2014
07.29

ご報告&コメントお礼

Category: 日記
こんばんわ☆

いつもこのサイトに立ち寄って下さる皆様、本当にありがとうございます(^^)


それにしても毎日暑いですね~私の住んでる京都は本気で暑いです。。
溶けそうです…。


盆地地帯の蒸し暑さをなめてもらっちゃあ困るんです!!!(←別に誰もなめてない)



まぁそれはおいといて、今日は嬉しいことがあったのでご報告です。

本日、転職先が決定いたしました~♪(^0^)*

あぁ~、本当にほっとしました~。ちょっと専門性のある仕事を希望していたのでかなり苦戦したのですが、何とかご縁あって希望の業界・職種に就くことができたんです。この3月から転職活動を始め、約4ヶ月間無職で時間に余裕はあったものの、落ち込むことが多くて精神的に辛い日々でした。しかもこの時期にスーツ着るのが辛いのなんの(涙)
けどエジリディSSを書くのがものすごーくいい気分転換になってました。おかげで鬱にならずに済んだので、エジリディ万歳です!!!

(何でAL0908はほぼ週1ペースでSSをUPできてんだ?と思っていらっしゃった方、そういう事情で時間に余裕があったからなんですf^^;)


なので、今後は更新ペースは間違いなく遅くなると思います。ですがこれからも二次創作は続けますので、もしお付き合いいただけたら嬉しいです♡また管理人の勝手な予定ですが、年内に長編のUPを開始できたら、と考えてます。
あ、あくまで予定ですよ!年内にUPできなくて、嘘になるかもしれません


これからも多くの方に楽しんでもらえるようにラブラブ、シリアス、ギャグ、そしてR-18なエジリディSSを創作しますので、皆様今後ともどうぞよろしくお願いいたします♡♡


以下、コメントへのお礼です。

♡甘夏様♡

いつも私のSS、読んで下さってありがとうございます(^^)「きもだめし」で少しは涼しくなったでしょうか?エッジは無事なはず…です(笑)私も新しい仕事で疲れたら、エジリディ妄想で自家発電します~♪転職活動中は励ましの言葉をいただいてありがとうございました。いつか縁のある職場へ辿り着けると信じながらも、就職活動ってやっぱり辛いですよね…。これからもよろしくお願いします(^^)♡
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2014
07.27

「きもだめし」 あとがき

Category: あとがき
今回も私のエジリディSSを読んで下さり、ありがとうございます。過去に投稿したSSに拍手を下さった方、本当に嬉しいです!ありがとうございますっ♡


お館様、呪われちゃったようです(笑)そしてもちろん、この話は次回へは続きません(笑)


この季節ものSS、今まで花を題材にしてきたのでちょっと変化球が欲しいなぁと思った結果がこのストーリーでした。実は最初は火の玉が呪いじゃなくて、エッジとリディアに何か愛の記念品のようなものを残して消えていく…という流れにしようかと思ったのですが、ここ数日の猛暑で涼しさが欲しいという管理人の執念が勝ってしまったようですf^^;


日本全国、猛暑に見舞われていますが、皆様どうぞお身体にはお気を付け下さいませ☆またのご来訪、お待ちしてます
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2014
07.27

「きもだめし」

今月の季節ものエジリディSS、出来上がりました~♪暑い夏が少しでも涼しくなりますように( ̄▽ ̄)








「きもだめし」






7月になり、エブラーナでは梅雨明け宣言がなされ、晴天に恵まれる日が一気に増えた。いよいよ夏本番といった気候になり、昼間は痛いぐらいの強い日差しが降り注ぐようになった。夜は暑さが幾分和らぐものの、決して快適とは言えない環境の中で就寝しなければならない季節。そんな中でも、エブラーナ国王エッジは日々執政に精を出していた。


「あー、あちぃなぁ…。」


執務室で団扇をパタパタと扇ぎながら仕事をするエッジの口から出てくるのは、先程から同じ言葉ばかり。今夜はエブラーナ城近くの神社で毎年恒例の夏祭りがあり、午後からはエッジも準備に参加するため、何とか昼までに事務仕事を一段落させたいのだ。


エッジの装いは袖なしの胸元が空いた前合わせの上衣に、膝丈の下衣を組み合わせた簡易忍服という、すっかり夏らしいものだった。まだ午前中だというのに蒸し返すような暑さの中、首にタオルを巻き、拭いては出てくる汗を拭いながら執政の書類と向き合っていると…



「エッジ、冷たい飲み物用意できたから、少し休憩してよ。」

妻リディアが、氷の入った大きめのグラスに注がれた麦茶をお盆に乗せて、暑い中仕事に励む夫のために執務室にやって来た。長い髪を緩く耳の辺りでひとつにまとめ、麻素材の涼しげなグリーンの半袖の夏用のエブラーナ様式のドレスを見にまとった彼女はとても上品で、エッジはたちまち笑顔になる。


「おぅ、ありがとなリディア。喉渇いてたんだ~。」
「ふふふ。はい、どうぞ。」

エッジは自分の前に置かれたグラスを手に取り、ごくごくと喉を鳴らせて麦茶を飲んでゆく。夫のその豪快な飲みっぷりを、リディアは自分の椅子に座り、一緒に用意した自分の麦茶を口に含みながらニコニコと眺めていた。

「あー、美味い!夏は冷えた麦茶だな~。」
「そうね、美味しいわね。」

リディアが用意してくれた麦茶なのだから、エッジにとってその味は格別。彼が飲み干した後のグラスの中では、机の上に置かれた振動で氷が動いてカラン、と涼しげな音を立てた。


「麦茶ってくせがないから飲みやすいわよね。お肌にいい成分が入ってるって聞いたわ。」
「そうだぞ?肌にもいいし、身体にもいいもんがたくさん入ってるんだ。うちの国が他の国と比べて平均寿命が長いのは、麦茶飲んでるからだっていう奴もいるぐらいなんだからな。」


自国文化を自慢げに語るエッジ。昔は彼がエブラーナ文化を熱く語り出すとうっとうしく感じ、適当に聞き流していたリディアだったが、深い仲になっていくにつれ、そんな彼の姿を愛おしいと感じるようになった。



「ねぇエッジ、今夜の夏祭り楽しみね。今までタイミング合わなくて7月のお祭りの日に来れなかったからなぁ…。」
「そうだったなぁ。年によっては雨のせいで中止になったりしてたしな。」
「うん。…色々お店回って、一緒に美味しいもの食べようね?」

「…おぅ。」

2人で寄り添いながら屋台を巡る様子を想像しただけで鼻の下が伸び、口元がみるみる緩むエッジ。


「またそんな顔して…。楽しみね、うふふ…。」


リディアに手をそっと握られ、耳元でそう囁かれたエッジは耳まで真っ赤になった。


「ぶふふふふ、楽しみだな~。あぁ…ところでよ、リディア。」
「ん、何?」
「7月の夏祭りに来たことねぇんなら、きもだめしも知らねぇよな?」
「え、きもだめし…?」

初めて聞く言葉にリディアが不思議そうな顔をしていると、何やらエッジはニヤリと笑っている。

「ん…知らないわ。それって食べ物か何か?」
「お、知らねぇか。なら今夜のお楽しみだな。」
「???え、何?」
「まぁまぁ楽しみにしておけって!」

首を傾げるリディアを前に、エッジは白い歯を見せてニヤニヤとするばかりだった。









そして夕刻。





「おーいリディア、そろそろ行くぞー。」


夏祭り会場での準備作業を終えて城に戻ってきたエッジが妻を呼ぶと…


「はーい。」
「…!リディア、お前…。」
「うふふ、暑いから着替えちゃった。」

エッジの前に現れた笑顔のリディアはすっかりお召し替えしていた。


鎖骨が少し見えるぐらいに首回りの空いた、ひざ下丈の水色のノースリーブワンピース。アップにした緑の長い髪にはエッジにプレゼントされた向日葵モチーフの髪留め、足元は歩きやすいヒールの低いサンダルと、爽やかな夏らしい装いであるのだが、エッジは眉を顰める。

「…エッジ、この服気に入らない?」


夫の表情を見て不安げに尋ねるリディア。エッジはふーと息をつきながら頭を掻く。


「そんな露出の多い服着るんじゃねーよ。あんまり肌見せるなっていつも言ってるだろーが。これから城の外に出るんだぞ?」
「え~?これはそんなに露出多くないじゃない。暑いのに長袖なんて着てられないわよ。」

「いや、長袖着ろとは言わねーけど、せめて袖のあるもん着るか、肩掛け使ってくれよ。そんな綺麗なうなじや二の腕丸出しにしてたら男が寄って来るじゃねーか。」


しかめっ面で妻を説教するエッジ。夏は人々の心が開放的になって犯罪が増えやすいため、愛する妻に肌を晒して欲しくないのだ。


エッジとのお祭りデートのために、せっかくおめかししたのに。エッジはしょぼんとする妻を優しく抱きしめる。

「っとにしょうがねぇ奴だな~。ほら、機嫌治せよ。」
「何よぉ、エッジが文句ばっかり言うからじゃない。」

顔を背けて不機嫌そうな口調だが、それはエッジが大好きなリディアの仕草のひとつ。エッジが背中や肩を優しく撫でながら、頬にちゅっとキスをすると、リディアは顔を上げ、上気した頬をエッジに見せた。


「…そんな可愛い顔すんなって。」
「バカ。」

抱きしめられたままのリディアがエッジの胸に顔を埋めると、彼の優しく、いつもより低目の声が耳に入ってきた。

「…その可愛い格好、今日は許してやるから、俺のそばから離れるなよ?」



夫の言葉に込められた自分への想いに、リディアの頬は赤らむばかり。

「…うん。」
「よし、じゃあ行くか。」







*****






エブラーナ城から少し離れた神社に行くと、境内に続く歩道には紅白の提灯に照らされた屋台がずらりと並び、食欲をそそる香りが早速2人の鼻を擽る。すでに多くの国民や城の使用人、兵士たちが夏祭りを楽しもうとやって来ていて、リディアは夏祭りの風景に目を輝かせた。


「わぁ、いっぱい屋台があるわね!何から食べようかな~。」
「お前食いしん坊だな~。食うことばっか考えてんだろ?」
「いいじゃない、お腹空いてるんだもん!」
「はいはい、じゃ何か食うか。」


エッジがリディアの肩を抱いて向かったのは焼きとうもろこしの店。国王夫妻の姿を見た屋台の主人が気さくに声をかけてくる。


「おっ、これはお館様に奥方様!いらっしゃい!」
「よう、ご苦労さん。リディア、こいつの畑で獲れたとうもろこし美味いんだぜ。」
「奥方様、今年も甘くて美味しいとうもろこしが獲れましたよ!お一ついかがですか?」
「本当?じゃあ一つもらおうかな。」


