2014
06.26

「Hydrangeas at Dusk」 あとがき

Category: あとがき
季節ものエジリディSS第3弾、いかがだったでしょうか?このシリーズ、ほのぼのラブラブをコンセプトにしてるんですけど、かなりねちゃねちゃラブラブな方向に走っちゃったなぁと書いた後で感じました(笑)


ちなみに今回のストーリーのモデルになったのは、京都の宇治市にある三室戸寺です。紫陽花と蓮で全国的に有名なようですね(^^)ハート型に咲く紫陽花があるって、いつか新聞に載ったりもしてました。私は数年前に1度行ったことがあり、先週友人を誘って行ってきました。すーっごく見応えありますよ!


そしてJR宇治駅から徒歩2分程のところには、宇治抹茶スイーツの有名なお店もあります。また別記事に日記として写真などをUPするので、良かったら京都観光の際の参考になさって下さい*\(^o^)/*


それでは、またのご来訪をお待ちしています( ´ ▽ ` )ノ
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2014
06.26

「Hydrangeas at Dusk」

最近ちょっとバタバタとしていたんですが、何とか出来上がりました!!今月の季節ものエジリディです♡



「Hydrangeas at Dusk」





6月のエブラーナは梅雨入りし、雨の降る日が続いていた。雨のおかげで先月までの暑さは和らいでいるものの、この島国ならではの雨季という自然現象の中、エブラーナ城外に出て気分転換もあまりすることができず、リディアは執務室の窓から外を眺めては小さくため息をついていた。

(エッジ…きっとびしょ濡れで帰って来るだろうな。)

夫は今朝からこの国の食生活を支える米農家達の元を訪れている。以前梅雨にあまり雨が降らなかったがために米が育たず、食生活にも税収にも多大な影響が出て王族も国民も皆苦しい生活を強いられたことがあり、それ以来エッジはこの時期になると彼らの元を訪ねて生育状況を確認したり、労いの言葉をかけに行くのが習慣となっていた。

国王でありながらそのフットワークの軽さで一般国民との関わりを大事にするエッジ。エブラーナがどんなに栄えようともその伝統は失いたくない、いつだったか夫がそう言っていたことを思い出す。リディアはエッジのそんな情に厚いところが大好きだった。




数時間後…




夕方近くになり、雨は上がっていた。雨に濡れて帰ってくるであろう夫のために寝室で着替えとタオルを用意していると、ドアが開く音がした。


「ふ~、何で城近くまで帰ってきた時に雨が上がるんだか。」
「エッジ!お帰りなさい。」

用意していたタオルをびしょ濡れの夫に渡すリディア。

「おぅ、ただいま。ありがとな。」

渡されたタオルでゴシゴシと頭を拭いていると、リディアが着替えを差し出してきた。

「はい、着替え用意しておいたわよ。」
「そうか…ありがとな。気の利く嫁さんをもつと幸せだな~。」

エッジは着ていたびしょ濡れの服をあっという間に脱ぎ、下着姿になったため、リディアは思わず目を逸らす。

「ちょっ…何で一気に脱ぐのよっ!」
「あ?お前が着替え渡したからじゃねぇか。」

リディアが恥ずかしそうにする姿が可愛くて、エッジの中に悪戯心が湧いてくる。

「ほらほら、パンツ一丁マンがやって来たぞ~。」
「いやっ…!早く服着てよっ!!」

下着姿でニヤニヤしながらリディアに近付くエッジ。夫の悪戯に目を背けていると、何やらごそごそと布が擦れる音がした。服を着たのかと視線を戻すと…

「ハッハッハ、全裸マンにクラスチェーンジ!!」
「もうっ、エッジのバカッ!!!」

堂々と腰に手を当てた全裸のエッジに目を向けていられず、真っ赤な顔のリディアは背を向けた。

「リディア、こっち見ろよ~。」
「いやっ!!」

背を向けたままのリディアが可愛くてますます悪戯心が高ぶり、背後から抱きついた。普段は威厳のある国王のエッジだが、リディアが相手となるとすっかりリラックスしてエロ忍者ぶりか遺憾無く発揮される。

「つかまえたぞ~、ぐふふふふ。」
「もうっ、離してっ!早く服着てよっ!!」
「そんな嫌がるなよ~。雨も上がったことだし、デートに誘ってやろうと思ってたのによ。」
「へ…?」

リディアがエッジの方を向くと、優しい笑顔。

「紫陽花見に行かねぇか?たくさん咲いてる場所があるんだ。」
「そ、そうなの…?」
「おぅ。こっから歩いて行ける距離にあるからよ、どうかと思ったんだ。」

思いがけない誘いに、リディアの胸が高鳴った。雨も上がったことだし、外出するにはいいタイミングである。

「うん…行きたい。」
「そうか、なら今から行こうぜ!」

エッジは満面の笑みだが、何やらリディアが俯いている。

「リディア?」
「…行くから、早く服着てよ…。」
「もう着ていいのか?ほら、後悔しないようにしっかり見ておけよ。」
「バカッ!!!」






*****





「お、すっかり晴れたなぁ。」

服を着たエッジはリディアと手をつなぎ、エブラーナ城の門に続く屋外の通路から日が傾きつつある空を眺めていた。

「ふふ、雨上がりって、何か清々しいわね。」

雨でどんよりとしていた空気も夕暮れ近い太陽の光で澄み渡り、城壁から滴る雨水の雫はそれを反射してキラキラと光っていた。雨が降っている間は気分がどんよりするものの、晴れた時の爽やかさを感じると雨も悪くないものだ。





