」
「お?認めるのか?」
「だって詠唱の時間が黒魔法よりもずっと短いのに、この威力なんだもん…。エッジ、すごいね。」

リディアに素直に褒められて、エッジは複雑だった。以前なら調子に乗るなこのバカと一蹴されていたというのに。

「ん―…何かお前にそう言われると調子狂うなぁ。」
「何で?褒めちゃいけなかった?」
「いや、そうじゃねぇけどよ。いつもならバカって言われてたなぁと思って。」

そう言われたリディアは、ほんのり頬を赤らめた。真月の戦いの時からエッジの忍者としての実力、そして一国の王としての器の大きさを目の当たりにして、リディアはエッジをますます慕うようになったのだから。

「だって、本当にすごいんだもん。エッジ何でもできるし、それに…。」
「それに?」
「…恥ずかしいから言わない。」
「な、なんだよ。」
「いいじゃない。ほら、行こうよ。」


その後もモンスタ―達が襲ってきたが、エッジの素早い応戦で、リディアの出る幕はなかった。
(エッジ…すごいな…。)


そしてしばらく進むと―――


「ほら、着いたぞ。ここだ。」

蝋燭にうっすら照らされた大きめの空洞に、墓標があった。2人は墓標の前に行って跪き、手を合わせた。

(親父、おふくろ…俺は元気にやってるからな。どうかこれからも見守っていてくれ。)

エッジは心の中で両親に話しかけた。リディアはずっとその姿を見ていた。
(エッジ…。あんな形でご両親亡くしたんだし、本当に辛かったよね。)

リディアは同じ親を亡くした者として、両親を自らの手で討ったエッジの姿を鮮明に覚えていた。どんなに時間が経ち、親を失った悲しみは小さくなることはあっても消えることはない。リディアはそれが痛いほど分かるだけに、エッジに寄り添いたい気持ちになる。

「親父、おふくろ…。」
エッジが声に出して両親に話しかけ始めた。
「こいつは俺の妻のリディアだ。月の大戦の時からずっと好きで好きで堪らなくて、最近やっと結婚したんだ。こいつのおかげで俺は今、すげぇ幸せに暮らしてる。親父とおふくろが仲良くしてたように、俺はリディアと死ぬまで仲良くしたいと思ってる。だからどうか、俺たちの事を見守っていてくれよ…。」

そう言って、再びエッジは墓標に手を合わせた。
「エッジ…。」
リディアはエッジの言葉に胸がきゅっとなり、頬はみるみる真っ赤になった。それを見たエッジはふっと笑う。
「まだお前を正式に親父とおふくろに紹介してなかったからな。」
「そうだったね…。もう、エッジったらあんな大げさに言って…。」
そう言って、恥ずかしそうな顔をするリディア。

「大げさじゃねぇぞ?あれは俺の本心だからな。」
「…バカ。」
「いいじゃねぇか…。」
「ふふ…。ねぇ、エッジ?」
「あ?」
「どうしてここにお墓作ったの?もっと陽のあたる、あったかい場所があるのに…。」

「…親父とおふくろは、生前から影に生きる忍びの一族として、自分達が死んだら影となる場所に墓を作って欲しいって言ってたんだよ。俺はお前の言うように、陽のあたる場所に作ってやりたいと思ったけど、2人の遺志は無下にできねぇと思ってさ。だからここに作ったってわけよ。」

リディアは神妙な面持ちで頷いた。死後も忍びとしての道を選んだエッジの両親。それにはただただ敬服するしかなかった。

「エッジは…もし死んだら、お父さんやお母さんと同じように、この洞窟の中にお墓作って欲しい?」
「う―ん、まだ全然考えてねぇけど…俺はお天道様が好きだし、陽のあたる場所がいいかな。あんまり忍びらしくねぇけど。」
エッジは苦笑した。

「そっかぁ…。」
「…何だよ?もう俺が死んだ後のこと考えてんのか?」
エッジが軽く笑いながら言った。

「ううん、どうなのかなって思って。」
「ふ―ん。お前は?」
「え?」
「お前はもし自分が死んだら、どこに墓作って欲しいんだ?」
エッジにそう聞かれると、リディアは胸がドキドキしてきた。
「あ、えっと…私はね…。」
「やっぱり、ミストか?」
「ううん…あの…。」
「?」




「エッジと一緒なら…どこでもいいよ…?」



もじもじとしながら紡ぎ出されたリディアの答えに、エッジは胸を撃ち抜かれたような気持ちになり、精悍な顔がみるみる緩んでいった。

「そ、それは…あの世に行っても俺と夫婦でいてくれるってことか…?」
エッジにそう言われて、リディアはコクリと頷いた。エッジはリディアの手を握る。

「ありがとな、リディア…。」
「うふふ。…エッジこそ、天国に行っても、私の旦那さんでいてね?」
「…当たり前だ。」

2人は再び墓標に手を合わせた。

(エッジのお父さん、お母さん、私はエッジと結婚できてすごく幸せです。お2人のように、これからもずっと仲良くしていきます。どうか見守っていて下さい。)

リディアは義両親に、心の中でそう話しかけた。これから自分はエッジの妻として、彼に寄り添って生きていくんだという思いが湧き上がってきた。

「リディア、そろそろ帰るか?仕事しなきゃな。」
「うん。」

リディアはエッジにぴったりとくっついた。
「ったく、お前は甘えん坊だな。」
リディアの頬をエッジが指でつつく。

「…エッジが離れるなって言ったんじゃない。」

「…そうだな。じゃ行くぞ?」
「うん!」

2人は洞窟の出口に向かって歩き出した。



亡き両親の前で、永遠に夫婦でいると誓ったエッジとリディア。この先何があるか分からない。それでもこの人となら一緒にいたい、その想いが2人の中にある限り、エブラ―ナ王国の平安は守られるだろう。


―完―

















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