焼きとうもろこしをぱくっと口にしたリディアは、その香ばしさと甘味にたちまち笑顔になった。

「美味しい~!ほら、エッジも食べてよ。」
「おぅ、ありがとな。…んー、美味い!」

寄り添いながら1本の焼きとうもろこしを交互にもぐもぐと美味しそうに食べていく2人。その姿を見ていた屋台の主人は微笑まずにはいられなかった。


「ははは、お2人は本当に仲良しですねぇ。」


そう言われてはっとお互いを見つめ合う2人の頬は少し赤らんでいた。どう返せばいいのか分からず、エッジもリディアも黙ってしまう。

「さぁ、もう1本どうぞ!半分ずつじゃ足りんでしょうに。」
「お、おぅ!ありがとな。ほれ、これ2本分の代金だ。」


2人は境内の方向に向かってゆっくりと歩き出した。


「…リディア、食うか?」
「うん…。」

恥ずかしいような気まずいような雰囲気の中、自然と人目を避けるように歩道の脇へと足が進む2人。エッジに差し出されたとうもろこしを、口を小刻みに動かしてもぐもぐと食べるリディア。その姿は小動物のようで、エッジは思わず吹き出してしまった。


「何笑ってるのよぉ。」
「いや…お前リスみたいな食い方するなぁと思って。」

優しい笑顔でそう言われ、リディアは視線をそらして恥ずかしさを紛らわそうとした。

「こっち向けよ。」
「…やだぁ。」
「こっち向かねぇと、とうもろこし全部食っちまうぞ?」


リディアがゆっくりと視線を合わせると、またもエッジが吹き出した。

「お前とうもろこしに釣られてこっち見ただろ?やっぱりリスみてぇだな~。」
「バ、バカッ!」

からかわれて悔しい気持ちを込めた華奢な拳がポカッとエッジの肩を叩く。

「そんな怒るなよ~。ほんっと可愛いなぁ。」
「…!もう…。」

何をやっても満面の笑みで可愛いと言われてはこれ以上怒れないリディア。頬を赤らめて少し俯いていると、エッジの指がリディアの口元にそっと触れた。

「!」
「ほら、とうもろこしのカスが口のとこに付いてるぜ。」
「ん…どこ?」
「取ってやるからじっとしてろって。」

リディアの口元に付いていたとうもろこしの欠片をぱくりと食べるエッジ。リディアは唇に残る夫の指の乾いた感触の余韻を感じ、思わず唇に手をやった。彼の面倒見の良さに、リディアの胸はドキドキしている。


「ありがと…エッジ。」
「お前はいくつになっても手のかかる奴だな~、俺がいねぇと何にもできねぇのか?」
「…うん。」

(お…?)


てっきりリディアは不機嫌になって反発してくると思っていたエッジは不思議そうな表情になった。

(随分しおらしいじゃねぇか…。)


よく見るとリディアはうっとりとした表情でエッジを見つめている。常に自分のことを気にかけてくれるこの彼の愛情に、何度励まされ救われたことか。

「私…エッジがいないとダメなのかも…。」

ぽそりとそう呟き、身を竦めてエッジの胸に顔を埋めるリディア。愛おしい以外の何でもない妻の行動に、エッジの身体は興奮に支配されていく。

「リディア…。」

愛しの妻の名を呼ぶと、彼女はエッジの胸に身を委ねたまますっと上目遣いでこちらを見つめてきた。暑さも相まって、興奮のあまりエッジは鼻血が出そうになり、思わず鼻を手で覆う。

「エッジ、どうしたの?」
「いや…何でもねぇ。」

冷静沈着でなければならない忍びの長として、何事もないかのように振る舞うエッジ。べた惚れの妻だからこそ、カッコ悪い姿は見せたくない男としてのプライド。そっとリディアの肩を抱き、その翡翠色の瞳をじっと見つめていると、2人の唇は自然に重なった。


「うふふ…エッジったら。」
「何だよ、お前がキスしたそうにしてたからしてやったんだぞ?」

しばしの口づけの後、2人は笑い合い、何となく照れ臭くて会話が途切れた。



「あぁリディア…焼きそば食うか?腹減ってんだろ?」
「うん!私も焼きそば食べたいと思ってたの。ほら、そこの屋台で売ってるのおいしそう。」
「よし、じゃ買いに行くか。」


2人で食べるからと大盛りにしてもらった1人前の焼きそばを堪能するエッジとリディアの前に、数人の私服姿の若手の兵士達が何やら話しているのが目に入った。


「おいキース、今夜のきもだめしジェシカを誘うんだよな?」
「おう!今までデートしてきて手応えあったし、今日こそは俺と付き合ってくれって言うぞ!」
「頑張れよ!できるだけジェシカを驚かせてお前から離れられないようにしてやるから、絶対うまくいくって!」
「ホントか?ありがとな。」


彼らの話を聞いていたリディアは何だかよく分からないといった表情。一方エッジはニヤニヤしながらキースに話しかける。

「キース、頑張れよ。いい報告待ってるぜ!」
「お、お館様!は、はい!」
「お前らもしっかり協力してやれよ?」
「えぇ!お館様は奥方様ときもだめしに参加されるのですよね?」
「あぁ。今までは裏方やってたけど、今年はこいつと楽しませてもらうぜ。」

きもだめしが何なのか知らないリディアは首を傾げるような反応である。

「ねぇ、きもだめしって何なの?」

王妃の質問に、キース達はちらりとエッジの方を見た。

「お前ら、説明してやってくれ。」

「はっ。きもだめしはこの夏祭りで毎年恒例のイベントでして、男女2名がペアになり、明かりのない墓場や林の中に入って道なりに進んで出口を目指すものでございます。ただし特定の場所に用意された札を取って出口に向かわなければなければならないのです。暗い中で男女が2人きりになって行動しますから、それがきっかけで毎年きもだめしの後にはカップルが誕生するんですよ!」

「へぇ、そうなんだぁ。ミストやバロンでもお祭りはあったけど、そんなイベントはなかったわ。」

初めて聞くエブラーナ伝統行事にリディアは興味津々である。

「リディア、きもだめし参加するよな?」
「んー、何か怖そうね…。真っ暗な墓場や林の中を通るんでしょ?」
「大丈夫だって!俺が一緒なんだからよ!」

しっかりと肩を抱く、エッジの大きな手。いつも安心感を与えてくれるその温もりが、リディアの恐怖心を和らげる。

「ん…エッジが一緒なら、大丈夫よね。」

寄り添ってくるリディアに、エッジは部下達の前だというのに口元がみるみる緩んでいく。

「リディア…俺から離れるんじゃねぇぞ?」
「うん!」

熱々の国王夫妻を見守る若手達の視界に、数人の若い女性達の姿が入った。

「!おいキース!」
「あぁ!」

仲間に促され、意中の女性を見つけたキースは素早く彼女に駆け寄る。どうやら自分ときもだめしに参加しようと誘っているようである。

「ねぇエッジ、あの子がジェシカ?」
「あぁ。はは、キースの奴必死じゃねぇか。」
「ふふふ、上手くいくといいわね。」
「そうだな。さて、俺達は先に境内に行くか。そこでじいと若い奴らがきもだめしを取り仕切ってるからよ。」









境内に行くと、そこには家老と数人の若手兵士達がすでにきもだめし参加希望者や国民達に取り囲まれていた。

「お、今年も大人気だな。…俺ずっと裏方やってたからよ、お前と参加できるの、すげぇ楽しみだな。」

いつになく小声で話す夫の表情からは、何やら照れ臭さのようなものが見てとれる。

「そうだったの?…今まで他の女の人、誘ったりしなかったの?」

エッジが自分一筋であることを分かっていながらも、確かめたくなってしまうのが女の性。

「…お前と出会ってからは、他の女なんて興味なかったっつーの。」

リディアの肩を抱くエッジの手に、力がこもる。それを感じたリディアがふっと笑うのを聞いたエッジは、恥ずかしそうにリディアを見た。

「んだよ、野暮なこと言わせんじゃねぇよ。」
「うふふ、ごめんね。…でも、嬉しいな。」


10数年という長い間、自分だけを愛してくれたエッジ。恥ずかしそうに頬をほんのり赤らめる彼の体温を感じながら、リディアは全身が幸せな気持ちで満たされていくのを感じた。


「さあさあ皆の者、今年もきもだめしが始まるぞい!」

掛け声とともに家老の手を叩く音が響き、エッジとリディアははっと我に返る。

「これからいくつか参加上の注意点を説明するゆえ、参加する者達はわしの近くに寄るのじゃ!」

若いカップルを中心に、多くの男女が家老の周りに集まってきた。エッジとリディアはその後ろから耳を傾ける。

「まず1つ目。今年の場所はこの境内の裏じゃ。毎年の事じゃが、暗がりで足元が見えにくいので、怪我には十分気を付けるように。2つ目は、必ず途中にある札を持ち帰ってくるように。札がなければ景品はもらえぬから、怖くても勇気を出して札が置いてある場所を探し当てるのじゃぞ。そして最後に…」

参加者がふむふむと頷いていると…



「…怖気づいたなら、今の内に参加を取りやめることじゃな…ほっほっほ。」

家老の軽いジョークに、笑いが起こる。すると数人の子供たちが家老のそばに駆け寄ってくる。

「ねぇ家老さん、今年も怖いお話聞かせてくれるの?」
「私も聞きたい!」
「おぉもちろんじゃ。ではきもだめしの前に一つ聞かせてやろうかの。」

大人達も毎年恒例の怪談を聞こうと、家老に注目した。咳払いをした家老は少し間を取り、話し始める。

「昔々、エブラーナ大陸ではジェラルダイン家とバークレイ家がそれぞれの領地を治めておった。両家ともに、このエブラーナで皆が平和に仲良く暮らせるように毎日会議を開いて知恵を出し合い、人々の暮らしをより豊かなものにしようと努めておった…」

家老の話に、幼い子供も聞き入っている。

「しかしある日、会議で意見が分かれ、それが原因で間もなく戦争が起こってしもうた。戦争で両家とも多くの怪我人や死人を出し、もうこんなことはやめようとジェラルダイン家は言ったのじゃが、バークレイ家は譲らず、攻撃を続けた…。」


戦、怪我人、死人。月の大戦でルビカンテに城を焼かれた過去が思い起こされ、大人たちは神妙な顔つきになる。

「もうどうしようもないと考えたジェラルダイン家は、一気にバークレイ家の領地へと攻め入り、彼らを捕らえ、2度と争いを起こさせないようにと、当主、その正室や側室、子供全てを公開処刑で打ち首にし、バークレイ家を断絶させた。」
「…!」

戦に敗れし者は根絶やしにされる。命を大事にせよと唱える現国王エッジの治世ではもうあり得ないエブラーナの昔の習慣に、リディアは身震いした。

「その後は争いのない平和な日々が訪れたのじゃが、病気でも何でもなかった元気な者が次々急死する事件が相次ぎ、人々の間では奇妙な噂が立つようになったのじゃ。それは……『公開処刑が行われた場所に現われる火の玉に触れると、呪われて1週間以内に死んでしまう』と…。」


リディアは背筋がゾクリとし、思わずエッジを見つめるが、彼は余裕のある笑顔だった。

「遺族の証言から、亡くなった者達は死ぬ1週間程前に公開処刑がなされた場所を通っており、また死んだ者に同行していた者は確かに火の玉を見たと証言しておったためじゃ。人々はバークレイ家の怨念がジェラルダイン家への復讐を果たそうと、火の玉となってこの世を彷徨っているのだと考えるようになった。そして人々は供養をし、咒を唱えたりして亡きバークレイ家の魂を成仏させようとしたが、その後も元気だった者が急死する事件はなくならなかったという。そしてその公開処刑が行われた場所というのが…」