城から雨に濡れた道を歩いていくと、立派な寺の門が見えてきた。

「ここだぜ。毎年すげぇたくさんの紫陽花が咲くから皆ここに来るんだ。」

エッジの言う通り、2人の周りには雨上がりを見計らってやってきた多くのエブラーナ国民達。エッジがリディアの手を引いて門をくぐり、坂道を登って本堂の近くまで来た2人の眼下には、見渡す限りの紫陽花園だった。

「わぁ…すごい!たくさん咲いてるわね!」
「だろ?梅雨の時期はお前をエブラーナに連れてきたことなかったし、今年は絶対連れていってやろうと思ってたんだぞ?」
「そうかぁ、そうだったよね…。」

雨がひどいとエブラーナ上空を飛空挺で飛ぶのは危険な上、エッジの仕事の都合と天気のいい日はそうそううまく合致するものではなかったため、梅雨の時期はいつもエッジの方からリディアに会いに行くのがお決まりだった。


「エッジはいつも『この時期はエブラーナじゃ雨が多くて飛空挺乗るのは危ないから俺がここに来る!』って言って、ミストに来てくれてたよね…。」
「そうだぞ?俺がどんだけお前のために気を遣ったと思ってんだ。」
「うん…ごめんね。」

リディアはエッジの腕にきゅっとつかまって身を寄せ、長い間甘えさせてくれた夫への想いに瞳を潤ませながら上目遣いで彼を見つめた。

「…そんな顔すんじゃねぇよ。」
「だって…。」

見つめ合う2人の頬はほんのり赤らみ、エッジの指がリディアの色白の滑らかな頬をそっとなぞった。そのままゆっくりと唇同士の距離が縮まっていくと―――




「きゃー!お館様とリディア様がチューしようとしてるー!!!」

現場を見ていた幼い少女の声で、紫陽花を見に来ている国民達が自分達に注目していることに気付いたエブラーナ国王夫妻の顔は真っ赤だった。

「こらっ!大声出すんじゃありません!…お館様、リディア様、お邪魔しちゃってすいません、ほほほほ…。」

母親がさぁ続きをどうぞと言わんばかりの態度で少女の手を引いていった。国民達はエッジとリディアが熱々なのを知っているため、2人が仲良くしているのを微笑ましく見守っていたが、さすがに恥ずかしくて身体を離して気まずそうにする。

「あー…悪りぃ、リディア。」
「う、ううん…私こそ…。」

少しの間身体を離していたが、2人の手は徐々に近付き、自然に指と指が触れ合い、ゆっくりと絡み合う。

「んじゃ…行こうか?」
「うん…。」

しっかりと手を繋いだ2人は石段を下り、紫陽花園に足を踏み入れた。

「…きれいね。」
「おぅ、きれいだな。…けどよ、よく考えたらミストにも紫陽花咲いてたし、お前にしたらそんなに目新しくはねぇかもな。」

何と無く決まりが悪そうな表情のエッジは頭を掻いていたが、リディアは満面の笑みだった。

「ううん。ミストにも紫陽花は咲いてたけど、ピンクや紫っぽいのがほとんどだったから、こんなにたくさんの青い紫陽花見るの初めてよ?」
「あ、そうだっけ?なら良かった。」

この花のような可愛らしい笑顔が自分を虜にしているのを、理解していない様子がエッジにはまた愛らしい。

(くそ~、ドキドキさせやがって…。)

自然とリディアの手を握る力が強くなり、透き通るような翡翠色の瞳が不思議そうにこちらを見つめてくる。

「エッジ…そんなに強く握らないで。ちょっと痛い…。」
「…お前が悪いんじゃねぇか。」

リディアはエッジの言っている意味が分からず、怪訝な顔をするが、その顔がまた愛らしい。

「お前は本当に反則ばっかだな。」
「…何が反則なのよ?」

はぁ、と溜息をつきながら呆れた顔でリディアを見ると彼女はますます意味が分からず、何となく不機嫌な表情である。

「私…何か悪い事した?」
「いや、何も。」
「…意味分かんない。」

顔を背けて少し頬を膨らませるその姿は、エッジのお気に入りの表情。指でそっとその色白の頬をつつくと、リディアはピクッと反応して大きな目をぱちぱちとさせながら夫を見つめる。

「…やっぱりお前は卑怯な女だよな。そんな可愛いことして、俺がどんなにドキドキしてるのか分かってんのか?」
「そんなの、分かんないわよ…それより紫陽花見ましょうよ。」

深い色の目にじっと見つめられたリディアは恥ずかしくて思わず顔を背け、紫陽花に視線を移す。
エッジはやれやれといった表情で妻の手を握っていた力を緩めた。



2人を囲む雨上がりの紫陽花は雨水の雫に濡れ、活き活きと咲いていた。白から橙色に変わりつつある太陽の光がその雫をキラキラとさせ、見る者の目を惹きつける。青色の紫陽花は緑の葉との組み合わせが何とも涼し気で、自分の故郷ではあまり見かけないその色彩の美しさにリディアはすっかり見入っていた。

「何か心が落ち着く色合いね。ピンクや紫もいいけど、青の紫陽花って爽やかだわ。」
「だろ?紫陽花といえば青なんだ。雨が多くてじっとりする季節はこういう爽やかな色を見て楽しまねぇとな。」

自国ならではの美を誇らし気に語る夫。そうね、と頷きながら話を聞いてやるリディアの顔はニコニコしている。


「お館様、リディア様、本日はお足元の悪い中をかような場所まで足を運んでいただいてありがとうございます。」

紫陽花を見ている2人の元に、寺の住職が挨拶にやってきた。

「よう、今年も大人気じゃねぇか。」
「えぇ、お陰様で。そういえばお館様、ハート型に咲く紫陽花はもう見つけられましたかな?」
「ハート型?そんな紫陽花あんのかよ?」
「はい。何年も前に咲いているのが見つかって以来、それを見つけたカップルはずっと仲良しでいられるという言い伝えができたんですよ。」
「そうなの?見つけたいな…。」

話を聞いていたリディアの目が輝き出し、エッジをじっと見つめた。

「ったく、女はすぐそういうのに乗るよなぁ。んなもん見つけなくったって、俺はお前一筋だってのによ。」
「いいじゃない!そういうのも楽しみたいの!ねぇ、どの辺りに咲いてるの?」
「はっはっは、それは秘密にございます。どうぞお館様とご一緒に見つけて下さいませ。」

住職は笑顔でそう言うと、その場を去っていった。

「さ、リディア行くぞ。」
「もうっ、待ってよぉ!ハート型の紫陽花見つけたいからゆっくり見たいのっ!」
「はいはい、そうですか。」

リディアは夫の素っ気ない返事にムッとし、繋いでいた手を離すと紫陽花園の中をゆっくりと歩きながらハート型の紫陽花を探し始めた。エッジはリディアのペースに合わせ、両手を頭の後ろで組みながら彼女の後ろからついて行くように歩いていった。

「ん~、ないなぁ…。どこにあるのかしら。」

真剣にハート型の紫陽花を探す妻の姿を呆れ顔で眺めるエッジ。彼としてはリディアと手を繋いで一緒に紫陽花を愛でたいのに、彼女は最早それどころじゃないようである。

「なぁリディア、そんなに必死になることねぇじゃねぇか。」
「え~、だって見つけたいんだもん。ねぇ、エッジはそっち探してよ。」
「へいへい…。」

適当に返事をして紫陽花を眺めるエッジ。すると彼の目に留まったのは…

「!おい、リディア!」
「え、見つけたの!?」

嬉しそうに駆け寄るリディアの目の前には…

「ほら、見てみろよ。こんなでけぇナメクジ珍しくねぇか?」
「…。」

ニヤニヤする夫を無視し、リディアはハート型紫陽花を再び探し始めた。

「何だよ、そんな怒るなよ~。」

これからも仲良くしたいからハート型の紫陽花を見つけたいという女心を理解していない夫の悪ふざけに腹を立てたリディアは、彼の呼びかけに知らん顔を決め込んだ。

エッジが後ろからゆっくりと近づき、そっとリディアの細い肩を抱いてやると、華奢な身体はピクリとした。

「…そんなにハート型の紫陽花見つけてぇのか?」

囁くように尋ねてくる、いつもより低めで、甘いようなエッジの声。思わず身を少し竦めると、俯き気味にコクリと頷くリディア。

「…だって、エッジとずっと仲良しでいたいもん。」
「ん…そうか。」

自分とずっと良好な関係でいたい、10年以上も想い続けた愛しの女性にそう言われては、エッジの頬は赤くなる以外なかった。

「じゃあ、一緒に探すか。」
「うん!」



2人は手を繋ぎ、一緒にハート型の紫陽花を探した。







「んー…見つからないなぁ。」

紫陽花園の半分ほどを探したものの、ハート型の紫陽花は見つからない。リディアはやや元気がなくなった様子で、エッジの肩にもたれかかった。

「ちょっと休憩しねぇか?そこに茶店があるしよ。」
「うん…。」

2人は紫陽花園の中にある、簡易喫茶へと入った。そこは紫陽花を見に来た国民達で賑わっている。

「これはお館様に奥方様!いらっしゃいませ。」
「あれ?ダンカン、お前ここに店出してたのか?」

昼間訪れた米農家の主人に出迎えられ、エッジは目を丸くした。

「そうなんですよ!うちと緑茶農家の共同で特別なエブラーナ菓子を作ってましてね、この場を借りて売り出しをさせてもらってるんですよ。さぁさぁこちらへお掛け下さいませ!」
「へぇ、そりゃまた。どんな菓子なんだ?」
「はい、すぐにお持ちいたします!」

そう言ってテーブルに並んで座った2人にダンカンが出してきたのは、涼しげな透明の硝子の器に盛られた白玉団子と粒餡が乗せられた緑茶色をしたアイスクリームだった。

「これ…アイスクリーム?緑色なんて初めて見たわ。」

リディアの言葉を聞いたダンカンは笑顔で説明し始める。

「奥方様、これは粉末の緑茶を混ぜて作った、抹茶アイスクリームでございます。アイスクリームの甘さと抹茶の苦味の組み合わせが絶妙で、今年この紫陽花園で出店してからずっと若い女性を中心に大人気なんです!その白玉団子はうちで作った米を原料にした米粉で作ってあるので、白玉粉で作ったものよりもずっとコシがあって美味ですよ!」
「へぇ…じゃあいただくわね。」

リディアが抹茶アイスクリームと白玉団子をぱくりと食べると…

「美味しい!」

さっきまで少し疲れた顔をしていたのに、特別な菓子の甘さにあっという間に満面の笑みを浮かべたリディア。愛らしいその姿に、エッジの表情はみるみる緩む。するとそれを見たダンカンがクスクスと笑い出した。