「これから皆の者がきもだめしを行う、この境内の裏だと言われておる…。」

家老の怪談を聞いていた者達からはどよめきが起こった。

「やだぁ…怖い。」
「お、なんだよビビってんのか?」

身体を縮こませてしがみついてくるリディアが可愛くて、エッジはニヤニヤしながら彼女の肩を抱いてやった。

「ほっほっほ、これできもだめしの準備が整ったようじゃな。さぁて、誰から行くのかの?」


参加しようと集まった者達はすっかり足が竦み、なかなか手を上げようとしない。すると…


「はい!私共が参ります!」

先程必死に意中の女性を誘っていたキースが手を上げた。

「おぉ、そなたらが行くのか。気を付けてな。」
「はい!さぁジェシカ、行こう!」
「えぇ~、やだ怖い…。」
「大丈夫だよ!俺がついてるじゃないか。」

せっかくのチャンスを逃すまいとキースは必死である。ジェシカはしぶしぶ彼の腕にしがみつき、2人は境内の裏へと消えていった。


「あの2人上手くいくかな?キースの奴、ずっとジェシカの事が好きだったらしいからな~。」
「ジェシカも満更じゃなさそうだよなぁ。これは戻ってきたら冷やかし決定だな!」

きもだめし会場担当の若手の兵士達はクスクスと笑いながら仲間の恋愛成就を祈る。

「はっはっは、若い者は楽しみがあっていいもんじゃな。さて、そろそろ次の組の番じゃが、誰が行くかの?」

「では次は僕達が!ほらイリーナ、行くぞ。」
「う、うん…。」

別のカップルが境内の裏へと進んでゆき、その後も時間差で次々とカップルが暗闇の中へと消えていった。

「よしリディア、俺達もそろそろ行くか!」
「…。」
「リディア、どうした?」
「やだ…怖いよ。火の玉が出たらどうするのよぉ…。」

怪談を聞いてすっかり怯えてしまったようである。今にも泣き出しそうなその姿が初々しくてたまらなく可愛らしい。

「ははは、あんなのじいの作り話だって。まさか信じてるのかよ?」
「そ、そんなの分かってるわよ!けど…。」
「大丈夫だって。…怖かったら俺にしっかりくっついてたらいいんだぜ?」


このままきもだめしに臨めば、間違いなくリディアは自分に縋り付いてくるに違いないと確信したエッジは満面の笑み。身を竦めるリディアを優しく抱き寄せる。

「お前そんな怖がりだったのかよ?今までこういう暗いとこ、何度も一緒に通ったじゃねぇか。」

それはそうなのだが、リディアにとっては同じ暗闇の中とは言え、実体のあるモンスターと戦うのとは違う。暗闇に加え、家老の怪談がリディアの恐怖心を煽るが、エッジが一緒ならと腹を決めるリディア。

「うん…じゃあ行く。」
「よし!…じい、次は俺達が行くぜ。」
「それはそれは。お気をつけて行ってらっしゃいませ。」


笑顔の家老に見送られ、エッジとリディアは境内の裏へと進んでいった。






「うわぁ、真っ暗ね…。足元、気を付けなきゃね。」
「んー、昼間に石ころとか躓きやすいもんは全部よけてあるから大丈夫だぜ。」
「そうなの?」
「おう。こんなのゲームみたいだけどよ、主催するからには皆の安全保障しなきゃなんねーからな。」

エッジの話を聞いてほっとするリディア。しかし…


「きゃあああああっ!」
「おぉう、何だよ?」
「な、何か今気持ち悪いものが顔に飛んできたの…!」

得体の知れないものにすっかり怯え、夫の腕にしがみ付くリディアだが、エッジは笑いが止まらない。

「ははははは、今のは蒟蒻だって。」
「こ、蒟蒻…?」
「きもだめしの定番だぜ。あのぼよぼよした感触が気持ち悪いからな~。」

結婚するまで毎年きもだめし会場の裏方をやっていたエッジは参加者を驚かす小道具を知り尽くしているため、余裕の表情。だがリディアは早くも泣き出しそうである。

「んもう…。エッジ、私のこと置いていかないでよ…?」

暗闇の中で胸元にしがみついてくる妻。背中をさすってやると、しがみつく手にギュッと力が入ってくるのが分かる。

「大丈夫だって。ほら、俺にしっかりくっついてな。」
「う、うん…。」

妻が怯えているのをいいことに、身体を密着させ、肩をしっかりと抱いてやるエッジの手。そしてそこから奥に進んでいくと…


「ひっ!」
「ん?」
「エッジ…今向こうの茂みがガサガサ言ってた…。」

風で茂みが揺れただけでも敏感に感じ取っているリディア。完全に怯えている様子がエッジには可愛くてしょうがない。

「風で揺れただけだって。怖がりだな~。」
「ほ、ほんとに…?」
「本当だって。ほら誰もいねぇじゃねぇか。」

エッジにそう言われて納得したものの、華奢な身体の震えが止まらない。するとリディアは自分の肩を叩かれているのを感じ、エッジがそうしているのかと思いふと肩の方に目をやると…


「いやあぁぁぁぁぁっ!」
「あ?どうした?」

リディアの目の前には、白い着物を纏い、片目がつぶれている長い髪の女性。もちろんきもだめし会場担当の若手兵士が化けているのだが、見たことのない異国のお化けはリディアにとって恐怖以外の何でもない。


「いやああぁ…エッジぃ…。」


夫の胸に力いっぱいしがみ付くリディア。エッジは大好きな妻に抱き付かれてニヤニヤするばかり。

「よしよしリディア、俺がついてるから大丈夫だぞ?しっかりくっついてろよ?」

妻をギュッと抱きしめ、背中を撫で、頬やおでこにちゅ、ちゅとキスをしながらこの上なく優越感に浸るエッジ。愛する女性を守っているのだというプライドが湧いてくる。


抱きしめられ、落ち着きを取り戻してきたリディアはエッジの顔を見上げた。

「ほらリディア、もうさっきのお化けはどっか行ったぞ。」
「…。」
「先に進むか?」

無言で頷くリディア。エッジは彼女の歩調に合わせ、肩や背中をさすりながら進んでいった。


その後、ろくろ首や一つ目小僧、一反木綿やぬらりひょんが現れ、そのたびに王妃の悲鳴が境内の裏で響き渡った…。







「はぁ…もうやだぁ。」

何度も悲鳴をあげたリディアは疲れ切り、その歩き方は何とも弱々しいものだった。

「もう少しで出口だって。ちゃんと札も取ったしよ、最後まで頑張ろうぜ。」

夫に励まされ、何とか歩き続けるリディア。すると…

「!あれは…。」

青白い光が前方にふよふよと浮かんでいる。だんだんこちらへと近づいてきたのでリディアはエッジにしがみ付く。

「お?これ火の玉じゃねーか。」
「火の玉…!エッジ、逃げなきゃ!触ったら呪われて死んじゃうわよ!」

家老の怪談を思い出したリディアはエッジの手を引こうとする。

「何だよ、じいの作り話信じてんのかよ?へ~、本物みてぇじゃねぇか。今年は随分本格的だな。」

自分の目の前に飛んできた火の玉をまじまじと眺めるエッジだが、呪われるという恐怖に駆られたリディアは必死に彼の腕を引っ張り、その場から離れようとする。

「すげぇ、どうやって作ったんだ?」

火の玉を指でツンツンとつつくエッジ。

「エッジ、触っちゃダメっ!!」

泣き叫びながら夫を必死に出口へと引っ張ろうとするリディアだが、彼は面白がって火の玉を触り続けた。すると火の玉はエッジの周りをグルグルと飛び回り、上空へと消えていった。


「そんなに泣くことねぇじゃねぇか~。あれは作りもんだって。」


火の玉に触れたことを何とも思っていないエッジだが、リディアは震えながらその翡翠色の瞳から涙を溢れさせた。

「だって…エッジが…死んじゃったら…うっ…う…。」
「お、おいリディア…。」



肩を震わせて泣きじゃくるリディアをそっと抱きしめ、背中を優しくポンポンと叩く。

「…俺が死んだら嫌か?」
「嫌っ…。」



きもだめしのせいで普段と異なる心理状態とは言え、自分を心配してくれるとは何と愛おしいことか。片想い歴の長かったエッジにしたら、今のこの状況は天にも昇る心地だった。



「ん…そうか。ごめんな、泣かせちまって。ほら、もう出口が見えてっから行こうぜ。」

エッジは親指の腹で、白磁のように滑らかな頬を伝う涙を拭ってやり、そこにそっとキスをした。












「これはお館様と奥方様、お帰りなさいませ!」


出口に着くと、きもだめし会場担当の兵士、そしてエッジ達よりも先に行ったカップル達が談笑していた。

「いや~、楽しかったぜ。裏方で皆をびびらすのもいいけどよ、やっぱりこいつと参加するのが1番だな。」
「それはそれは!…奥方様の悲鳴がこちらまで聞こえてましたから、皆で大丈夫なのかと言っていたんですよ。」


笑いながら話す兵士を前に、そんなに大きな声を出していたのかと、恥ずかしそうに縮こまるリディア。

「だってあんなの初めてだったんだもん…。見たことないお化けばっかりだし。」
「ははは、そうでしょうねぇ。けどそこまで怖がってもらえたのなら私共もやったかいがありましたよ。」



2人が兵士と話していると最後のカップルが出口へと辿り着き、入口からこちらへやって来た家老が全員の無事を確認した。


「うむ、全員無事に帰ってこれたようじゃの。さて、もういい時間じゃ。皆の者、城へ帰るぞ!」









「はぁ…疲れちゃった。」


帰り道、泣いたせいですっかり疲れてしまったリディアを見たエッジはくっと笑う。

「ははは、お前意外と怖がりなんだな~。あーいうの平気だと思ってたけど。」
「だって武器も何も持ってないし、ああやって急に出て来られたらびっくりするじゃない…。」

終始夫に縋り付いていたリディアは不機嫌そうな口調だった。

「そんな怒るなって。俺がいたから大丈夫だっただろ?」
「…知らない。」
「何だよ~、拗ねやがって。」


エッジとリディアは喧嘩しているように見えるが、周りを歩く家老や兵士達はそれを微笑ましそうに眺めている。


「お館様、奥方様。お2人が仲睦まじくて、じいは嬉しゅうございますぞ。」


満面の笑みの家老に、2人は思わず顔を見合わせた。さっきまでご機嫌斜めだったリディアだが、エッジの顔を見つめている内にその表情は柔らかみを増していった。


「リディア…。」
「ん?」
「来年も…夏祭り一緒に行こうな?」
「…うん。」

リディアの指にエッジの骨太の指が優しく絡み合ってきて、思わずキュッとその手を握ると、彼もギュッとリディアの華奢な手を握ってきた。


「エッジ、来年は火の玉触っちゃダメよ?」
「ははは、そうだな。」


唇を少し尖らせ、不満げな表情でこちらを見つめるリディア。少しばかりふざけ過ぎたかと内心反省するエッジはふと、あの火の玉のリアルさを思い出した。


「そういやあの火の玉、どうやって作ったんだ?すげぇ上手くできてたじゃねぇか。」

エッジの問いに、家老や兵士達が何やら不思議そうな表情である。


「はて…?そなたら、そのような物を作っておったのか?」
「いえ…企画書には火の玉の項目はなかったと思いますが…。」

「へ…?」


その場にいた全員の背筋に、何やら寒気のようなものが這い回った。


「…誰か、秘密で火の玉を作っておったのかの…?」


家老の質問に、きもだめし担当の兵士達全員が一斉に首を横に振った。


「お、お館様…火の玉を見たのですか?」
「おぅ…出口の近くで見たぞ。なぁ、リディア?」
「うん…。」

顔色の悪い国王夫妻を前に、全員が顔を見合わせた。


「あぁ…しかし火の玉を見ただけならば問題ございませんでしょうに!呪われるのはそれに触れた者だけですから…。」


慌てて家老がフォローするが、エッジにとっては耳が痛い一言。頭を掻く彼の額からは汗が流れ出す。


「いや、それが…」
「も、もしやお館様…触ったのでございますか!?」
「…おぅ。」


全員が静まり返り、兵士達はどうフォローすべきなのか必死に考えを巡らせるが、言葉が出てこない。


「け、けどよ…あの怖い話って完全に架空の話だろ?毎年じいがきもだめしを盛り上げるために作ってんだしよ。」

「…いつもはそうなのですが、今年はさすがに話のタネに困りまして…昔の資料を元に作ったのです…。」


家老の言葉に、その場にいた全員の顔が青ざめた。

「お、おい…マジかよ…。」
「エッジ…やだぁ…。」





エッジのきもだめしは、ここからが本番である…。

―完―

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2014
07.20

「微睡む」 あとがき

Category: あとがき
エジリディ、執務室でラブラブしちゃいました(笑)しかも見られてるし(笑)


いつもSS書くと長くなってしまいがちな管理人ですが、今回の短編を書いてみて「やればできる!」という自信がつきました♪まぁ、だから何やねんって話ですが…。f^^;今までに思いついた、2人がとにかくいちゃつくだけのストーリー性があまりないSSは今後もUP予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします♡


ではでは☆
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2014
07.20

「微睡む」

ちょっと涼しくなったなぁと思いながらうたた寝していたら浮かんできたラブラブエジリディSSです♪短編ですよ~。







「微睡む」









ある日の昼下がり―――




「エッジ、入るわよ。」


別室で仕事をしていたリディアが、夫のいる執務室のドアをノックした。

(あれ…?)

返事がない。

「エッジ…?」

執務室に入ってみたが、いつも彼が座っている椅子にはその姿がない。

(おかしいな…どこ行ったのかしら?)


空いている執務室の窓からさわさわと心地良い風が舞い込んでくるのに誘われ、ふとそちらを見ると…


「あら、エッジ…。」


昼間の暖かな日差しが差し込む窓のそばにある大きなソファーの上で、すやすやと眠るエッジ。


(最近ずっと遅かったもんね…。)


ここ最近は深夜まで仕事をしていた上に、朝リディアが目を覚ました時は早朝の稽古ですでにエッジの姿はベッドにないという状態が続いていた。

夫が寝ている姿をあまり見ることがないリディアは、彼がこうして気持ち良さそうに眠っているのを見ると、とてもホッとする。国王として、そして忍びの一族の長として多忙な生活。今日のように急ぎの仕事が少ない穏やかな日ぐらいは休息して欲しい、そう思うリディアはエッジの寝顔を見て心が安らぐような気がした。


起こさないように、エッジが眠っているソファーにそっと座るリディア。




ゆっくりと、ゆったりとしたエッジの寝息。


こみ上げてくる愛おしさで、エッジの頬を優しく撫でる。


「ん…。」


何やらムニャムニャと言っているようなそうでないような口の動きに、リディアは思わず笑みをこぼす。


頬を撫でていた手で髪を撫でてやると、心なしか眠っているエッジの口元が緩んだ気がした。

(ふふふ…気持ちいいのかな?)


彼の呼吸に合わせ、ゆったりと髪を撫でるリディア。少し硬めの銀髪は時折リディアの指にちくりとするが、それすら愛おしく感じてしまい、頬にちゅっとキスをした。


(エッジ、寒くないかな…?)


髪を撫でるのをやめ、確か近くに毛布などの仮眠グッズが入った戸棚があったはずだと思ったリディアが立ち上がろうとすると―――


「!?」


急に腕を掴まれ、驚いて振り向くと目の前にはニヤニヤとするエッジの顔。


「どこ行くんだよ?」


エッジは眠そうに、口を閉じたまま大きく息を吐く。

「エッジ…起きてたの?」
「んー、まぁな。」


せっかく眠っていたのに起こしてしまったと申し訳なく思っていると、エッジの大きな手がリディアの細い背中に回された。

「きゃ…!」

エッジの身体に覆い被さる形で抱きしめられ、反射的に高く甘い声が出てしまう。

「へへ…さぁこれでもう逃げられねぇぞ?」
「やだぁ…離してぇ。」

毛布を取りに行こうとしていたリディアは身体をくねらせ、夫の腕の中から抜け出そうとするが、しっかりと抱かれてしまい、もぞもぞと動くしかできない。


「そこにある毛布取りに行くから離してぇ…。エッジ風邪引いちゃうよ。」
「そんなのいらねぇって。」
「?」


掌でリディアの色白の頬を滑るように撫で、エッジが優しい表情で笑いかける。

「こんなにいい掛け布団があるのに、毛布なんか必要ねぇよ。」

ぐいっとエッジの顔の位置まで引き寄せられたリディア。背中を優しく撫でられ、美しい翡翠色の瞳がエッジの深い色の瞳と向かい合っていると、エッジの唇がリディアの唇を柔らかく塞いだ。


「さっきのお礼だぜ?」
「…やだぁ。」


寝ていると思ったからキスをしたのに実は起きていたなんて、リディアは恥ずかしくて頬を赤らめた。


「んだよ、自分からしたくせに。」
「…。」


笑いながら発された言葉にリディアはますます恥ずかしくなり、横たわったままのエッジの肩に顔を埋める。その反応が可愛くて、エッジの手は彼女の髪を優しく撫でた。美しい花のような香りがエッジの鼻から脳へと伝わり、そのまま一面に広がる花園へと旅立てそうな気分になった。


香りをしばし堪能した後、エッジがリディアの長い緑の髪を耳にかけ、首の角度を変えて舌でペロリと耳朶の辺りを舐めると、くすぐったさに華奢な身体はピクンと反応した。

「もう~!」
「そんな牛みたいなこと言うなって。」
「!バカ!」

またしてもからかわれて、顔を上げてエッジを罵倒するが、彼は嬉しそうにニコニコするばかり。

(もう…結局こうしてエッジのペースになっちゃう。)


夫の笑顔を前になす術がないリディアが再び顔を彼の肩に埋めると、エッジの温かい手が彼女の背中や腰をゆったりと撫で始めた。


「ん~、すげぇあったかくて気持ちいい掛け布団だな~。」

嬉しそうな声でそう言いながら、リディアのこめかみ辺りにふんわりと柔らかいキスを浴びせるエッジ。慈しむようなその優しさは、リディアの気持ちを落ち着けてゆく。


ぴったりとくっついたエッジの身体から伝わってくる体温と、背中と腰を緩やかに撫でられる心地良さに、リディアの意識は次第にふわふわと温かい場所を漂い始めた。

「エッジ…あったかいよ。」
「いい敷布団だろ?」

エッジの喩えに思わずクスリと笑ったリディア。こうしていると、身体を離すと何処かへ消えていってしまいそうな、とても温かくて大切なものが、彼と自分の間に存在しているような気がしてくる。そんなリディアの心に浮かんだ思いは―――





もう、離れたくない











*****





「おい、何でそんなとこに突っ立ってるんだ?」
「あぁ、いや…その…お館様に回覧済みの通達を返却しに来たんだが…。」
「???」


執務室の前で立ち往生している家臣に声をかけた見張りの兵士がそっと執務室の中を覗くと…



「あぁ…そうか。別に後で渡せばいいんじゃないのか?」
「そうだな、急ぎじゃないし…。」









執務室の窓辺で、互いの体温を感じながら微睡む2人が目を覚ましたのは、夜の帳が下りた頃のこと…。

―完―
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2014
07.15

ついに…

Category: 日記
皆様こんばんわ☆暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?


先週末に新作SS、「Share with Me」をUPした後…


ついにこのサイトの総拍手数が100を超えましたーーー♡


本当に嬉しいです!FF4サーチにも登録してなかったし、こんな僻地のエジリディサイトに足を運んで読んで下さった皆様に感謝です~♡♡エジリディの妄想が膨らみ続け、半ば勢いで立ち上げてしまい、自己満の世界だからと思ってやっていたのですが、拍手ボタンを押して下さる方がいらっしゃるのはやはり大きな励みです♡(^^)

そして驚いたことに、「Share with Me」をUPし、あとがきをつらつらと書いている最中に拍手を下さった方がいらっしゃったんです!他にも朝の6時とか昼間の2時とかにも拍手ボタンが押されてて、仕事前やその合間に読んで下さってたのでしょうか?どうもありがとうございます!!


というわけで、ついにFF4サーチに登録しました!

(別にそんな大したことちゃうやん、というコメントはお控え下さいませ・笑)


今後も楽しんでいただけるよう、いろんなジャンルのTA後エジリディSSを創作していく所存ですので、皆様どうぞよろしくお願いします(^0^)/

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2014
07.12

「Share with Me」 あとがき

Category: あとがき
あぁ~、またしても長くなってしまいました。読んで下さった方、本当にお疲れ様でした(^^;


今回のSSの発端になったのは私の好きなFF8の挿入歌、「Eyes on Me」の歌詞の後半の一部です。


愛する男性と嬉しいことも辛いことも分け合いたい、そんな一途な想いを綴った歌詞です。

「忍びの妻」で、リディアと夫婦として苦楽を共にすることの大切さを感じ始めたエッジですが、やはりまだエブラーナ国王として、リディアを愛する夫として彼女に辛い思いはさせまいという気持ちが先行してしまう不器用さ。そして何とかして彼に寄り添いたいリディアをこの歌詞のように表現したいと思い、こういう仕上がりになりました。あ、もちろんこのコンセプトが感じ取れない!と思われたなら、それは私の文章のセンスのなさに起因します

今回もご来訪ありがとうございました(^^)ぜひまた遊びに来て下さいね♪

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2014
07.12

「Share with Me」★

TA後エジリディSS第13弾です。エッジを支えたいと思うリディアは…。「忍びの妻」の後日のお話です。


エロありです、ご注意下さい!









「Share with Me」








近いようで、遠い



私はあなたの1番近くにいるはずなのに―――













「エッジ、お帰り!」


厳しくなる冬の寒さの中、1週間の公務から帰ってきたエッジを笑顔で出迎えるリディア。

「おぅ、ただいま。」

そう言ってエッジは家臣と何やら話しながら王の間へと向かって行った。


(あれ…?)