「お館様、またそのような締まりのないお顔をなさって…。」
「あ?」
「昼間うちに来た時、奥方様の話になった途端同じ顔をなさってたではないですか。」
「え?」

ダンカンの話を聞いたリディアがエッジの方を見ると、彼は顔を背けた。

「昼間お館様がうちに来た時、私が奥方様はお元気ですかと尋ねただけなのに、お館様は笑顔で奥方様の自慢話を始められましてねぇ。挙げ句の果てに『うちの嫁は世界一いい女だ!』と仰ってたんですよ。」
「ダンカン!余計なこと言うんじゃねぇ!!」

エッジの顔は真っ赤だった。国王だというのに、リディアの事となると威厳も何もない弄られキャラと化す夫。

「んもぅ、エッジのバカ…。」

頬を赤く染めて食べかけの抹茶アイスクリームの硝子の器を持ったままもじもじとするリディア。

「はっはっは、これは余計な事を申しましたかな?ではお2人とも、どうぞごゆっくり。」

笑顔で仕事に戻るダンカンを見届け、2人が顔を見合わせると、相手の真っ赤な頬がそれぞれの目に映る。どう会話を始めたら良いのか分からず、お互い口をもごもごとさせた。

「ん…エッジ。」
「へ?」
「ダンカンが言ってたの、本当なの…?」
「…おぅ。」


リディアの顔はすっかり火照り、今にも火が出そうなくらいに赤くなっていった。



「…ダメだったのかよ?」
「ダメじゃないけど…恥ずかしいよ…。」

エッジが頭を掻きながら言葉を選んでいると、リディアの色白で華奢な手がそっとエッジの手に触れた。その手がきゅっと彼の大きな手を握ったので、エッジの深い色の瞳はリディアの翡翠色の瞳を見つめた。



何も言葉を交わさずとも、お互いへの想いが手の温もりと見つめ合う瞳から伝わり合っているような気持ちになり、目を閉じた2人の唇の距離がぐんぐん縮まっていくと―――



「あ!お館様とリディア様がまたチューしようとしてるー!」

さっきと同じ少女の声が響き、我に帰りとっさに身体を離す国王夫妻。またしても周りの国民達は微笑ましそうに2人のことを眺めていた。

「これっ!こっちに来なさい。お館様、リディア様、本当に邪魔ばっかりしてしまって…ほほほほ。」

少女の母親は今回もさぁ続けて下さいと言わんばかりの態度だった。


「あ、いや…その…あぁ…リディア、すまねぇ。」
「ううん、ごめんね…皆見てるのに。」

2人はしばし無言になり、出された抹茶スイーツを平らげる。エッジが食べ終わった硝子の器をテーブルの上に置くと、同時にリディアが自分の器を置く音と重なった。

「あ。」

2人の声まで重なり、自然に笑いがこみ上げてくる。

「ははは。」
「ふふふ。」

笑顔で見つめ合うと、離れていた手と手がそっと触れ合い、2人の体温がゆるりと溶け合っていった。心地良い温もりがエッジとリディアの身体を包み込み、自然と頬が紅潮する。

「美味しかったね。」
「おぅ。リディア…そろそろ行くか?」
「うん。」

椅子から立ち上がり、代金を払うと、2人はまたハート型の紫陽花を探すべく歩き出した。

「ハート型の紫陽花、見つけたいなぁ…。」
「ん、そうだな。まだこっちにたくさん咲いてるし、ありそうだけどな。」
「うん!」







*****



「あーぁ、見つからなかったなぁ…。」

結局ハート型の紫陽花を見つけられずに紫陽花園を後にしたリディアは、夕暮れ時の空の下でガッカリした様子で呟いた。

「そんなガッカリすんなよ。来年また行こうぜ?」
「うん…。」

エッジが歩きながらリディアの肩を抱いてやると、まだ赤みの残る空の光に染まる緑のふわふわとした長い髪がエッジの肩にかかってきた。エブラーナ城に近付いてきても、リディアはまだ浮かない顔をしている。

「…そんなに見つけたかったのか?」
「…うん。」
「ったく、しょうがねぇなぁ…。」

呆れた様子でそう言うエッジは、自分の懐から何やら取り出した。リディアの目に入ったのは…

「…!!エッジ、これは…!」

エッジの手には、昼間の明かりが無くても明らかにそれだと分かる、ハート型に咲く紫陽花。

それを手に持たされたリディアは、一瞬、驚きで思考が止まってしまった。

「エッジ…見つけてたの?いつの間に…。」
「…あのでかいナメクジの横に咲いてたんだよ。」




―――興味なさそうにしてたのに、本当は私の気持ち、ちゃんと汲んでくれてたんだね


どうしよう

嬉しくて胸がドキドキして、苦しいよ―――





速まる鼓動を落ち着かせようと、胸に手を当てるリディアは少し俯き、この気持ちをどうしたらいいか必死に思案していると、エッジの腕が優しくリディアを包み込む。

「…!エッジ…。」

黄昏時の空の色を背景にするエッジの顔を見上げると、薄暗い中でもふわりと温もりを醸し出すその表情はとても穏やかで優しくて、リディアの全てを受け入れてくれるような、そんな安心感を漂わせていた。

「…ありがとう。」

エッジの胸に思わず顔を埋めてそこに頬をすりすりさせると、彼の匂いと体温が心地良くって、リディアの顔が綻ぶ。

「何やってんだよ~、お前犬か猫みてぇだな。」
「だって、あったかくていい匂いがするから…。」

エッジのふっと笑う声がしたかと思うと、彼の大きな手がリディアの柔らかな髪を撫でる。ハート型の紫陽花の茎を握りしめたまま、ぎゅっと彼の背中にしがみつく。今の自分の気持ちをどう言葉に置き換えれば伝えられるのか分からなくて、ひたすらエッジの温もりに身を寄せた。



どんなわがまま言っても、優しく応えてくれるあなた

これからもずーっと、私と仲良くしてね?