いつもなら抱きしめて笑顔でただいまのチューをしてくれるのに。




リディアが王の間へ行くと、エッジと家老、数人の家臣達が何やらピリピリした雰囲気で話し合っている。


「待てよ、最初と話が違うじゃねぇか!」
「はぁ…。先方が言うには、最初からそんな条件は聞いていないと…。」
「ったく、タチの悪い奴らだな…。とりあえず全員執務室に集合だ。」
「はっ…!」



何やらトラブルのようだ。リディアはその場に取り残され、どうしたらいいか分からなかった。




エッジと結婚し、エブラーナ王妃となったリディア。しかし独り身が長かったエッジはほとんどの執務を自分1人でこなしてきたため、結婚してからもその状態が続き、リディアはあまり責任のない仕事しかしておらず、執政に関わることはなかった。





エッジ達が王の間を去った後、リディアは執務室へと向かい、ドアをノックしようとした。すると…


「冗談じゃねぇよ!ケタが一つ違うじゃねーか!」


エッジの声が響いてきて、リディアはビクッとする。家臣達が宥めながら話を続けた。


「事前に書面で条件は全て提示してあったのでそれを出すよう頼んだのですが、今は他の者が管理しているからここに持ってくることはできないと…。」

「くそッ、完全になめてやがるな…。」

「申し訳ございません!私どもの力が至らず…。次回の交渉の時は、何卒お館様のご同行をお願い申し上げます!」

「あぁ分かった。確かそいつらの拠点はバロンだったよな?セシルにどういう奴らなのか聞いておいた方がよさそうだな…。」

「確かに…。ではセシル陛下に書状をお送りする手配をいたします。」
「ん、頼む。」
「ははっ!では私共はこれにて…。」
「あぁ、ご苦労さん。」


家臣たちが執務室を後にした。すると深いため息をつくエッジ。


(エッジ…。)


1週間の公務を終えて疲れて帰ってきた途端に内政のことでひと騒動。しかし家臣達とて国王であるエッジの判断なしでは動けない。仕方ないことなのだが、上に立つものとしての辛いところである。


様子を見ていたリディアが執務室に入ろうとすると…


「リディア、入れよ。」


こんな時でも自分の気配をちゃんと感じ取っていることに驚くリディア。執務室に入ると、エッジはさっきまで話し合っていた一件の書類らしきものに目を通している。


「あの、エッジ…。」
「ん?」

リディアは何から話せばいいのか分からず、言葉に詰まってしまう。

「何だ、どうかしたのか?」

書類に目を向けたまま、エッジはリディアの方を見ようとしない。疲れていて機嫌が悪いのだろう。元々口の悪いエッジだが、今日はそれに輪をかけるように刺々しいものを感じ、リディアは萎縮してしまう。しかし思い切って笑顔で話しかける。

「ねぇ、お茶でも飲んで休憩しない?おいしいお菓子あるのよ。」

しかしエッジは顔を顰め、俯いた。

「悪りぃ、リディア。今それどころじゃねぇんだ。後にしてくれるか?」

低い声で発されるエッジの言葉にリディアはビクッとした。

「…そう、ごめんなさい。」

いつもなら嬉しそうに話に乗るか、忙しくて無理な場合は詫びながら頬にキスの一つでもしてくれるのに。

「…ねぇ、何か私にできることない?エッジ疲れてるでしょう?」

リディアが申し出るが、エッジの視線は書類に置かれたままだ。

「…いや、大丈夫だ。お前こそ仕事終わったのかよ?」
「あ、ううん…。」
「ならそっちを先にやれ。」
「…うん。」

リディアはいたたまれなくなり、執務室を後にした。


(エッジ…。)


執政のことで大変そうな夫を目の当たりにしたリディア。故郷のミスト復興のために10年近く働き、年を重ねて自立した大人の女性となったリディアにしたら、彼のために何もできない今の状況はもどかしい以外の何でもなかった。



「はぁ…とりあえず自分の仕事を終わらせなきゃね。」







そして夕食の時間。





「あ、エッジ。」
「リディア。」

王族用のダイニングルームにいたエッジはさっきと違い、穏やかな表情だった。リディアはホッとし、思わずエッジに駆け寄る。

「エッジ、さっきの仕事落ち着いたの?」
「んー、まぁな。」
「そうなのね、良かった。」

リディアの笑顔を見たエッジは、表情が緩む。


「リディア…さっきはすまねぇ。お前がせっかく茶でも飲もうって言ってくれたのによ…。」
「ううん、いいの。私の方こそ忙しい時にごめんね。」
「いや…俺が悪かった。」

エッジは侍女や家臣達のいる前だというのに、すっと口布を下ろしてリディアを抱き寄せて頬にちゅっとした。

「ただいまのチューしてなかったよな?ごめんな。」

恥ずかしがるリディアを見てニヤニヤするエッジ。家臣達はもう見慣れたもので、微笑ましそうにクスクス笑っていた。


「さ、飯食おうぜ。腹減ったぁ~!」
「もう、バカ。」











夕食後、エッジは再び執務室で自分の留守中に提出されていた報告書をチェックしていた。リディアは様子を伺いながら執務室に入る。



「ん、リディア。」
「ねぇ、エッジ…。」
「あ?」


「さっき皆と話してたのって…何の事だったの?」

心配そうにじっとエッジを見つめる翡翠色の瞳。エッジは何となく恥ずかしくなってしまった。

「ん…な、何だよそんな顔して。」
「エッジ…私に何かできることはないの?」

彼女の美しい瞳は潤み、唇は何か言いたげに微かに動いている。どう答えようか思案していると…

「エッジが疲れてるのに、何もできないのは嫌なの…。」


色白で華奢な手が、寒さと仕事で疲れきったエッジの手を包み込む。ほんわりと伝わってくる温もりが心地良くて、精悍な忍びの一族の長の表情が緩む。

「あぁ、リディア…お前は何も心配しなくていい。俺はお前がこうしてそばにいてくれるだけで疲れは吹き飛んじまうからな。」

昔と変わらない明るい笑顔を見せるエッジだが、リディアは彼が疲れ切って無理をしているのを感じていた。

「嘘ばっかり…。」
「あ?」
「だってさっき、あんなに怖い顔してたじゃない…。」

エッジは言い返せず、頭を掻く。


「ん…悪りぃ。」
「…謝ることないじゃない。」
「…。」

「疲れてるんなら、そう言ってよ…。」

俯きながら小さな声で自分を気遣うリディア。だがエッジは嬉しいながらも、愛する妻の前では絶対弱音を吐くわけにいかないというプライドがある。



「リディア…ありがとな。今日はもう早めに仕事切り上げるからよ、後で疲れに効くツボでも押してくれねぇか?お前の指圧、すげぇ気持ちいいからな~。」

「…うん。」

「そういや、今日の仕事は終わったのか?」
「終わってるよ。」
「ん、そうか。ならもう風呂入ってゆっくりしろよ。」

そっと抱き寄せられたリディアの唇に、エッジのそれがそっと重なった。

「…1週間ぶりだから、覚悟しとけよ?」
「もう、エッジ…。」
「へへへ…さぁ、風呂入って来いよ。」








その後1時間ばかり仕事をし、エッジは執務室を出た。

「さーて、風呂入って来るか…。」

公務で他国に行くとシャワーしかないことが多いため、1週間ぶりに我が家の風呂を堪能しようと鼻歌混じりで服を脱ぎ、浴室へ入った。湯船に入っている薬草の香りが鼻を掠め、思わず深呼吸する。

「はぁ~、この香りがたまんねぇんだよな~。」

檜の風呂椅子に座って髪と身体を洗うと、ざぶんと豪快に湯船に入る。

「ふぅ~…極楽だぜ。」

湯船の淵にもたれ、目を閉じる。忙しい生活の中でリラックスできる、貴重な時間である。





『だってさっき、あんなに怖い顔してたじゃない…』




しゅんとした顔でリディアが口にした言葉を思い出し、ふーとため息をつく。


(そりゃあん時はすげぇイライラしてたけど…俺、そんなに険悪だったのか…。)


いつもは自分を尻に敷く妻に怖いと言われるような姿を見せてしまった。彼女の顔を見れば元気になれるなど、嘘もいいところである。


(小せぇなぁ、俺…。)


リディアには心配をかけまいと努力してきたエッジだが、結婚して以来、徐々にボロが出てきてるように思えて決まりが悪い。

「ここは一発、男らしく決めてやるか…。」

1週間ぶりにこの腕の中でリディアを乱れさせてやろうと、ニヤリとするエッジ。体内の欲求に満ちたどす黒い血がドクドクと脈打つ。



風呂から上がり、水分補給をしながら急ぎ足で寝室に向かうエッジ。こうしている間も自身がリディアを求めているのが分かる。

(あぁ~、もうすぐだ…!!)

ゾクゾクと欲求を高ぶらせながら寝室に着くと、リディアがベッドの上に座って待っていた。エッジの掛け布団が上げられ、すぐに横になれるように準備されている。

「お館様、1週間のお仕事お疲れ様です。どうぞ横になられませ。お疲れに効くツボを押して差し上げまする。」


ニッコリと笑い、エブラーナ言葉でエッジを迎えるリディア。可憐な花のようなその笑顔に、忍びの一族の長の精悍な顔はたちまち緩む。

「おぉ~リディア、すまぬなぁ。某は嬉しいぞ。」

エブラーナ言葉で返答し、ぴょんぴょんと小さく跳ねながらベッドへと向かってくるエッジを見たリディアはクスクスと笑う。

「もう~、子供みたいね。」
「お前からの誘いが嬉しくねぇわけねぇだろ?」

ベッドに飛び乗ったエッジは早速リディアに抱きつき、すかさず頬にちゅっとする。彼女の頬の柔らかな感触と温もりを感じ、ますます気持ちが昂ぶる。

「柔らかいなぁ~、食べちゃうぞ~。」
「バカ。ほら、横になってよ。」
「んー…。」

曖昧な返事をし、リディアと頬を擦り合わせながら、徐々に体重を彼女にかけてベッドへと沈む。

「えっ、ちょっとエッジ…待ってよぉ!」
「ダメだ、待てねぇ。我慢の限界だ。」

リディアの寝間着の浴衣の襟元をぐっと広げ、首筋から鎖骨にかけて唇を這わせる。

「やぁっ…エッジお願い…待ってよぉ…。」

夫の愛撫に反応し、身体をピクピクとさせながら必死に訴えるリディアだが、エッジはお構いなしに行為を続ける。

「ねぇ、エッジ…やめてぇ…。」
「1週間も我慢したんだぞ?もうやめられねぇよ…。」

エッジの唇は鎖骨から下へと下がってゆき、リディアの胸のふくらみの上部を食み始めた。

「くくっ…柔らかいな…。」
「あっ…エッジ…やめて…!」

必死に身体をくねらせてエッジの愛撫から逃れようとするリディア。脚をバタバタとさせて胸を腕で隠し、首を左右に振る。

「…何そんなに嫌がってんだよ?」

さすがに様子が変だと思い、愛撫をやめ、リディアと視線を合わせる。その表情はご馳走を目の前にお預けを食らった不機嫌な獣のようで、思わずリディアは身震いしてしまう。

「ご、ごめんねエッジ…。あの…。」

そう言うリディアを見つめるエッジはどこか苛立った表情。疲れている上に、行為を中断されるのは男にとって、この上なく自尊心が傷つくのだから。

「何だよ?もしかして月のもんか?」
「ううん、違うの!…エッジに話があるの。」

リディアがエッジの表情に怯えながらも何かを必死に訴えようとしているのを見て、エッジは猛っていた自分を落ち着けようと身体を起こし、頭を掻きながらふーと息を吐いた。

「…悪りぃ、リディア。何だ?」

リディアも身体を起こし、乱れた寝間着の浴衣を直しながらエッジの表情が落ち着いてきたのを見計らって話し出す。



「あのね…私…エッジの仕事をもっと手伝いたいの。」
「何言ってんだよ、もう手伝ってくれてるじゃねぇか。」

「…もっとエッジが楽になれるように、執政関係のことにも関わりたいの。」



思いがけないリディアからの申し出に、エッジは咄嗟に言葉が出なかった。

「バ、バカなこと言うんじゃねぇ!そんなもんに関わったらお前の身体がいくつあっても足りねぇぞ?」

「…ダメ?」
「ダメだ。夜遅くまでの会議もあるし、何日間もよその国に行ったり、お前1人で判断しなきゃなんねぇ場面も出てくるぞ?」

「…全部が無理でも、今よりもっとエッジの力になれることがしたいの。」


真っ直ぐに自分を見つめるリディアの言葉で、どうやら本気らしいということを感じたエッジ。執政に関わるのは非常にタフであるため、リディアの身体のことを考えると何とかして諦めさせたい。しかし先日のように高圧的に出ればまた喧嘩になってしまうだろう。



「あー…リディア。あの…。」



頭をフル回転させてどう返すべきかを思案するエッジだが、仕事で疲れ切った頭は思うように働いてくれない。



言葉につまり、時間だけが過ぎてゆく。





自分をじっと見つめる、翡翠色の瞳。





何とかして思い留まらせなければ。
そうしないと、大変な仕事でリディアが身体を悪くしてしまう。




俺はこいつを守ってやると約束したのだから―――










「私…エッジが辛そうな顔をしてるのに何もできないのは嫌なの。お人形みたいにニコニコ笑って座ってるだけの王妃になりたくないの。」

「…別に今だって仕事してるんだしよ、お人形みたいってことはねぇだろ。」
「してるって言っても、補助的な仕事ばっかりだもん…。今日だって、エッジが留守の間に私が何かできていればあんなに大騒ぎにならなくて済んだんじゃないの?」

「…ん、それはそうかもしれねぇ。けどなリディア、執政ってのはこの国の全てを背負うんだ。すげぇ責任が重いんだぞ?俺はそのせいで寝れなかったり、辛くて辛くて仕方ないこともあったぜ?」







一国を背負うということ―――







内政、外交、家臣、国民。どれも疎かにすることは許されない。







出会った頃は年齢の割に落ち着きがなく、お調子者の王子だったエッジが落ち着いた大人の振る舞いをするようになったのは、紛れもなく一国を背負う国王としての立場と責任があってこそ。本質的な彼は昔と変わらないものの、リディアは国王としての彼の姿を見るたびに、自分との距離があるのを感じられずにはいられなかった。



「私…エッジのそばにいたいの。」
「…いるじゃねぇか。」
「そういう意味じゃなくって…!」


じっとこちらを見つめていた翡翠色の瞳から、涙が零れ出した。

「エッジがね…すごく遠いの。」
「…どういう意味だよ?」

ぐずり出し、次の言葉が出てこないリディアをそっと抱きしめると、甘く優しい彼女の香りがエッジの鼻を掠める。









いつでもこうやって、私のことを受け止めてくれるあなた




大好き



だから嬉しいことだけじゃなくて、辛いことも分けてほしいの―――








リディアの背中を優しくぽんぽんと叩くエッジ。俺はいつでもお前の話を聞いてやるよ、というエッジの思いが伝わってくる。







「…エッジはね、私の旦那さんで、1番近い人のはずなのに、私はエッジが大変な時に助けてあげられなくて、すごく距離を感じちゃうの。」
「俺はもう十分助けてもらってるぜ?結婚するまでは1人でやってたことをお前に助けてもらってるし、すげぇ嬉しいぞ。」

「助けてないよ…。」
「助かってるって。」
「助けてない!」



譲らないリディアを抱きしめながら、エッジは顔を顰める。

「…俺が助かってるって言ってるのに、お前は信じてくれねぇのか?」
「えっ…?」

ゆっくりとエッジと視線を合わせると、彼の顔は真面目だけれどどこか悲しそうに見えた。

「俺は大好きなお前とこうして一緒に過ごせて、仕事手伝ってもらえて、すげぇ楽になったし幸せだし感謝してる。だからこれ以上の事は望んでねぇ。…寧ろ幸せ過ぎて怖ぇぐらいなんだ。」

「…エッジ、嘘ばっかり。」
「なっ…嘘じゃねぇぞ!」

「辛いこと全部1人で背負ってるじゃない…。少しぐらい私に分けてよ。」

「…俺はお前に辛い思いはさせたくない。」
「私だってエッジに辛い思いしてほしくないもん!」


ヘトヘトの頭で紡ぎ出した返答だからなのか、何を言っても言い返されてしまう。エッジの思考回路はもう限界に達し、首を垂れてしまった。

「…リディア、悪りぃけどその話はまた明日にしてくれねぇか?俺、もう疲れちまったよ…。」

「…分かったわ。明日必ず話してね?」
「おぅ。」

エッジがベッドに横になるとリディアは掛け布団をかけてやり、自分も布団の中に入った。


リディアの華奢な手が、エッジの手をキュッと握る。

「リディア…?」
「疲れに効くツボ押してって言ってたじゃない。」
「…あぁ、じゃあ頼む。」


リディアはエッジの掌の真ん中あたりにある、疲労回復のツボをぐっと押した。

「くっ…!!」

あまりの刺激に顔を顰めるエッジ。相当疲れが溜まっているのだ。


(この話するの、今夜じゃなくても良かったかな…余計に疲れさせちゃったよね…。)


善は急げだと思ったものの、余計にエッジを疲れさせてしまい、罪悪感を感じるリディア。

「はぁ…リディア、反対側も押してくれよ。」
「うん。」

身体をリディアの方に向けたエッジが手を差し出すと、反対側の掌のツボがぐっと押された。

「うぉっ…!!」

刺激に眉をしかめ、上半身を捩るエッジ。面白いような可愛らしいようなその姿に、リディアは思わず笑みをこぼす。

「ふふふ…効いてる?」
「…おぅ。」

リディアが掌への刺激をやめると、エッジは一気に脱力した。

「ふはぁ~、すげぇ効いたぞ。ありがとな、リディア。」

リディアの頬にお礼のチューをした後は、彼女の柔らかな緑の髪を撫でるエッジ。




こうしていると自分達は仲良し夫婦なのに、昼間は疎外感を感じなければならない現実。大好きなエッジを助けたい一心だったのに、結果的に彼を困らせてしまった。

(これって、私のわがままなのかしら…。)



「…リディア。」

自分の申し出が正しかったのかどうかとリディアが思案していたら、エッジの深い色の瞳がこちらを見つめていた。

「…うん?」
「確認したいんだけどよ、お前はどんなに大変なことがあっても執政に関わりたいんだな?」

突然の問いかけに、リディアは言葉に詰まる。

「もし単なる思いつきで言ってるんなら、俺は絶対許さねぇぞ。」

エッジにしては珍しく強い語気に、リディアはビクッとする。


「あ…えと…。」


自分をまっすぐ見つめるエッジの精悍な切れ長の目。全てを見抜かれてしまいそうな気がして、鼓動が早まる。

「…どうなんだよ?」

迷いを感じ取ったかのように問い詰めてくるエッジ。リディアの手が微かに震え出す。

「…思いつきなんかじゃ、ないよ…。」

少し俯き、視線をそらすと、エッジの大きな手がぐいっとリディアの顔を上げさせる。

「俺の目を見て言え。じゃねぇと信用しねぇぞ?」




国王としての真剣な表情。







ついて行きたい
助けたい




自分はこの人の妻だと胸を張って言いたい





「…思いつきじゃないよ。ずっともどかしくて、何とかしてエッジを助けたいって思ってたんだもの。」

エッジはじっとリディアを見つめている。






どれほどの時間が経ったか、もう分からない。次に彼の口から出てくるのは一体どんな言葉なのだろうか。リディアはそればかりを考え、布団の中でドキドキする胸に手を当てる。

「…そうか、分かった。」

「分かったって…何が?」
「お前の意思はよく分かったってことだ。」

ぐっと抱き寄せられる、リディアの華奢な身体。

「エッジ…じゃあ…」
「早まるんじゃねぇ。」

自分の言葉に対して間髪入れずに反応する低い声が耳に響き、一瞬寒気のようなものを感じ、小さく身震いする。




エッジの腕の中は、とっても温かくて、1番落ち着ける場所。



でも、どうして?


どうして今夜はこんなにさみしい気持ちになるの?







エッジと自分の間にある壁。
結婚する前からずっとお互いに一番近い存在だったはずなのに。





エッジにぎゅっとしがみつくリディア。

「…何だよ、この甘えん坊が。」




「エッジ、さみしいよ…。」
「あ?」

エッジは自分が疲れていてリディアの言うことが理解できないのかそうでないのか判断できず、どう反応すべきか思案していると…


「今はこうして一緒にいてあったかいのに、また明日になればエッジは大変なことを抱えて1人で辛い思いするんでしょ?そんな姿見てたら私も辛いし、さみしいの…。」

「俺は辛くなんかない。」
「…さっき辛いって言ったじゃない。」

「それはお前と結婚する前のことだぞ。」







どうあっても自分はエッジに近付くことはできないのか?どうすれば彼を楽にしてやれるのかと考えていると…


「…エッジ?」

夫は寝息を立てていた。

(エッジ、寝ちゃった…。)


リディアはしがみついていた腕を緩め、エッジから身体を離す。疲れているのだから休ませてやらなければ、そう思って彼の掛布団を直し、ベッドサイドの明かりを消して自分の布団をかぶる。寝ようと目を閉じるが、ついさっきまで感情が高ぶっていたためか、目が冴えてしまい眠れない。寝返りを打ちたいが、音や気配に敏感な夫を起こしては悪いと思い、じっとするリディア。


(どうしよう…寝れないや。)




月の明かりもない暗闇の中で、ただ時間だけが過ぎてゆく。





聞こえてくる、規則的な夫の寝息。





音を立てないように寝返りを打ち、身体を彼の方に向ける。


(エッジが私よりも先に寝るのを見たの、初めてかも…。)

共に旅をしていた時からエッジはリディアより早く起き、夜寝るのは遅かった。結婚した今でも朝は稽古があるから早く起き、夜はリディアが寝付くまで起きててくれる。

(私、本当エッジに甘えてばっかり…。)