寄り添って咲く、紫陽花のように―――





「…これで、俺とお前はずっと仲良しだな?」

エッジの問いかけにはっと顔を上げると、さっきと変わらない、優しい笑顔。彼への愛おしさがこみ上げ、翡翠色の瞳はみるみる潤んでゆく。

「…うん、ずっと仲良しだよ。」
「じゃあ…。」

きょろきょろと周りを見渡したエッジ。何をしているのかと不思議に思っていると…

「よし、誰もいねぇし今なら…」



ちゅっ。



「へへ、やっとキスできたな。」
「もう…恥ずかしい。」

エッジから少し視線を逸らすリディアだが、その表情は好きな男性に愛されて、幸せいっぱいな艶っぽい女の顔。



端正なエッジの唇と、小さな花のような瑞々しいリディアの唇が再び重なり合うのを見ていたのは、リディアの手に握られた、黄昏色に染まるハート形の紫陽花だけ…。

―完―
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2014
06.13

我が家の天然な人

Category: 日記
今日はよく見たら13日の金曜日!そうかぁ、だから明日のビジネス英会話レッスンの予習が進まないのか…。(言い訳)


皆様こんばんわ、本日も管理人のくだらない日記をお届けいたします☆んなもん興味ねぇ!という方は、どうぞスルーして下さいませ♪




今日、帰宅した後の話。



私の洗濯物を部屋に持ってきた母の一言。


「はい、これあんたのゴミ。」


えぇ!?



「あ、ちゃうわ。洗濯物。」



部屋を出て行く母。


…私の洗濯物=ゴミなのか!!??


そしてたまにいきなり私の部屋にやって来て一言。



「私、昨日シャンプーしたかしら?」



知らん!!!



いくら家族でもそこまでは把握してない!!!



こんな感じで、うちの母は天然な人なんです。

いつだったか、真夏の暑い日に友人がうちに遊びに来て、私が彼女を和室に案内した時の母の一言。


「暑かったらストーブつけなさいよ。」


私と友人を殺す気か!!??




そして時に父も巻き込まれる。



ある年、法事でお坊さんに来ていただいたんですが、そのお坊さんがレクサスに乗ってきていた事を私に話してきたんです。

その時は普通に話を聞いて終了。しかしその夜…


母「お坊さんがな、ペガサスに乗って来ててん。」

父「へぇー、ええもん乗ってるなぁ。」




父、話に乗ってるし!!!





何でしょうね、長年夫婦だと言い間違いもすっと訳せるんでしょうか。


そしてうちの母のこの天然ぶりは、祖母からの筋金入りの遺伝。


今は亡き母方の祖父が入院していた時のこと。

その日お見舞いに行った母は、病院で祖父に付き添っている祖母が何か食べれるようにとおにぎりやパンを持って行ったそうです。そして2人でそれを食べようとしたその時。


「あっ、入れ歯入れてへんかったわ。」



という祖母の一言に呆れたという話を聞かされた私。

私「あんたのお母さんやん。」
母「いや、私はあんなタイプじゃないし。」



どう考えても遺伝や!!!



そしてその遺伝子は、私にも脈々と受け継がれているという、抗えない事実。


はい、私もおかしなことをする人なんです…。


私の前の職場はお昼にお弁当が支給される会社でした。その日はお弁当の種類を選べる日で、肉じゃが弁当、すき焼き弁当、あとは確か焼魚弁当がありました。


「お、これにしよ。」

肉じゃが弁当のつもりで、すき焼き弁当を選んだ私。ハイ、この時点ですでにおかしな事をしていますね。そしてさらにおかしな事が起こるんですよ~。


すき焼きを肉じゃがと思い込んで食べていると、上司や同僚も食堂にやって来て、お弁当を選んで食べ始めました。いつもと変わらず、皆でワイワイ話していると、その内の誰かが発した一言。

「このすき焼き弁当、味が…」


そこでハッとした私の口から出たのは…


「あっ、これすき焼きか…。」


それを聞いた上司がニヤニヤしながらすかさず一言。

「肉じゃがと思って食ってたんか?」


速攻でバレてるし!!!


黙ってたら何もバレへんかったのに!!!
何故に口に出してしまったのだ私!!!



もちろん、その場にいた全員大笑い。そして…


「いや、この豆腐がじゃがいもっぽいから…」


という苦しい言い訳をしてしまい、余計に笑われたわけです。


おかしな事をしてしまうのは遺伝なんです!!
意図してるんじゃないんです!!
どうしようもないんです!!


けど皆笑ってくれるんならそれでいいか…。



今日の母の言い間違いから色んな思い出が蘇り、ついここに書きたくなって書いてしまいました。こんなくだらない日記を読んで下さった方は神様仏様です( ̄▽ ̄)ありがとうございました(^^)

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2014
06.10

スマホのブルーライト

Category: 日記
皆さんこんばんわ、AL0908でございます☆いつも私のエジリディSSに拍手して下さってる方、ありがとうございます。そしてずっとFF4サーチに登録したいと思いながら、変に小心者で登録を躊躇っております(苦笑)




以下は私のくだらない日記なので、興味なかったらスルーして下さって結構ですよ~( ̄▽ ̄)






最近は多くの人がスマホを使ってますが、目が疲れませんか?私はiPhoneユーザーなんですが、このブログに二次創作UPしたり、最近は調べ物したりするのにフル活用してるおかげでブルーライト浴びまくりでもう目が疲れるのなんの。寝る前まで見てるから、睡眠にも影響が出るし(見ーひんかったらええやん)、集中力も低下しちゃったりと、いいことないんです。



が!!