ふーとため息をつくリディア。すると…


「…まだ起きてんのか?」
「はっ、エッジ!…起こしてごめん。」

眠そうに目をこすったかと思うと、エッジの手はリディアの背中に伸びてきた。

「…っとにお前は手のかかる奴だなぁ…。」
「ごめん、エッジ…。」

リディアを自分の方に抱き寄せ、寝かしつけようと背中を撫でるエッジ。

「…ありがとう。ごめんね。」

エッジに身を寄せ、彼の寝間着の襟元にきゅっとしがみつくリディア。

自分が何をしても優しく包み込んでくれる夫。その分彼は自分の気持ちを抑えて我慢してくれているというのに。今だって寝ていたいに違いない。


「エッジ…寝ていいよ。」
「…お前が言うんじゃねぇよ。」
「私が寝かせてあげるから…。」
「そんな事されたら余計に寝れねぇっつーの。」

それどういう意味よ、と怪訝な顔をするリディア。

「ほれ、いい子はねんねしな。」
「もうっ…子供みたいに言わないで。」

リディアが顔を背けると、エッジは身体を起こし、彼女を見下ろした。

「本当に言うこと聞かねぇ奴だな。」

そう言うとエッジはリディアに覆いかぶさり、唇を重ねてきた。

「ん…。」

暗闇の中でほとんど何も見えず、その分いつもよりも触覚が敏感になっているのか、その柔らかさと温かさは特別な気がした。エッジの体温を感じながらすごくホッとするその感触に酔いしれ、リディアは全身がとろりと溶けそうだった。手を伸ばし、触覚を頼りに自然にエッジの首の後ろに腕が回ると、それに反応して掛け布団を片脚で蹴ってベッドの端に寄せてリディアを組み敷くエッジ。

「エッジ…?」
「…今度はやめねぇからな。」

リディアは耳元にエッジの熱い吐息がかかるのを感じた。耳朶が柔らかく噛まれたかと思うと、うっすら湿気を帯びた唇が首筋を這いながらそこを食んでいる。

「んっ…やだ…はぁっ…。」

くすぐったくて、身体を捩るリディア。寝間着の浴衣の襟元が大きく広げられるのを感じた直後、唇は鎖骨から胸元へと移動しながらきめ細かいリディアの肌を食む。エッジの表情も動きもよく見えない緊張の中、決して乱暴にせず、じっくりと優しくやってくるその刺激でリディアの身体はじわりと熱くなり、奥が疼く。

「いやぁっ…はぁん…。」

エッジの大きな手がリディアの乳房を揉みしだく。暗闇の中で微かに聞こえてくる息遣いと、汗ばんで熱のこもったその手からは、彼がリディアと触れ合う事を渇望していることが伝わってくる。


結婚するまでの10数年間、1週間ぐらい会えないのは珍しくなかったというのに、結婚してからはそれすら長く長く感じられてしまう。感じる部分を刺激され、どんどん押し寄せる快感に身を任せる。

「エッジ…気持ちいい…。」

そう言うと乳房の先端に息吹く蕾にエッジの熱い吐息がかかるのを感じ、ぞくぞくするような高揚感に駆られ、ますます身体の奥が疼いた。

「あッ…やんっ…。」

さっきまで胸元で感じていた感触が蕾を包み込み、熱く濡れた舌がねっとりとそこを舐め回す。先で弾くようにつつかれた蕾はぷくっと立ち上がり、キュッと吸い上げられた。

「あんっ!」

快感に耐えられず、高い喘ぎ声で応えるリディア。そうすると乳房が優しくさすられ、悶えるその姿を楽しむような、くくっという笑い声らしきものが聞こえてきた。

「もう…何笑ってるのよぉ。」
「お、聞こえてたのか。お前は鈍いから聞こえねぇと思ってたぜ。」


自分を見下す夫の発言に、思わず手で彼を叩こうとするが、夜の闇の中では空振りするだけだった。

「ははは、何やってんだよ。」
「…エッジ、見えてるの?」
「おぅ、見えてっぞ。忍びは暗い中でも大丈夫なように、目も発達してんだぜ?」
「…!」

ほとんど何も見えない緊張感を味わっていたのは自分だけだったなんて。何においても自分よりも優位に立つこの人を助けるなんて無理なのだろうかと思いしょぼんとしていると、もう片方の蕾が吸われているのを感じた。

「あっ…やぁん、エッジ…!」
「くくくっ…ずいぶん感じてるじゃねぇか。」

硬く立ち上がる蕾を指で摘まれ、嬌声を上げるとそれを楽しむかのようにまたリディアの乳房を揉みしだくエッジの手。

「んぁっ、やだぁっ…エッジのバカぁ…。」

身体をリディアに密着させたエッジは、脚の間でいきり立って熱を孕む自身を彼女の太腿になすりつけた。

「いやっ…。」

寝間着越しでも分かるぐらいのその存在感に、思わずピクンと反応するリディア。するとエッジの指がショーツ越しにリディアの秘所を弄る。

「お前の方はどうなんだ?」
「そんな事、言わせないで…。」

リディアの寝間着の浴衣の腰紐が解かれ、あっという間に取り払われると、ごそごそと衣擦れの音が聞こえてきた。するとリディアは臍のあたりにエッジの熱い吐息がかかるのを感じた。それはさっきよりもずっと熱く、速いペースの息遣い。御馳走が目の前で余裕がない餓えた猛獣を思わせる。


リディアも先程からの愛撫で、秘所の奥から温かな泉がとぷとぷと湧き出てきており、もういつでもエッジを受け入れられる状態にあった。エッジのうっすら汗ばんだ手がリディアの腰の辺りに触れたかと思うと、その手はショーツの両脇にかけられた。

「リディア…お前のここ、どうなってるんだよ?」


「…聞かないで、自分で確かめて…。」

エッジの手がリディアとの結合を阻んでいた薄布をずり下ろすと程よく太く、器用な指が内太腿に滑り込む。その指が露わになった小さな茂みをかき分けて秘所へと辿り着くと、空いた方の手は薄布を爪先までずらしていく。


秘所に辿り着いた指が花弁をくちゅ、と開いて熱を帯びたそこへ入り込んで少し内部を刺激すると、とろとろと蜜が溢れ出てきた。

「すげぇ…。」

低く小さな声でそう呟くと、リディアの脚を広げ、彼女の腰を掴む。潤いをたたえる花弁に熱く張り詰めた自身の先端を触れさせ、そのまま前へと腰を進めて柔らかなそこを押し広げた。

「あぁんっ…。」

圧倒的な存在感を放つ熱いそれは、1週間ぶりの結合で何となく痛みを感じさせたが、どんどん自分の奥に向かってくる内に快感へと変わり、リディアは甘く切なげな声を上げる。

「うぁ…。」

最奥に辿り着いたエッジは、よく潤った熱い内壁にぐっと纏わり付かれる快感に浸り、ため息のような声を漏らす。今夜はもうありつけないと思ったこの蕩けるような感覚に、悦びはひとしおだった。


「リディア…すげぇ気持ちいいぜ。」
「私もよ…すごく気持ちいい…。」


繋がった悦びを共有し、エッジの手がリディアの手を握って指を絡めると、熱い吐息を発し合う2人の唇が重なり合った。


夜の闇の中で何度も響く淫靡な口づけの音は、部屋の空気の色すら変えてしまいそうだった。エッジの欲求は高まり、もう止められないと言わんばかりに腰を揺らし始めた。

「んっ…んんっ、んっ…。」

唇が塞がれたまま動かれ、リディアの声はエッジの口の中でくぐもる。せり上がってくる久しぶりの快感に理性はどんどん消えてゆき、ただエッジから与えられる刺激に身を委ねようとする本能が強くなってくる。


快感に眉を寄せ、息を切らせながらエッジの腰に脚を絡めると律動は早くなり、大きな快楽の波がどんどん押し寄せてきた。


「あっ…ぁ…エッ…ジ、すごく感じちゃうっ…!」


その言葉通り、エッジへの締め付けがぐっと強まってきた。もっと深く来て欲しいと訴えるように、リディアの腰は自然とエッジの律動に合わせて彼の身体に擦り付けるように動き、内壁が彼を呑み込もうとひくひくと波打つ。


自分を求める動作に煽られたエッジの律動は止まらず、熱い存在はリディアの奥を激しく行き来して突き上げ、その刺激が脳髄に響き、意識は遠のいていく。

「あぁっ…あっ…はぁッ…。」

身体を揺らされながら必死に意識を保ち、暗闇の中で微かに見える夫の輪郭を頼りに、悶えながら彼の顔を見つめるリディア。エッジの逞しい腕が自分の身体をしっかりと抱きしめるのを感じると、リディアは手探りで彼の脇腹から手を滑らせて背中へと腕を回し、ぎゅっとしがみつく。


その動作と連動するようにエッジが擦れ合う熱と蜜が混じり合う中を激しく律動すると、内壁の不規則な収縮が繰り返された。

「あっ…あぁぁ…ッ!!」

リディアが達し、身体をビクビクと痙攣させるのを感じると、自身を締め上げられたエッジもそのまま達し、ぶるりと震えながら抑えていた欲求を吐き出した―――










「ふぅ…はぁ…。」



2人は達した時の体勢のまま、呼吸を整えていた。


エッジがベッドサイドのランプをつけると、気怠そうな表情でこちらを見つめるリディア。次第に彼女はホッとしたように微笑んだ。

「そんな可愛い顔すんじゃねぇよ~。」
「だって暗くてエッジの顔が見れなかったんだもん…。」
「へへへ…俺の顔、見たかったのか?」
「うん…ふふふ。」


笑い合い、口づけを交わした2人はまたしっかりと抱き合う。

「すごく気持ち良かった…。久しぶりで嬉しかったよ。」
「俺もすげぇ気持ち良かったぜ…。」


互いに満足していることを確かめ合うと、ちゅ、ちゅ、と軽い口づけを何度も交わす。






*****







「んー…眠い…。」

横たわり、事後の疲れに襲われるエッジがそう言うと、リディアは絶頂の余韻で程よく眠気を感じながら身体を起こし、掛け布団をかけてやった。

「疲れてるのに張り切るからじゃない…。」
「お前が寝れないって言うからじゃねぇか。」
「え…?」

「…ちょっとは眠くなっただろ?」
「…!」


リディアが言葉に詰まっていると、エッジはニヤリと笑った。

「ま、俺がしたくなったってのもあったけどな。」
「…それが1番の理由でしょ?」

リディアは恥ずかしそうに顔を背けたが、疲れて寝ているのを起こされ、眠れない自分のために体力を使わせてしまい、夫に申し訳ないという気持ちになっていた。


そっぽを向いていると、エッジの大きな手がリディアの髪を撫でてきた。

「こっち向けよ。」

黙ってエッジの方を向くと、彼はとても優しい笑顔だった。

「エッジ…。」

何も言わずにそのまま抱きしめられ、エッジの心地よい体温を全身で感じていると、彼の手はリディアの華奢な背中を優しくさする。

(気持ちいい…。)

エッジの首筋に顔を埋め、細い腕を彼の背中に回して同じように撫でると、彼がふっと笑う声が聞こえた。

「気持ちいい?」
「おぅ。…なぁ、リディア。」
「うん?」

「俺はな、仕事がどんなに大変でも夜こうしてお前を抱けばすげぇ元気になれるんだ。そうすりゃ何があったって乗り切れるし、大丈夫だ。だからお前は何も心配しなくていいんだぞ?」