ある日の新聞を読むと、スマホのブルーライト軽減大実験の記事を発見!!こりゃ読まなあかん!!と思い読んでみると…





ふむふむ、専用のメガネや画面に貼るシートを使えばそれなりのブルーライトカット率があるのか。


ならメガネかシートを使ってみようか…




と思って読み進めると、何とそれよりも格段に効果があるという方法が載っていた。それは…



「スマホの画面の白黒を反転させる。」



そこには写真も載っていて、確かに明るい画面か暗くなっているから、目がチカチカしなさそう。というわけで早速iPhoneの画面設定を変更!!




結果…






目が疲れなくなりました!!!夜寝る前にSS書いたり、インターネット見ても、明らかに目が疲れないんです!



わぁ~い、これで健康になれそうや~♪



と、思ってFacebookを見てみると…






友達の投稿した写真まで全部色が反転してる!!!




顔は真っ黒、歯はお歯黒状態、髪は完全に白髪やし、鼻の穴目立ちまくり。あのほら、写真のネガと同じ。



めっちゃ笑顔で写真に写ってるのに、色反転したらこんなことになるとは…





それを見て、思わず電車の中で爆笑しそうになった管理人。そして他の友達がアップしていたどこかの水族館の写真は完全に火の海。みんな魚見てんと、早よ逃げな!!


それでふと思い出したのが、何年も前の「探偵!ナイトスクープ」での小ネタコーナー。(この番組って全国区放送なんでしょうか?関西だけの放送だったらすいません。)


その依頼内容は、

「写真のネガは実物と白黒が反転していますが、実物の白黒を反転させたら実物の本当の色と同じように映るのでしょうか?調べて下さい。」

でした。



探偵の清水圭が依頼人のところに出向き、メイクをし、髪は真っ白、顔と歯は真っ黒に。そして写真撮影をし、ネガを見ると…




実物と同じどころか、完全にバケモノ状態。すごすぎて爆笑してしまった管理人です。
動画はコチラ↓




http://www.youtube.com/watch?v=f8SBFe61bLQ&sns=em








話が逸れましたが、この色反転作戦、文章を読んだりするのはほとんど違和感ないんですよ。電池の持ちも良くなった気がします。




どうでもいい日記、読んで下さってありがとうございます。今後はエジリディSSだけじゃなくて、日記も更新していきたいと思ってますのでよろしくお願いします♡
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2014
06.07

「発熱」 あとがき

Category: あとがき
「発熱」、いかがだったでしょうか?実はこのSS、母が風邪をひいてるのを見て思いついたストーリーなんです。あ、母は座薬使ってませんよ(笑)エッジは風邪ひかなさそうですけど、健康に自信がある人ほど体調を崩す時はそりゃもうひどいという私の偏見に基づき、こういうことになりました( ̄▽ ̄)そしてこういう話が浮かぶのもエッジだからこそ!と思うのは私だけでしょうか?だってセシルやカインじゃこんなネタ、とても書けません(笑)


ストーリー中のエッジのセリフ、「嬉しいなぁ~」が、また志村けんみたいやなぁ…と書いた後で気付いた管理人。関西人なのでどうしても笑いに走りたくなるんです!(言い訳)そしてエロじゃなかったらギャグかよ!というツッコミも大いにありうる私のSSですが、また遊びに来て下さると嬉しいです(^^)
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2014
06.07

「発熱」

TA後エジリディSS第12弾です♪こんな話が出来上がっちゃいました。管理人は笑いに走る関西人だからということで許して下さい(^◇^;)






「発熱」







(うー…苦しい。暑いし動けねぇ…。)


エッジは今朝から何年振りか分からないぐらい久々の高熱に苦しんでいた。ここ最近は連日城を留守にする公務と、真夜中まで執務室にこもる多忙さに加え、日に日に厳しくなる冬の寒さも相まって、朝の稽古中にダウンしてしまったのだ。



部下達に部屋まで運ばれ、今は寝室で横たわっている。ぜぇぜぇといつもより浅く早い呼吸をするエッジの横には、美しい妻リディアが心配そうな面持ちで椅子に腰かけている。


「あー…この俺様が熱出すなんてなぁ…。」
「もう、最近あんな忙しかったんだから、体調崩さないほうがどうかしてるわよ。今日はおとなしくしててよ?」
「ん…。」


高熱のせいで会話をするのも辛い。しかも食欲がなく、リディアが解熱剤を持ってきたが、何も食べていないために服用できない。


「エッジ、何か食べられそう?」
「いや…。何か飲むもんくれ。食えそうにねぇ。」


リディアに支えられてやっとのことで起き上がる。

「ほら、飲める?」
「あぁ…。」

リディアが右手でエッジの背中を支え、左手で水の入ったコップを持ち、エッジの口元に持っていく。二口ほど飲んだ後、エッジは再びベッドで横になる。


いつもは元気いっぱいの夫だけに、リディアは心配でたまらない。そっとエッジのおでこに手を乗せると、彼を苦しめる高熱が伝わってきた。


(何も食べれないんじゃ薬飲めないし…。どうしたらいいかしら。)


とりあえずはおでこを冷やしてあげようと、リディアは寝室を出る。城の調理場へ行き、氷水とタオルを用意した。寝室へ戻ろうとすると、途中の廊下で家老と出くわす。

「おぉ奥方様!お館様のお加減は?」
「今部屋で寝ているんだけど、熱が高くて食欲がないの。何も食べていないから、薬も飲めなくて…。」
「うむむ、さようでございますか…。お館様も最近はご多忙でいらっしゃいましたからな…。」


数か月前にエッジはリディアと結婚して以来、王としての仕事に一層精を出すようになっていた。10数年想い続けた愛しいリディアが妻となってくれたのだからどんな過酷な公務も張り切って引き受けていたのだ。しかし人間には限界があるのだということを、新婚で浮かれていたエブラーナ王は忘れてしまっていたようであるが…。



しばらく考え込んだ後、家老は何か思い付いた。

「そうじゃ、あれならば食欲がなくても大丈夫ですじゃ!」
「え?何か効くものがあるの?」
「はい!しばしお待ち下され!」


そう言って家老は城の奥へと引っ込み、程なくして戻ってきた。その手には…

「奥方様、これならば大丈夫ですじゃ!」
「???これは…薬?」
「はい!座薬でございます。これをお館様に!」


ざやく?初めて聞く薬の名前に怪訝な顔をするリディア。


バロンやミスト地方では風邪や高熱の治療は飲み薬や点滴が中心で、座薬はあまりメジャーではなかったため、存在を知らない者も少なくなかったのだ。


リディアの表情に気付かない家老のもとに、執政に関わる家臣の一人がやって来た。

「お話中失礼いたします。ご家老、昨夜のエブラーナ港の建設の件ですが…。」
「何!?ならば急がねば!では奥方様、お館様をお頼み申し上げますぞ。」
「えっ?は、はい…。」


家老と家臣は会議室へと行ってしまった。


しげしげと座薬の入った袋を見つめるリディア。

「…変わった形の薬ねえ。けどこれなら大丈夫だって言ってたし、早くエッジに飲ませてあげなくちゃ。」


使い方を知らないリディアが寝室へと戻ると、相変わらずエッジはしんどそうにベッドに横たわっていた。

「エッジ、大丈夫?今からおでこ冷やしてあげるからね。」
「あぁ…。」

冷やしたタオルをエッジのおでこに乗せるリディア。


「ね、エッジ。何も食べてなくても大丈夫な薬もらってきたよ。じいやがこれなら効くって。」


そう言って嬉しそうにエッジに座薬を見せるリディア。するとエッジは高熱で苦しいながらも切れ長の目を見開く。

「そ、そうか、リディア…。入れてくれるのか。ありがとな。」

まさか使い方を知らないとは思わず、愛する妻に座薬を入れてもらえるのだと興奮したエッジの体が一段と熱くなる。

「ね、起き上がれる?」
「あぁ…。」

エッジは横たわったまま、布団の中で寝間着のズボンと下着を脱ぎ始めた。何やらもぞもぞと動く夫の様子を見たリディアは、不思議そうな顔をする。

「エッジ?何してるの?」
「何って、座薬の準備してんだよ。」
「え???準備?」


「あ?…お前もしかして、座薬知らねーの?」
「あ…うん。初めて聞いた。」


エッジは思わずニタリと卑猥な笑みを浮かべる。リディアは年を重ねる度に女性としての魅力を増しているが、純粋な心を持つがゆえに、世間知らずなところが未だに見受けられる。しかしエッジにはそれが新鮮で可愛くてたまらない。


「リディア、これはな…。」
「うん?」


エッジはリディアに座薬の使用方法を耳打ちする。



「えええええ!?お、お尻の穴に?」

顔を真っ赤にするリディア。

「そうだぜ。いやぁ、嬉しいなぁ。可愛い嫁さんに尻の穴まで見てもらえるなんて。」


そう言ってエッジは高熱でだるい体を起こそうとする。

「いやっ…!バカ!自分で入れてよ!」
「なんだよ~、旦那が病気だってのに冷てえ奴だな…。」

「だって…。」
「自分じゃうまく入れられねーよ…。なぁ、入れてくれよリディア~。うー…熱で苦しい…。」

「もう…分かったわよ。」
「うほっ!幸せだな~。」
「バカッ!」

バカという言葉もリディアに言われると嬉しいエッジは掛布団をベッドの端に寄せ、四つん這いになってリディアに尻を見せる。リディアは座薬を一つ手に取り、エッジの尻と向かい合う。


(やだぁ…エッジのお尻の穴がひくひく動いてる…。)