自分を案ずるリディアを安心させようと、穏やかな声で発された言葉。


妻を説き伏せるのに、これ以上の言葉はないと思ったエッジが見たのは…


「何だよ、その顔は…。」


夫が辛いことをこれからも1人で我慢しようとしているのを見抜き、唇をぐっと結び、今にも零れ落ちそうな大粒の涙をいっぱいためた、翡翠色の瞳。

「うっ…うっ…。」

細い肩を震わせるリディアを見て、エッジは顔を顰める。自分がこの女性に惚れたきっかけでもあるその涙は、エッジの最大の弱点。


「少しでいいの…。」
「あ?」



「エッジの辛いこと…少しでいいから…分けて…。」



涙を流し、声を震わせながら訴える妻に、最早説き伏せるための言葉は浮かんでこなかった。







「…分かったよ。」

震えていた色白の肩は落ち着き、まだ頬に涙が残っているリディアの表情がみるみる晴れていった。

「エッジ…嬉しい…ありがとう!」

ぎゅっと夫に抱きつき、喜びを露わにするリディア。エッジは妻の背中を抱きながら精悍な眉を下げ、呆れ顔でふーと息をつく。

「お前は言い出したら絶対聞かねぇなぁ…。」
「だって…エッジが無理するんだもん。」
「してねぇよ。…それより、本当に覚悟はできてるんだな?いくらお前が相手でも、俺は執政の事となったら容赦しねぇぞ?それだけ責任が重いんだからな。」

「うん…エッジを助けられるんだもん、大丈夫!」



これでやっと、この人の妻だと胸を張って言えるようになる―――





「うふふ、エッジのほっぺた赤くなってる~。」
「…お前がそんな可愛い顔見せるからだろうが。」

花のような笑顔の妻を見て頬を赤くして視線を逸らすエッジ。何をしても愛おしいと思ってしまう妻と共に執政関係の仕事ができるのなら、もう少し穏やかな気持ちでいられるかもしれない。それも悪くないなと思っていると―――



ちゅっ。



「お館様、明日よりわたくしに執政の事をご指導下さいませ。」

にっこり笑うリディアからの口づけに、エッジの全身が熱くなった。


「…もう寝ようと思ってたのによ~!!」
「エッジ…!?きゃあぁっ!」




興奮したエッジは、第2ラウンドに突入した。














(俺…こいつには一生勝てねぇんだろうな…。)


2度の絶頂を迎え、自分の腕の中ですっと眠りに落ちた妻の安らかな寝顔を見たエッジは、ふーと息をつく。威厳のある国王となったエッジだったが、リディアにせがまれては折れるしかなかったのだから。


(でもありがとな、リディア…。)


照れ臭くて言えなかった、自分を案じてくれる妻への感謝の言葉を心の中で呟き、柔らかな彼女の髪を撫でながら自身も眠りに落ちてゆくエッジだった。



―完―

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2014
07.05

夏になると…

Category: 日記
皆様こんばんわ☆昨日と一昨日、夕方に私のエジリディSSに拍手下さった方、ありがとうございます(^^)まだFF4サーチに登録していないから、ここまで辿り着くの大変だったでしょうに…しかも両方ともR-18のSSだったので、エロエジリディの需要はあるのだ!という変な自信を増した管理人です(笑)

さてさて、本日は管理人のくだらない日記の日です。(←勝手に決めた)興味のない方はどうぞスルーして下さいね〜♪


まだ関西は梅雨明けしていませんが、もう7月になり、暑い日が増えましたね。夏と言えば海や花火とか、楽しみなイベントがいっぱいです♡


しかし、夏になると管理人の悩みが増えます。それは…


夜、安眠できない日が増える。


暑いから?と思われた方、正解です。しかし私の場合、それだけじゃないんです。


蚊とゴキブリ。



奴らには夏、今まで何度してやられたか分かりません。今年もすでに奴らのせいで寝不足を強いられたんです。

まず、ゴキブリの場合。


お風呂でシャンプーをしていると、何やら左手の甲の上にゴムのような感触のものが乗ってきました。何かと思い、見てみると…


手の甲に大きめのゴキブリ。


ちょっと待って私今全裸やし新聞紙も殺虫剤も持ってへんし!!!!



風呂の中で大パニックの管理人。そのせいで何をどうしたのか記憶が定かではないのですが、確かシャワーのお湯で何とか排水溝へと追いやった気がします。ちゃんと流れて行ってくれたんやろうか…。あまりにショッキングな事件だったため、寝ようとベッドに横になり、電気を消した後もあの衝撃をフラッシュバック。おかげでなかなか寝付けませんでした…。


そしてまた違う日の出来事。

お風呂から上がり、2階にある自分の部屋に入ろうとすると…

いたんです、奴が。私の部屋の前に。


気付いた私はその場で一瞬硬直するも、殺虫剤を取りに行こうとしました。しかし、こともあろうに奴は動き出したんです。


いやいやそっち私の部屋やから!!!


(その時よりによって換気のために部屋のドア全開だったんです…。)


かさかさと管理人の部屋に不法侵入を果たしたゴキブリ野郎ーーー!!!!


すぐさま1階にある殺虫剤を取りに行き、部屋に戻ると奴が壁と本棚の間に入り込んでいるのを発見!殺虫剤を噴射!!しかし奴はカサカサと奥へと逃げやがったんです!!本棚は重くて動かすのは困難やし、仮に動かしたとしても、もし奴が急に姿を現しても素早く殺虫剤を手に取れるか自信がなかったため、そこから出てきたところを狙い撃ちしようと待ち構えることに。もし寝てる間に出てきて顔の上にでも乗っかられたりしたら大変ですからね。


そして待つことおよそ2時間…


もう日付は変わり、すっかり真夜中。めっちゃ眠い…しかし奴は姿を現す気配なし。

うーん、もうこれ以上起きてるのは限界かも…。
そう思った管理人が思い切って本棚を動かすと…。


ゴキブリ、すでに死んでました。


目を疑ったのですが、どうやら最初の殺虫剤噴射がちゃんと命中していた模様。



なーんだ…。

起きてる必要なかったやん…ハハハ。



すぐに電気消して寝ました。


次の日は当然寝不足でフラフラ。私の睡眠時間を返せ〜!!!

(最初から本棚動かしてりゃ良かったやん、などという野暮なコメントはご遠慮下さい♡)



そして蚊の場合。






先日の夜、寝ていたら耳元で…


プゥ〜ン


ほらあの音です、あの音。めっちゃイライラする。


何度も耳元で音がするので、こりゃもう退治せな寝られへんと判断。ベッドから起き上がり、部屋の電気をつけて精神を集中させて耳を澄まします。



そして…



パチン!!



手のひらを見ると見事退治成功!!!これで安眠できるぅ〜♡


電気を消し、横になって目を閉じました。




しかし…



プゥ〜ン


え、また!?



せっかく眠りにつけそうだったのに、再び起き上がって電気をつけ、精神を集中。



パンッ!!


あ、外した。

ふと横を見ると、壁に止まってるのを見つけ、思いっ切りアタック!!!


よし、仕留めた!はぁ〜、やっと寝れる…


電気を消して、横になりました。





プゥ〜ン…



ちょっと待ってーや。



仕方ないのでもう1回起き上がり、耳を澄ませて力の限りパチン!!!


今回も成功♡

けど何で3匹も部屋に蚊がいるんやろう?と思って部屋の網戸を見てみると…

網戸、ちょっとだけ開いてた。(1センチぐらい)


あー、だからか…ハハハ…


網戸、閉めました。



しかし!網戸を閉めているのに後日また蚊がいるのは何故!?
あんたら、そんなに私の部屋が好きなんか!?
そんなに好かれても何も出ーへんから!!



そして毎年暑くなると、クーラーの使用を抑えるために夜は母の部屋で2人で寝たりするのですが、部屋に蚊が入ると…



母は全く刺されないのに、私だけが何ヶ所も刺される。



蚊のせいで寝られず、結局自分の部屋に退散するハメに。私の部屋、他の部屋よりも暑いのに〜(泣)






さらに。



友人と公園のベンチでお喋りしていると…


蚊どもよ、何故に私だけを刺す!!??

外で、しかも公園ですよ!?友人も半袖生足なのに、何故刺されない!!??

「何でそんなに刺されてんの〜?」

ケラケラと笑う友人。


私が聞きたいわい!!!



それにしても、何で私はこんなに蚊に好かれるのだろうか?と思っていたところ、蚊に関するとある実験の結果を発見。それによると、血液型によって刺されやすさが違うらしいです。


まず、最も刺されやすいのは、A型。


…うむ、当てはまる。



そしてもう一つ刺されやすい条件が、汗かき。


…当てはまるなぁ。



と、こういった具合で、私は刺されやすい条件が整った人だったわけです。


けどそれにしたって、外で友人は全く刺されず、私だけが被害を受けるってひどすぎじゃないか!!??世の中不公平や〜!!



そういや大学時代、好きだった人に

「お前は虫に好かれる女やな。」

って言われたっけなぁ…あぁ嬉しくない_| ̄|○

楽しいイベント盛りだくさんの夏ですが、蚊の事を気にしながら遊ぶのも何なので、虫除けスプレー購入を考えてます。どこのメーカーのが効果的なんでしょうね(^^;


何の役にも立たない管理人の日記、読んで下さってありがとうございました♡新しいエジリディSS創作中なので、よかったらまた覗いてみてやって下さいね(^^)
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2014
07.03

三室戸寺のすゝめ

Category: 日記
皆様こんばんわ☆本日は先週UPした、季節ものエジリディSS「Hydrangeas at Dusk」のモデルになった三室戸寺をリポートします!

ちなみにギャグ要素はないので、期待は不要です(笑)





京都府宇治市にある、三室戸寺。ここでは毎年紫陽花目当ての観光客で賑わいます。紫陽花園の中には宇治抹茶スイーツが楽しめる喫茶店もありますよ~。

三室戸

(甘夏様、写真のアップロード方法をご指導いただき、ありがとうございます!おかげでこうして載せられました♡)


また、紫陽花の定番色である青以外にも、白や濃いピンクもあって、なかなか新鮮でしたよ☆

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ちょうど雨上がりの時に行ったので紫陽花が雨粒にまだ濡れていて、心が潤される気がしました(^^)

そしてSS中に出てきた、抹茶アイスと白玉のスイーツのモデルはコチラ。

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JR宇治駅から徒歩2分のところにある、宇治抹茶の老舗・中村藤吉の「生茶ゼリィ」です。(紫陽花園の中にある店ではありません!)濃厚な抹茶アイスと白玉につぶあん、そして抹茶のゼリーという絶妙なコンビネーションがたまらないんです~超人気店につき、土日に行く場合は最低でも1時間待ちなので、行くならば待つの覚悟でお願いします。


ちなみに、前回の季節ものエジリディSS、「Rose Garden」に出てきた、スウィート・リディアのモデルとなったのはこのバラです☆(あとがきに載せるつもりだったんですが、その時は画像容量縮小の方法が分からず…話が前後してしまい、すいません(><)!)

スウィート・リディアのモデル

可愛いでしょ♡

(スモカ様、このSSを特に気に入っていただけたようでありがとうございます☆またそちらへお邪魔させていただきますので、よろしくお願いします!)


以上、完全に私の趣味である寺社仏閣・ご当地スイーツ巡りの紹介になってしまいましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございましたまたのご来訪をお待ちしております☆(^^)




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