エッジはリディアに尻の穴を見られて興奮が止まらない。もっと見てくれと言わんばかりに、尻を左右に振っているように見えるのは気のせいか。



深呼吸してリディアは腹を決める。


「…エッジ、入れるよ?」
「おぉ。」


リディアは座薬をエッジの肛門に挿し込んだ。ひんやりとした刺激がエッジの肛門を満たす。


「ぬほっ…!くはぁっ…!」
「へ、変な声出さないでっ!う~ん、もうちょっと奥まで入れないと…。」

座薬を正しい位置に入れようと、リディアは人差し指の先をきゅっとエッジの肛門に押し込む。


「おおおぅっ!」


リディアの指が自分の尻の穴に入ったのを感じ、またしても奇声を発するエッジ。


「…はい、座薬入ったよ。」

恥ずかしそうにリディアが言う。



「はぁ~っ、ありがとなリディア。」
「もうっ…。早くパンツ履いてよ。」


四つん這いになっていたエッジはベッドに仰向けになり、リディアに視線を送る。


「な、何よぉ。」


下半身裸の夫を直視できず、顔を背けながら答えるリディア。


「なぁ、パンツ履かせてくれよ。」
「…!自分でしなさいよっ!」

「いいじゃねーかよー。今日は安静にしろってお前が言ったんじゃねーか。」
「そ、そうだけど…。」

「履かせてくれよぉ…。夜のエッチの後はあんなに優しいのに。」
「バ、バカッ!…しょうがないなあ、今日は特別だからね!」


リディアはエッジに下着とズボンを履かせ、掛布団をかけてやった。


「リディア…ありがとな。大好きな嫁さんにこうやって世話してもらえて、俺は幸せもんだよ。」

そう言われて、リディアは照れ臭そうに顔をそむける。


「…病気なんだし、世話するわよ。」


照れ臭さに加え、夫の尻の穴を見た上に中に指まで入れてしまうという、リディアにはショッキングな体験が続いたため、素っ気ない返事をしてしまった。




気付くとエッジは一連の騒動(?)で疲れてしまったのか、眠りに落ちていた。










数時間後。



「エッジ、気分はどう?」


仕事の合間を縫って夫の様子を見に来たリディア。


「ん…大分楽になったぜ。」
「薬効いてきたのかしらね。熱測りましょう。」


呼吸も表情も落ち着き、自分で起き上がれるようになったエッジ。


「お、微熱になったな。」
「あら本当ね。何か食べれそう?」
「あぁ、腹減ったぞ。何か食わせてくれねぇか?」
「じゃあ何か作ってくるわ。待ってて?」
「おぅ…。」




およそ30分後…



「エッジ~、お待たせ。」


リディアの持つお盆の上には、熱々のお手製たまご粥。

「う、美味そうだな…。」
「ふふ、美味しいわよ?じゃ、ここに置いておくわね。」


リディアがお盆をベッドサイドのテーブルに置こうとすると…


「なぁ、リディア…。」
「ん?」


「…食べさせてくれよ。」

「なっ…何甘えてるのよ!自分で食べてよっ!」


甘えまくりな夫に檄を飛ばすリディア。

「いいじゃねぇかよ~。」
「もう微熱まで下がってるんだから自分で食べれるでしょ?仕事しないといけないのにっ!」


リディアに突き放され、エッジは悲しげな表情になってゆく。


「ひでぇなぁ…俺、病気なのに…。」


声を震わせ、捨てられた子猫のような目で妻を見つめるエッジ。


「んもう…しょうがないわねぇ。」
「食べさせてくれんのか?嬉しいなぁ、ぐふふふふ。」


エッジの隣に座り、熱々のたまご粥をスプーンに取ったリディアは、それをそのまま彼の口元へともって行った。


「お、おいおいおい!ふーふーしてくれよ!火傷するじゃねぇか!」
「も~、わがままねぇ。」
「お前わざとやってんだろ!」



仕方なくリディアが息を吹きかけてたまご粥を冷まし、エッジの口元へともって行くと…


「リディア…『エッジ、あーんして♡』って言ってくれよ~。」
「もう!どんだけ注文が多いのよ!?」
「注文って何だよ?病気の旦那に対する愛だろーが。」
「そんなの恥ずかしいもん!」
「いいじゃねぇか~、ずっとやって欲しかったんだよ。」


病気なのをいいことに甘えたい放題の夫に呆れるリディア。


「まったく…1回しか言ってあげないからね?」
「言ってくれるのか?嬉しいなぁ~。」


リディアは照れ臭そうに息をつく。


「はいエッジ、あーんして?」

エッジが満面の笑みで口を開けると、リディアはスプーンに乗ったたまご粥をそこに入れてやった。もぐもぐと口を動かし、ごっくんと飲み込むエッジ。

「ん~、美味いなぁ!」
「もう、バカ。」


エッジのおねだり通りにリディアはたまご粥をエッジの口に運んでやると、あっという間に平らげた。


「あぁ…美味かったぞ。」
「本当?よかった。」
「ありがとな、リディア。」


愛する妻の手料理を食べさせてもらえたエッジはほっこりとした顔でリディアを見つめる。

「そんなに見つめないで…。ほら、薬飲んで寝なさいよ。」
「おぅ…。」



褒められて満更でもないリディア。エッジが薬を飲んで横になる姿を見届けると、再び仕事に戻った。











そして、翌朝。



リディアが目を覚ますと、隣のベッドには、すっかり元気になって服を着替えるエッジがいた。

「お、起きたか。おはようリディア。」
「お…おはようエッジ。もう大丈夫なの?」
「おう。すっかりよくなったぜ。」

それを聞いてほっとするリディア。

「よかったぁ。」

自然と笑顔がこぼれる。その可愛い笑顔を見て、思わずエッジはリディアにちゅっと口づけする。

「んっ…。もう、病み上がりなのにこんなことしてぇ…。」

翡翠色の瞳を潤ませ、頬を真っ赤に染めるリディアが可愛くて、エッジはますます嬉しくなる。

「お前のおかげで元気になったよ。ありがとな。」

エッジはリディアをそっと抱き寄せ、今度はおでこと頬にキスをする。

「何といっても、座薬入れてくれたからな。」
「そうよ、あんな恥ずかしいことさせて…。」


ニヤニヤするエッジに頬を膨らませて不機嫌な表情を見せるリディア。

「そんな怒るなって。今度お前が熱出したら、俺が座薬入れてやるからさ。」
「…!!いいもんっ、飲み薬で何とかするもん!」
「そんな照れるなよ~。もう何回もお互いの裸見てるじゃねえか。尻の穴ぐらい…」
「バカッ!!!!」


リディアの拳がエッジの頭に直撃した。







今日も、エブラーナの平和な一日が始まる…。


―完―
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